焼き芋みたいな
エッセイ・シリーズ (29)
『Nの流れ星 』
高校時代のこと。
バスケの部活の帰り道、メンバー3人で流れ星を見た。
北海道の広大な夜空をスーっと長い曲線を描くように
山のスキー場の方へ落ちて行った。
突然、Nが叫んだ。
「やった!俺いま、願い事言った!」
あまりにすっとんきょうなNの甲高い声に、
僕らは可笑しくて大笑いした。
「ええっ!ウっソだろー?」
「ホントだあ!願い事言ったっしょー!」
「だってさ、一瞬だったよなぁ」
「何て祈ったんだ?」
僕らのからかい半分の問いかけに、
Nは急に真面目な顔になってこう言った。
「修学旅行に行けますようにって言ったんだ」
大笑いしていた僕らは皆黙り込んだ。
Nの家が経済的に困窮しているのは僕らも知っていた。
町でも名の知れたNの親父さんの会社が倒産して間もない頃だった。
いつも明るく陽気で、男気があって、
人を笑わせるのが好きなNだった。
「修学旅行に行けますようにって言ったんだ」
あの時のNの、初めてみせた悲しそうで悔しそうな顔。
僕らにはどうにもならない事だった。
その半年後の修学旅行。
幸い、僕と同じ班にいつものようにゲラゲラ笑いおどけるNがいた。
京都~奈良~東京と3日間、
先生から「お前らいい加減静かにしろ!」とよく注意されながらも、
僕らは朝から晩まで思いきり楽しく過ごした。
「Nの流れ星」
あの時見た流星を、僕らは今もそう呼んでいる。
「ホントだあ!願い事言ったっしょー!」
Nの願いは、ちゃんと間に合ったんだ。
星空Cafe、それじゃまた。
皆さん、お元気で!
どれをとっても じんわりとします
夜空から降って来る☆のようですよ~
毎日そう思っていました。
今日のNの流れ星は画像と共にピッタリ 星空カフェ
です~
僕に何が出来るだろうと考えました。
皆さんの少しの癒しになってくれたらと思い、拙いのは承知で書いています。
読んでくれたひとに優しい星が降りそそぐことを願いながら。
だって、それが僕の、星の子としての使命ですから。(むはは。星の子って!・爆)
りりさん、ありがとうございます!。(^^)