あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

心の闇にある悪

2016-08-21 | 本(文庫本)
宮部みゆきさんの『泣き童子 三島屋変調百物語参之続』を読みました。
前作中の「くろすけ」で心が温まりながらほろほろと泣いてからちょっと時間がたってしましましたが、今回も……、いやこれが、3作目はいろんな展開があって、「おちかちゃん、大丈夫か?」と心配してしまうくらいでした。でもおちかちゃんは、徐々に百物語の不思議な世界に慣れたのか、ちょっとくらいのことではへこたれない娘になってました。

黒白の間で不思議話を聞いているうちに、いつしかおちかの心の傷も癒えてきていた。しかしある日、死期が間近にせまっているような、骸骨が浮き出るくらいに痩せた男が訪れる。おちかに話を聞いてほしいとやってきたのだ。男が語り始めたのは、ある特定の人物の前だけで火が付いたように泣いて、決して泣きやまない童子の話だった。表題作「泣き童子」を含む6編からなる、三島屋変調百物語第3弾。


童子が泣きやまない理由は、心の中に潜む「悪」が露見しそうになった時に、心に闇を抱えた人間はどんな行動に出るのか。これは怖いテーマだし、真実を鋭く突いている作品です。これだけでもおなか一杯になるのに、最後には1作目で登場した「商人」がお千佳ちゃんお前に再び現れるという、見事な展開が待っています。

怖い話ばかりなのに、読み始めたら止まらなくなるくらいに面白く、人情に触れるとほっこりし、考えさせられることもある、いろんな意味で「お得な」1冊でした。
物語が百になるのはまだまだ先のことだから、これは宮部さんのライフワーク的な作品になるでしょう。大歓迎!

※あれからのリオ※
もうね、「わーーーーーっ!!!!!!!!」って叫びまくりの後半戦。4times CHAMPIONの伊調さんとか、霊長類最強女子の銀とか、50㎞競歩とか、400mリレーとか、いろいろボルトとか! とくにリレーでケンブリッジくんか一瞬ボルトと並んで走っていたのが、私の最高アドレナリン放出ポイントだったかも。もう終わってしまうけど、あとは男子マラソンのカンボジア代表選手に注目して、次、パラ!
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