夕方、散歩に出ると、犬がこちらへ行こうとしきりに誘った
そういった時は、犬の感覚に任せるのが一番だというのは経験でわかっている
犬は僕がどんな場所やどんなものが好きかということを知っているし、
そういったものを嗅ぎつける能力は当然僕なんかよりよっぽど優れている
それで、今日も犬の意見を聞くことにした
その道は普段あまり通らないから、歩くのは久しぶりだ
木々の紅葉が素晴らしい
さっきまで歩いていた道をちょっと入っただけなのに、まったく違う世界
犬はちょっと振り向いて「ネッ!」という表情で僕を見た
僕はしゃがんで犬の胸のところを撫でながら「でかした」と声をかける
犬は一頻り落ち葉の上を丹念に嗅ぎ、更に奥へと僕を導いた
支尾根に乗って直ぐ、犬の様子が変わった
何かを感じ取った時の仕草だ
同時に動きは非常に慎重になり、更には僕を先に行かせるように自分は座った
僕は犬の先に出て、息を殺しながら前方をゆっくり見回した
手摺りの上にチラッと動く青い鳥…ルリビタキのオスだ!
昨年の秋冬は一度も出会えず残念な思いをした
そして昨日行ったお山も実はルリビタキを探しに行ったのだけれど、空振りだった
チルチルとミチルも夢の中で青い鳥を探しに出掛けたが、
結局その青い鳥は家の籠の中に居たのだった
そして、僕らの青い鳥ルリビタキも、近所の身近なところにいた
僕は少しでも近づこうとゆっくりゆっくり間合いを詰める
けれども、その分だけルリビタキも先へと進んでしまう
こちらが一歩進めば一歩分、二歩進めば二歩分遠ざかる
決して飛び去るわけではないが、間合いは縮まらない
そんな風に、ルリビタキの後を一定の距離で人間と犬がのっそりと付いて行く
それが何十メートルか続いた
そして、ついにルリビタキが飛び立ち、僕らもそれを追うように小走りになった
すると突然、眼前が開けた
ヤツデモミジの色づきが何とも幻想的な広場に出たのだった
僕も犬も、一瞬息が止まってしまうほど、それは美しかった
ルリビタキはそのことを知っていて、僕らをここに導いたのだろうか
偶然が重なっただけかもしれないけれど、
犬に導かれ、鳥に導かれて、僕がこの瞬間を迎えたことに間違いはなかった
そんな訳で、幸せの青い鳥は今、この季節、身近なところにいるのです
そういった時は、犬の感覚に任せるのが一番だというのは経験でわかっている
犬は僕がどんな場所やどんなものが好きかということを知っているし、
そういったものを嗅ぎつける能力は当然僕なんかよりよっぽど優れている
それで、今日も犬の意見を聞くことにした
その道は普段あまり通らないから、歩くのは久しぶりだ
木々の紅葉が素晴らしい
さっきまで歩いていた道をちょっと入っただけなのに、まったく違う世界
犬はちょっと振り向いて「ネッ!」という表情で僕を見た
僕はしゃがんで犬の胸のところを撫でながら「でかした」と声をかける
犬は一頻り落ち葉の上を丹念に嗅ぎ、更に奥へと僕を導いた
支尾根に乗って直ぐ、犬の様子が変わった
何かを感じ取った時の仕草だ
同時に動きは非常に慎重になり、更には僕を先に行かせるように自分は座った
僕は犬の先に出て、息を殺しながら前方をゆっくり見回した
手摺りの上にチラッと動く青い鳥…ルリビタキのオスだ!
昨年の秋冬は一度も出会えず残念な思いをした
そして昨日行ったお山も実はルリビタキを探しに行ったのだけれど、空振りだった
チルチルとミチルも夢の中で青い鳥を探しに出掛けたが、
結局その青い鳥は家の籠の中に居たのだった
そして、僕らの青い鳥ルリビタキも、近所の身近なところにいた
僕は少しでも近づこうとゆっくりゆっくり間合いを詰める
けれども、その分だけルリビタキも先へと進んでしまう
こちらが一歩進めば一歩分、二歩進めば二歩分遠ざかる
決して飛び去るわけではないが、間合いは縮まらない
そんな風に、ルリビタキの後を一定の距離で人間と犬がのっそりと付いて行く
それが何十メートルか続いた
そして、ついにルリビタキが飛び立ち、僕らもそれを追うように小走りになった
すると突然、眼前が開けた
ヤツデモミジの色づきが何とも幻想的な広場に出たのだった
僕も犬も、一瞬息が止まってしまうほど、それは美しかった
ルリビタキはそのことを知っていて、僕らをここに導いたのだろうか
偶然が重なっただけかもしれないけれど、
犬に導かれ、鳥に導かれて、僕がこの瞬間を迎えたことに間違いはなかった
そんな訳で、幸せの青い鳥は今、この季節、身近なところにいるのです