
畠中恵さんの『つくもがみ貸します』と『こころげそう』を読みました。
年末の追い込み仕事とかのせいで更新が滞ってしまいました。それでも電車内で本は読むわけで、読書記録が追いつかない! 今年中に今年読んだ本の感想だけは記しておきたいので、畠中さんの作品は続けて読んだこともあり、まとめて残します!
前回までの平安時代から、一気に江戸時代まで戻ってきました。
畠中さんの作品と言えば「しゃばけ」シリーズですが、こちらの作品でも妖のものたちが大活躍してくれました。
『つくもがみ貸します』
お紅と清次の姉弟(実は血縁ではない)が2人で切り盛りする小さな店「出雲屋」は、鍋・釜から美術品まで何でも貸し出す、今で言うならレンタルショップ。中には生まれて百年を経て「つくもがみ」になった古道具も混じっていることを、お紅と清次も承知の上だがお客には内緒。そして江戸の町には妖がらみの不思議な出来事が次々と……。
「しゃばけ」と違うのは、お紅と清次(人間)とつくもがみたちが、決してフレンドリーな関係ではないということ。それでもなんだかんだ文句を言いながら、つくもがみたちは若い2人を助けてくれます。そういうところは、妖にも人情がある「畠中ワールド」でした。
ただ、江戸を舞台にしたラノベっぽくてね。ラストなんて「何で?」な展開になってしまって、読後がかなり拍子抜けな感じでした。
つくもがみたちのキャラが良かった分、人間の方に深みがなくて……。ちょっと残念だったわ~。

『こころげそう』
岡っ引きの下で働く「下っ引き」の宇多。彼には大切な幼なじみたちがいた。そのうちの千之助と於ふじの兄妹が、神田川で溺れ死んでいるのが見つかった。自ら落ちたのかまたは襲われたのか。真相がわからないまま数カ月が経った。宇多は自分の想いを伝えられぬまま逝ってしまった於ふじのことが忘れられない。その於ふじが、幽霊の姿で宇多の前に現れた。自分と兄の死について「覚えていない」と言う於ふじ。宇多は残る幼なじみたちの力を借りて真相を探る。
このお話は、幼なじみたち男女9人を巡る事件とそれぞれの恋模様を描いています。もちろん、千之助と於ふじの死の真相を解き明かすミステリーではあるけれど、最後まで読むとやはり「恋物語だわ」と感じずにいられなくなります。それはすべての真実が明らかになった後の、宇多の台詞に集約されています。
「あぁ、なんて好きだったんだろうな」
この1行に出会うために「読んで良かった」と思えた作品でした。
本当に気がつけばすっかり年末です。大変です。寒さもいよいよ本気モードです。風邪なんかひいちゃうと、この時期はつまんないですから。皆さま、お気をつけて。
年末の追い込み仕事とかのせいで更新が滞ってしまいました。それでも電車内で本は読むわけで、読書記録が追いつかない! 今年中に今年読んだ本の感想だけは記しておきたいので、畠中さんの作品は続けて読んだこともあり、まとめて残します!
前回までの平安時代から、一気に江戸時代まで戻ってきました。
畠中さんの作品と言えば「しゃばけ」シリーズですが、こちらの作品でも妖のものたちが大活躍してくれました。
『つくもがみ貸します』
お紅と清次の姉弟(実は血縁ではない)が2人で切り盛りする小さな店「出雲屋」は、鍋・釜から美術品まで何でも貸し出す、今で言うならレンタルショップ。中には生まれて百年を経て「つくもがみ」になった古道具も混じっていることを、お紅と清次も承知の上だがお客には内緒。そして江戸の町には妖がらみの不思議な出来事が次々と……。
「しゃばけ」と違うのは、お紅と清次(人間)とつくもがみたちが、決してフレンドリーな関係ではないということ。それでもなんだかんだ文句を言いながら、つくもがみたちは若い2人を助けてくれます。そういうところは、妖にも人情がある「畠中ワールド」でした。
ただ、江戸を舞台にしたラノベっぽくてね。ラストなんて「何で?」な展開になってしまって、読後がかなり拍子抜けな感じでした。
つくもがみたちのキャラが良かった分、人間の方に深みがなくて……。ちょっと残念だったわ~。

『こころげそう』
岡っ引きの下で働く「下っ引き」の宇多。彼には大切な幼なじみたちがいた。そのうちの千之助と於ふじの兄妹が、神田川で溺れ死んでいるのが見つかった。自ら落ちたのかまたは襲われたのか。真相がわからないまま数カ月が経った。宇多は自分の想いを伝えられぬまま逝ってしまった於ふじのことが忘れられない。その於ふじが、幽霊の姿で宇多の前に現れた。自分と兄の死について「覚えていない」と言う於ふじ。宇多は残る幼なじみたちの力を借りて真相を探る。
このお話は、幼なじみたち男女9人を巡る事件とそれぞれの恋模様を描いています。もちろん、千之助と於ふじの死の真相を解き明かすミステリーではあるけれど、最後まで読むとやはり「恋物語だわ」と感じずにいられなくなります。それはすべての真実が明らかになった後の、宇多の台詞に集約されています。
「あぁ、なんて好きだったんだろうな」
この1行に出会うために「読んで良かった」と思えた作品でした。
本当に気がつけばすっかり年末です。大変です。寒さもいよいよ本気モードです。風邪なんかひいちゃうと、この時期はつまんないですから。皆さま、お気をつけて。