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あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

やばいの読んだ

2015-12-19 | 本(文庫本)
三浦しをんさんの『光』を読みました。
前回読んだ三浦さんの作品は『風が強く吹いている』でした。で、すっかり年末ムードに押しつぶされそうになってきたので、「ああ、箱根駅伝まであと半月もないじゃないか!」と思い、しをんさんの軽快なタッチの小説が読みたくなって、この本を気軽に手にとったのでした。カバーデザインも素敵だし、良い感じかもよ~、と思ったのですが、今回はこれまでに体験したことのない読書になりました。
あまりのショックのデカさに、自分であらすじを書くことができなくなっちゃいましたので、裏表紙解説をそのまま写します。

島で暮らす中学生の信行は、同級生の美花と付き合っている。ある日、島を大災害が襲い、信行と美花、幼なじみの輔、そして数人の大人だけが生き残る。島での最後の夜、信行は美花を守るため、ある罪を犯し、それは二人だけの秘密になった。それから二十年。妻子とともに暮らしている信行の前に輔が現れ、過去の事件の真相を仄めかす。信行は、美花を再び守ろうとするが――。

あらすじとしてはそうだんだけど、こんなもんじゃないの。こんなに気軽じゃないの。全然ヘビーなの。唖然としながらの読後に浮かんだのは「容赦がない!」って言葉でした。現実の世界なんて、本当に容赦がないのかもしれないけど、小説でこれほどまでに容赦がない作品は、読んだことがないし、もしこれ以上の容赦のない作品があるのなら、教えてほしいくらい。
そしてタイトルの「光」。ここにあったのは、明るく希望に満ちた光ではありません。何せ容赦ありませんから。カバーが、どんよりとした空と海であること、そこにはっきりとしていない光があたっていること、文字がスミ色であること。これを「素敵~♪」と浮かれて手にとった私のなんと浅はかであったことよ!

この作品を読むときの注意:メンタルもフィジカルも「平均的健康レベル」という人はお読みください。とくにメンタルがちょっとグニャッとしているときはおススメいたしません。比較的どちらも元気だった私でも、若干のリハビリが必要になりました。ただ、三浦しをんという作家さんが、とてつもない人だということは十分に思い知らされます。
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