よく行くワインバーがある。ワインの品揃えだけでなく、食事のメニューも充実している。カウンターが中心なので、他のお客さんの様子も見て取れる。ワインの薀蓄を披瀝する人、連れの女性を口説く男性、お店のスタッフをからかう人など、様々なタイプのお客さんがやってくる。みんな楽しそうである。
その理由は、スタッフの接客の姿勢にあると思う。スタッフはほぼ全員若い女性。いろんなタイプのお客さんに応じた接し方をしている。(ただし「女性性」を「売り」にはしていない。はず…)中には居酒屋に行った方がいいのではと思われるようなタイプの客にも、笑顔で対応をしている。無理にワインを勧めることもなく、こちらの懐具合も考えたセレクトをしてくれる。
また、なによりスタッフ同士が信頼しあって、楽しんで仕事をしているように見うけられる。そうなると、自分のするべきこと、「役割」というのも見えてくるわけで、自然な流れの中で仕事が回っていっている。実はその様子を見るのが心地よいのだということに最近気がついた。
中澤圭二著『鮨屋の人間力』(文春新書)では、鮨屋にとって基本となるのは、単にネタがうまいというだけではなく、お客さんに接する態度、人を見ること、空気を作ることなどの「人間力」であると説かれている。(p.168)
著者は、カウンター越しに一貫一貫注文し、そのたびに言葉を交わす、鮨屋というのは飲食業の中で唯一の「さらし」の商売だという(p.73)鮨屋の特殊性を強調しているが、「人間力」が必要なのは、他の接客業、いや多くの仕事においても、共通することだといえる。
職場においても、最近「空気を読めない人」が多いといわれているが、では、単に「もっと気を使え」と指導するのは少し違う気がする。気を使われていると相手が感じれば、それは時として重荷になるし、場合によっては慇懃無礼ととられかねない。
このようなこと、今まで「いわなくてもわかる」はずであったのだが、どうも最近は違うらしい。説明するのはかえって難しいが、最終的には相手の立場や気持ちに立って行動するということに尽きるのかもしれない。
その理由は、スタッフの接客の姿勢にあると思う。スタッフはほぼ全員若い女性。いろんなタイプのお客さんに応じた接し方をしている。(ただし「女性性」を「売り」にはしていない。はず…)中には居酒屋に行った方がいいのではと思われるようなタイプの客にも、笑顔で対応をしている。無理にワインを勧めることもなく、こちらの懐具合も考えたセレクトをしてくれる。
また、なによりスタッフ同士が信頼しあって、楽しんで仕事をしているように見うけられる。そうなると、自分のするべきこと、「役割」というのも見えてくるわけで、自然な流れの中で仕事が回っていっている。実はその様子を見るのが心地よいのだということに最近気がついた。
中澤圭二著『鮨屋の人間力』(文春新書)では、鮨屋にとって基本となるのは、単にネタがうまいというだけではなく、お客さんに接する態度、人を見ること、空気を作ることなどの「人間力」であると説かれている。(p.168)
著者は、カウンター越しに一貫一貫注文し、そのたびに言葉を交わす、鮨屋というのは飲食業の中で唯一の「さらし」の商売だという(p.73)鮨屋の特殊性を強調しているが、「人間力」が必要なのは、他の接客業、いや多くの仕事においても、共通することだといえる。
職場においても、最近「空気を読めない人」が多いといわれているが、では、単に「もっと気を使え」と指導するのは少し違う気がする。気を使われていると相手が感じれば、それは時として重荷になるし、場合によっては慇懃無礼ととられかねない。
このようなこと、今まで「いわなくてもわかる」はずであったのだが、どうも最近は違うらしい。説明するのはかえって難しいが、最終的には相手の立場や気持ちに立って行動するということに尽きるのかもしれない。