浅田次郎さんの『黒書院の六兵衛』を読みました。
毎年のことですけど、春は『桜日記』で突っ走っているので、そのほかのジャンルの記事はお休み状態になります。でもその間でもちゃんと読書はしているわけで、記録を残すのはすっかり葉桜になった頃になってしまいます。
この作品を読んだのも、まだ桜が開花する前でした。結構前のことなので、いろいろと忘れてしまっていたりするのですが……。読み終わったらメモくらい書いておかなきゃだなぁ~。
大政奉還で江戸城を新政府に譲り渡さなければいけないタイミングで、城内に無言でただただ居座る的矢六兵衛。旗本中の旗本と言われる御書院番士である六兵衛だが、実はその正体は謎のまま。なぜなら、以前から「六兵衛」を知っている者からすると、今の「六兵衛」は全くの別人。どうやら金で旗本職を元の六兵衛から買ったのだとか。その彼を、天朝様到着までに腕ずくではない方法で城外に出す役目を負わされたのは、尾張徳川家徒組頭の加倉井だったのだが……。
江戸が終わる頃って、本当に武士どもはグダグダで、むしろちゃんと武士らしい姿を見せたのは、本当は武士でない者たちでした。新撰組然り、この作品の的矢六兵衛然り。少し武士らしさは抜けていただろうけど、本作に出てくる勝安房守、西郷隆盛、木戸孝允は、そんな六兵衛に対して憧れの気持ちがあったのかも。
ユーモアがあって時代をじっくり見つめた浅田作品らしいものでしたが、何かね、いつもとは違う読後でした。浅田さんらしい切れがなかったと言うか、何かモヤっとしたんです。それは、そうしなければならなかった六兵衛の意図が分からなかったからです。彼の気持ちが分からなかった。
もう一度読めば、このモヤっとした感じはなくなるのかしら。ん~~~~~。
毎年のことですけど、春は『桜日記』で突っ走っているので、そのほかのジャンルの記事はお休み状態になります。でもその間でもちゃんと読書はしているわけで、記録を残すのはすっかり葉桜になった頃になってしまいます。
この作品を読んだのも、まだ桜が開花する前でした。結構前のことなので、いろいろと忘れてしまっていたりするのですが……。読み終わったらメモくらい書いておかなきゃだなぁ~。
大政奉還で江戸城を新政府に譲り渡さなければいけないタイミングで、城内に無言でただただ居座る的矢六兵衛。旗本中の旗本と言われる御書院番士である六兵衛だが、実はその正体は謎のまま。なぜなら、以前から「六兵衛」を知っている者からすると、今の「六兵衛」は全くの別人。どうやら金で旗本職を元の六兵衛から買ったのだとか。その彼を、天朝様到着までに腕ずくではない方法で城外に出す役目を負わされたのは、尾張徳川家徒組頭の加倉井だったのだが……。
江戸が終わる頃って、本当に武士どもはグダグダで、むしろちゃんと武士らしい姿を見せたのは、本当は武士でない者たちでした。新撰組然り、この作品の的矢六兵衛然り。少し武士らしさは抜けていただろうけど、本作に出てくる勝安房守、西郷隆盛、木戸孝允は、そんな六兵衛に対して憧れの気持ちがあったのかも。
ユーモアがあって時代をじっくり見つめた浅田作品らしいものでしたが、何かね、いつもとは違う読後でした。浅田さんらしい切れがなかったと言うか、何かモヤっとしたんです。それは、そうしなければならなかった六兵衛の意図が分からなかったからです。彼の気持ちが分からなかった。
もう一度読めば、このモヤっとした感じはなくなるのかしら。ん~~~~~。