Tokyo Tableauz * トーキョー・タブロー

リアルな東京に生活している中で遭遇する様々な断片を事実として写真で収録。撮影のきっかけや理由、背景をコメントで補足。

遺失物のパスケースを電柱に貼り出してみたら・・・

2009-04-15 15:22:37 | Weblog
 赤いビニールテープが巻かれた電柱に近づいてみれば「この辺で拾いました けど」とパスケース。どうやら拾得した遺失物の持ち主探しのようだ。不特定多数の人間が通る公道では、迷い犬猫やペット鳥類の貼り紙ならまだしも、人様の持ち物(しかも金券類)の掲示には滅多に遭遇しない。
 目線の高さにあってそれなりに目立つので、持ち主がここを毎日通るようならめでたく遭遇も期待できる。同時に悪意の第三者の目に触れることでリスクも高まりそうだが、路上にただ落ちているものを拾うよりはテープをはがす時間がかかるし他人の注目が集まるだけに「出来心で拝借」の抑止効果があったりするのかもしれない。
 翌日また様子を確認にいくと「まだ持ち主現れず残念」なのか「盗難にあわず喜ばしい」ことなのかは微妙だが、まだ同じ状態だった。
 拾われ、届けられた落し物は遠方の管理センターに搬送されてしまうと、確認と引き取りにとても難儀する。そんな都市社会の弊害を現場レベルで現実的に解決しようとする原始的なこの手法。法的にどう解釈されるかについては、その判断を専門家に委ねるとしても、行き交う人々の良心の存在に支えられていることだけは確かなようだ。