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あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

電車でGO泣!

2010-08-24 | 本(文庫本)
「ひょっとして、まだ読んでないの?」と思っていた方もいらっしゃるでしょう。実はもうずっと前に読んでいたのですが、ここに読書記録として残すのを、どのように書いておけばよいのかをずっと迷っていたら、半年以上経ってしまいました。迷ったままでしたが、そろそろ夏休みも終わっちゃうし、「宿題! 読書感想文、まだ書いてないよ~」って気分になってきましたので、観念して書きます。
宮部みゆきさんの『孤宿の人』です。
なぜ読書記録として書くのをためらっていたかと言うと、私の感想文を書く力では、語ることなどできないくらい、本当にすごい作品でした。宮部さんの作品にはハズレがないのですが、これは凄すぎました。宮部作品を読んで泣けて泣けて仕方なかったのは、この作品が初めてです。

江戸時代も後半になった頃の讃岐国・丸海藩。ここに元勘定奉行の加賀殿が、妻子と側近たちを惨殺した咎で幽閉されることになった。その決定があってから以降、丸海領内で不審な事件が相次ぐ。加賀殿を丸海に祟りをもたらす悪霊と思い込み恐れる領民たち。やがて加賀殿が幽閉されている涸滝の屋敷に、金毘羅参りの途中で捨て子同然に置き去りにされた少女・ほうが下女として入る。

↑は、あくまでも覚書のために簡単に記したものなので、あしからず。当然、物語はもっと複雑に展開していきます。
その時代のことを不勉強な私には、納得できない「侍の責任の取り方」とかもたくさん出てきますし、侍でなくても「処罰=死」という場面が当たり前のように行われたりします。たくさんの人が死んでいく状況をサラッと書いているように読める…。この辺りは、今まで読んだ宮部作品にはなかった部分ではないかと思いました。
そういう驚きもありつつ、読む者をグイグイと引きつける力は流石の宮部さん。そして物語のクライマックスで、完全に「やられた!」となるのです。

そのシーンは、電車の中で読んでいるときにやってきました。まさか宮部作品に泣かされるとは考えてもみなかったので、電車での移動中に読んでいたのが間違いだったでしょうか。
『やばい、泣きそう…』と思ったのですが、そのシーンの途中で栞を挟むことができませんでした。とにかく読み続けたかったんです。
でも本当に泣きそうになって、目に涙がいっぱい溜ってしまっても止められない。電車の中で本を読んで泣いていたりすると、向かい側に座っている人たちにヘンに思われるに決まってます。
『でももういいや。泣いちゃえ~』

まだオーバーを着ていた頃、地下鉄の車内で文庫本を読みながらポロポロ泣いていた女を見かけた方。あれは私です。そしてその時に読んでいたのがこの『孤宿の人』です。
心の底からこの作品、おススメします。
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