『おのれ…!』
ホテルから少し歩いた所に、農村の風景や農民などをモチーフにしたかわいい刺繍の作品が沢山置いてる、私のお気に入りの店がありました。ある日その店に入ると、アメリカ人らしきオバサン二人組(ちょっと小太り)がいて、店の人に無理やり英語で話しかけています。店の人は「英語は話せない」と言っているのですが、「何よ!英語も話せないの!?」「何を考えてるのよ!?」とこれまた英語で文句を言っています。それから、二人で幾つかの作品を手に取り「これを全部買ってあげるから、この額にしなさい」と言って電卓を取り出し、とんでもない安い値段をバチバチバチーンと打つのです。
「この刺繍はいっぱい時間がかかる、作るのは大変、そんな安く出来ない」…と店番の女の人はスペイン語で一生懸命説明しているのですが、「わからないわ!」「額が気に入らないの?」「本当はもっと安く出来るんでしょう?!」「どうして英語喋れないの?店員なのに」と更に二人はまくしたてます。そして相手が英語が出来ないと見るや、英語でヒソヒソと相談し始めました。「英語はわからないようね」「もうちょっとよ」「もっと強く言いましょう」…おいおい、入口に立ってる日本人が、アンタ達の英語聞いて理解してるかもしれない、なんて事も想像も出来んのか?それほどしゃべれないにしても何を言ってるかぐらいは結構わかるぞ~!…それか、全然英語わからんような顔に見えたのかな?相談が終わったオバサン達は、店の人がうんざりして困り果てているのを見ると、すかさず自分達が言い張っていた額の現金をレジにバン!と出したのです。「OK?!」と詰め寄るオバサン達に押されて、思わず「…OK…」と小さな声で答える店番の人。まさかその店員さんがOKと言うとは思っていなかったので、「ええ?!」とビックリして私がレジの脇に突っ立ってると、オバサン達は自分達でさっさと商品を袋に詰めて、「うまくやったわ」「私達は賢いわ」と讃えあって、足早に出て行きました。なななな、なんて奴らでしょう~!!内容が何となく分かりながらも、何も出来なかった自分にも腹が立ち、しばらくその店の外で呆然としてしまいました。おのれ~。
その後、ペルーでも同じようなことをする男に出くわした事があります。英語圏でない国に来てるのに、英語が世界の共通言語であるかのように「当然のように」英語で話しかけ、経済格差のカラクリも少しは知っているだろうに、現地の人が時間かけて作ったものを「どうせふっかけてるんだろう?」「儲けようったって、そうはさせないぞ」てな感じで、ゴリ押しして買い叩いていく人は一体何を考えてこの国に来ているんでしょう?ふっかけてきたり、それに対して交渉したり…そういう駆け引きみたいな事も、確かに旅の楽しみかも知れないし、実際ふっかけて来てる場合もありますが、品物をしっかり見て、順当な額は払おう…という気が最初からなくて、「強く出たほうがいい」「押し切って、安く買った方が勝ち」なんて感じで、ゲーム感覚のようにただ買い叩くのって、何だかあさましいですよね。普段自分の国で、どうでもいい事にその数十倍のお金を使っているかもしれないのに…。それに、英語が通じるかどうか尋ねてから英語で話しかけるのはいいと思うのですが、通じて当然と思い込んで英語を使ったり、その国の言語を全く勉強せずに行く、というのは、礼儀ある姿勢とは言えないですよね。挨拶とカタコトだけで充分、誠意は通じるのに。
それから違う店に入って、壁からぶら下げられた色とりどりの布を眺めていると、今度は日本人の父娘が、なんとビデオを回しながら店に入ってきました!普通自分の国で、店の中にビデオ回しながら無言で入っていって商品録画していく無礼者もいないと思うのですが、ここにいた~!唖然としていると、パパらしき人は、舐めるように店の商品を録画していきます。その様子を奥から見ていた店の人が「ビデオなんか撮ってないで、こっちに来たら?」「布を見たいなら出してあげるよ?」と話しかけました。すると、娘がそちらの方は見ずに「何か言ってるわ!」とはき捨てるように言い、パパは完全無視で撮り続けます。その時、店の中ではボリビアの音楽がかかっていたのですが、突如娘がデカイ声で「こんな音楽かけて気分盛り上げて買わそうって腹だろうけど…見え見えよねぇ~」と言い、あまりにことにビックリしてこれまた突っ立ってる私の前を、ビデオを覗きっぱなしのパパとさっさと出て行ったのです。「オウ!日本人…!」と店の人が肩をすくめて溜息をつき、それからチラリと私の方に目をやるではありませんか。思わず居心地悪くなって、私は逃げるように店を出ました。くう~っ、恥くさい~っ!!通りに出たらその父娘はもうどこかへ行って見えなくなっていました。お、お、おのれ~!
