じゅなの独り言

織田裕二君のドラマ(特に公僕物)が大好物な一地方公務員です。日頃考えていることをつらつらと綴っています。

推測に過ぎないけれど

2011-05-29 22:05:38 | 原発
「3月12日 いったん中止されていたはずの海水注入が
福島原発の所長吉田昌郎氏の判断により実は継続されていた」
ということについて。

《 報道によって確認できる事実 》

5月20日 東電の会見で55分間の中断があったと発表

3月12日 午後 7時 4分 冷却のため海水注入開始
         7時25分 中断
         8時20分 再開

5月26日 東電 武藤栄副社長会見
  12日7時25分 本店と現場のテレビ会議を実施
  「(注水に)首相の理解が得られていない」との情報を協議、注水停止で合意
  しかし、吉田昌郎第1原発所長の判断で注水を継続
  (このことは、24、25日に行った吉田所長への聞き取りで明らかに)

「IAEA(国際原子力機関」の調査も行われることで
「正しい事実に基づき評価が行われるべき」(吉田氏談)だと、
今になって発表することにしたとのこと。


それにしてもよく今までこのことがばれなかったものだなあと
私としてはそのことにも驚いています。
現場で作業している方々の何人もが
きっと知っていて黙っていたってことでしょう??
マスコミからの取材だってあったろうし、
今はさまざまな情報発信手段を一個人が持っている時代なのに
吉田所長ご本人が口にするまで、この事実が漏れなかった。

このことから推測するに、
① 現場で作業している方々は、吉田所長の判断を是としている。
② 現場で作業している方々が、情報の秘匿に協力している。
(出すべき所やタイミングの判断が吉田氏に任され、コントロールできている。

とは、言えるんじゃないでしょうか。

命の危険がある場所で、しかも相当に劣悪な労働条件の中で
原発事故の収束のために毎日働いてくださってる方々からの
この方への信頼の厚さは相当なものなのだろうと感じます。

この件以外にも、この吉田所長という方は、
防潮堤の必要性について民放の番組で訴え、その後にやっと、
「6月半ばまでに防潮堤を完成させる」と東電が発表するということがありました。

いったん話は変わりますが、
もし自分が職業軍人や警察官であったとして、
非常時に、上司が、一般市民に対して
(例えばかなり強行な手段を取ってきたデモ隊であっても)
「撃て!」と命じてきたとしたら。

自分の良心に反しても、
公僕を選んだのなら、上司の命令に従うべきなのでしょうか??

電力会社も、民間企業であるとはいえ、ライフラインを担う、
「半公僕」と言って良いような職業であろうと思います。

専門的な知識をもとに「このままでは人命が損なわれる!」
と判断できるような、明らかに間違った命令が出されたとき、
人はどう行動すべきなのか。

ひょっとしてこの人は、
原発に正対しながら、背後の国や東電本社とも
戦っているのではないかしら???

背中から撃ってくる、本来味方であるべきはずのものと。
無能な味方は敵の何倍も質(たち)が悪いですもんね。

そして、状況を分析しつつ、
原発を安全に止めるために最前と思われる策を実行するために、
マスコミでもIAEAでも、有効と思われるものを
フルに活用しようとしているのではないか?

私にはそう思えてなりません。

私の情報源は主に「○旗新聞」と、インターネットと、
最近では「週間現代」。
原発事故以降、毎週買っています。
この雑誌はもともと吉田所長を高評価していましたので、
もちろんその影響を受けての判断なんですが。

正確な情報を迅速に、必要なところに伝えることは確かに大切なことです。
ただ、今回正しい情報が必要なタイミングで出てこないことは、
この所長さんのせいではないんじゃなかろうか?
彼らが報告していることがどれほど報道されているか、
正しい情報が流されないことへの怒りや焦りを
現場はむしろ深く深く感じているのではないか?

だからこそ彼は、「非常手段」を、それと承知で覚悟して取っているのではないか?
推測に過ぎませんが、私にはそんな気がします。

その彼を「処分」って…。
じゃあ誰が、彼の代わりを務めるのでしょうね?
現場の人たちが、そんな人事を受け入れるとは私には思えませんけれど。

毎日命がけで働いてくださっている現地の皆様。
どうか原発事故が、一日も早く収束しますように。
現地で働いている方が、無事にご家族のところに戻れますように。
それを心よりお祈り致します。