もうちょっと後の話ですが、ボリビアの空港でも、エクアドルを周ってきたらしい日本人のオジサン達の団体が、周りに日本人がほとんどいない事をいい事に、大声でエクアドルの街のことを「汚い」「貧乏」「日本はやっぱり綺麗」と口々にわめいていました。どうやら酒も入っているようでしたが…恥ずかしいなんてもんじゃありません。よく「最近の若者は…」なんて言って、若い人の無作法を嘆くオジサン・オバサン方がいますが、人の国に行き、でかい声で勝手な悪口や文句を言う、言葉わからないだろうってなもんで自分達だけで日本語で好き勝手なことを言う、自分の国では出来ないような無礼を無思慮にする、その国の言葉を全然勉強せずに行く…そういうオジサン・オバサン達をこの旅で随分見ました。以前旅行会社の人からそういう年配無礼者ツアーの話は聞いていましたが、よその国を楽しんだり、そこの人達に礼儀を尽くしたり出来ない人が、どうして旅行なんかするのかな…気が付いたら旅先で日本人と見るや、意識的に近づかないようにしてる自分がいる。全く、おんのれぇ~!
ホテルから少し歩いた所に、農村の風景や農民などをモチーフにしたかわいい刺繍の作品が沢山置いてる、私のお気に入りの店がありました。ある日その店に入ると、アメリカ人らしきオバサン二人組(ちょっと小太り)がいて、店の人に無理やり英語で話しかけています。店の人は「英語は話せない」と言っているのですが、「何よ!英語も話せないの!?」「何を考えてるのよ!?」とこれまた英語で文句を言っています。それから、二人で幾つかの作品を手に取り「これを全部買ってあげるから、この額にしなさい」と言って電卓を取り出し、とんでもない安い値段をバチバチバチーンと打つのです。
「この刺繍はいっぱい時間がかかる、作るのは大変、そんな安く出来ない」…と店番の女の人はスペイン語で一生懸命説明しているのですが、「わからないわ!」「額が気に入らないの?」「本当はもっと安く出来るんでしょう?!」「どうして英語喋れないの?店員なのに」と更に二人はまくしたてます。そして相手が英語が出来ないと見るや、英語でヒソヒソと相談し始めました。「英語はわからないようね」「もうちょっとよ」「もっと強く言いましょう」…おいおい、入口に立ってる日本人が、アンタ達の英語聞いて理解してるかもしれない、なんて事も想像も出来んのか?それほどしゃべれないにしても何を言ってるかぐらいは結構わかるぞ~!…それか、全然英語わからんような顔に見えたのかな?相談が終わったオバサン達は、店の人がうんざりして困り果てているのを見ると、すかさず自分達が言い張っていた額の現金をレジにバン!と出したのです。「OK?!」と詰め寄るオバサン達に押されて、思わず「…OK…」と小さな声で答える店番の人。まさかその店員さんがOKと言うとは思っていなかったので、「ええ?!」とビックリして私がレジの脇に突っ立ってると、オバサン達は自分達でさっさと商品を袋に詰めて、「うまくやったわ」「私達は賢いわ」と讃えあって、足早に出て行きました。なななな、なんて奴らでしょう~!!内容が何となく分かりながらも、何も出来なかった自分にも腹が立ち、しばらくその店の外で呆然としてしまいました。おのれ~。
その後、ペルーでも同じようなことをする男に出くわした事があります。英語圏でない国に来てるのに、英語が世界の共通言語であるかのように「当然のように」英語で話しかけ、経済格差のカラクリも少しは知っているだろうに、現地の人が時間かけて作ったものを「どうせふっかけてるんだろう?」「儲けようったって、そうはさせないぞ」てな感じで、ゴリ押しして買い叩いていく人は一体何を考えてこの国に来ているんでしょう?ふっかけてきたり、それに対して交渉したり…そういう駆け引きみたいな事も、確かに旅の楽しみかも知れないし、実際ふっかけて来てる場合もありますが、品物をしっかり見て、順当な額は払おう…という気が最初からなくて、「強く出たほうがいい」「押し切って、安く買った方が勝ち」なんて感じで、ゲーム感覚のようにただ買い叩くのって、何だかあさましいですよね。普段自分の国で、どうでもいい事にその数十倍のお金を使っているかもしれないのに…。それに、英語が通じるかどうか尋ねてから英語で話しかけるのはいいと思うのですが、通じて当然と思い込んで英語を使ったり、その国の言語を全く勉強せずに行く、というのは、礼儀ある姿勢とは言えないですよね。挨拶とカタコトだけで充分、誠意は通じるのに。
それから違う店に入って、壁からぶら下げられた色とりどりの布を眺めていると、今度は日本人の父娘が、なんとビデオを回しながら店に入ってきました!普通自分の国で、店の中にビデオ回しながら無言で入っていって商品録画していく無礼者もいないと思うのですが、ここにいた~!唖然としていると、パパらしき人は、舐めるように店の商品を録画していきます。その様子を奥から見ていた店の人が「ビデオなんか撮ってないで、こっちに来たら?」「布を見たいなら出してあげるよ?」と話しかけました。すると、娘がそちらの方は見ずに「何か言ってるわ!」とはき捨てるように言い、パパは完全無視で撮り続けます。その時、店の中ではボリビアの音楽がかかっていたのですが、突如娘がデカイ声で「こんな音楽かけて気分盛り上げて買わそうって腹だろうけど…見え見えよねぇ~」と言い、あまりにことにビックリしてこれまた突っ立ってる私の前を、ビデオを覗きっぱなしのパパとさっさと出て行ったのです。「オウ!日本人…!」と店の人が肩をすくめて溜息をつき、それからチラリと私の方に目をやるではありませんか。思わず居心地悪くなって、私は逃げるように店を出ました。くう~っ、恥くさい~っ!!通りに出たらその父娘はもうどこかへ行って見えなくなっていました。お、お、おのれ~!
もうちょっと後の話ですが、ボリビアの空港でも、エクアドルを周ってきたらしい日本人のオジサン達の団体が、周りに日本人がほとんどいない事をいい事に、大声でエクアドルの街のことを「汚い」「貧乏」「日本はやっぱり綺麗」と口々にわめいていました。どうやら酒も入っているようでしたが…恥ずかしいなんてもんじゃありません。よく「最近の若者は…」なんて言って、若い人の無作法を嘆くオジサン・オバサン方がいますが、人の国に行き、でかい声で勝手な悪口や文句を言う、言葉わからないだろうってなもんで自分達だけで日本語で好き勝手なことを言う、自分の国では出来ないような無礼を無思慮にする、その国の言葉を全然勉強せずに行く…そういうオジサン・オバサン達をこの旅で随分見ました。以前旅行会社の人からそういう年配無礼者ツアーの話は聞いていましたが、よその国を楽しんだり、そこの人達に礼儀を尽くしたり出来ない人が、どうして旅行なんかするのかな…気が付いたら旅先で日本人と見るや、意識的に近づかないようにしてる自分がいる。全く、おんのれぇ~!