Entre ciel et terre

意訳して「宙ぶらりん」。最近、暇があるときに過去log整理をはじめています。令和ver. に手直し中。

「元気ですか」(補足)

2006年06月19日 | 日々雑感
知人のお母さまから、ヤマハの会報を頂いて、写真の綺麗なことに感動

夜会・東京公演に関するみゆき嬢の感想を読んでいて「ハッ」と思ったこと
があったので述べておきたいかな、と思います。

管理人が見に行った2月20日の青山公演において、みゆき嬢が
間違えた歌詞は、「帰れない者たちへ」の2番部分でした。

「帰れない歳月を夢だけが遡る 足跡も探せずに影と泣く十三夜」

という部分を、

「帰れない歳月を夢だけが遡る 帰れない歳月を夢だけが遡る」

と歌っていたんです。
でもですね、個人的にはその方がリアリティーが増した気がしましたよ。

なんてったって、この後にかの幻想的な『月夜同舟』が待っていましたからね。

でも、歌詞間違えてもアドリブ効くってすばらしいですね。
その辺は塾練されている歌手と言えますね。



ほいでもって『元気ですか』もお借りしました。d(ゝω・´*)

先日、中島みゆきのカバー・アルバム集『元気ですか』
が発売されました。これはアルバム『元気ですか』と同時に出されたものですが、
アルバムの方は恐らく過去の寄せ集めでしょうから、カバー・アルバムの方が
楽しめるだろうな、という予想はしていました。

正直、カバー・アルバム集を出している歌手は、みゆきさんくらいじゃないかと
思います。というか、それ以外聞いたことがないからです。

曲目リストを見ると、まぁ面白いものです。

 1.糸/Bank Band
 2.狼になりたい/小谷美紗子Trio+100s
 3.時代/徳永英明
 4.化粧/坂本冬美
 5.空と君のあいだに/槇原敬之
 6.「元気ですか」/小泉今日子with GOTH-TRAD
 7.アザミ嬢のララバイ~世情(メドレー)/浜田真理子
 8.ファイト!(2006MIX)/福山雅治FUKUYAMA ENGINEERING GOLDEN OLDIES CLUB BAND
 9.後悔/小柳ゆき
10.ヘッドライト・テールライト/奈歩
11.恋文/岩崎宏美

糸、は既に聞いたことがあります。
中島みゆきの糸よりも、どこか切なさがある気がします。

狼になりたい、は初め聞いて「歌い方、真似てるのか?」と素直に思いました。

時代・化粧、はそれぞれ好きです。
どこが好きか、と問われると 根本的にすきなのですが、
やはりメジャーな歌になればなるほど、「実力」を備えた歌手でなければ
歌えないということが分かります。
もちろん、オリジナルには劣るんですが、でも立派に太刀打ちできているところが
素敵です。

(でも「化粧」は少し演歌っぽかったですねwww)

空と君のあいだに、は聞いてみたいなぁ、と思っていたので
聞けて嬉しかったのですが、どこか「世界に一つだけの花」のイメージがつきまとい、
それとダブってみえたりしたのですが、でもこの曲をマッキーが歌うのは
ありっちゃあり、って感じです。

「元気ですか」はアルバム『愛していると云ってくれ』のように
後に「怜子」が入っていないと どこか違和感を感じます。
さらに、小泉今日子という女優を使っているところに、原曲よりも
恨み、憎しみ、悔しさ、みたいのが見えた気がします。
原曲よりゆっくり語っているところも、どこか怖い。

そういう意味ではアルバム集のタイトルに起用しながらも、
この「元気ですか」はメインではない気がします。

このあとに来るメドレーは、素直に感動しました。
アザミ嬢のララバイは、中島みゆきのデビュー曲です。
そして、何より管理人は浜田真理子さんを知りません。
でもこのメドレーも、ありです。
というか、ひとつの曲として普通に成立していると思いました。

ファイト!、の福山雅治ver.は、明らかに「サーモン・ダンス」の
影響を受けていると考えられます。

後悔、を歌っている小柳ゆきは なんか久しぶりにあった旧友
に思い起こす懐かしさ、みたいのがまずあり、ほいでもって次に
「後悔」という歌の素晴らしさを表現しきっている彼女に、どこか敬礼したくなります。

ヘッドライト・テールライト、は1,2番を英訳詩で歌っていました。
だからなのか、原曲よりポップな感じがあった気がします。
でも、やっぱこの歌は日本語の方がシックリきます。

恋文、を歌った岩崎宏美は こんな声で歌うのか、と正直思いました。
恋文はある意味で酷な歌だと思っています。
ただ手紙のやりとりをしない人でも、こういうストーリーに対して
思いを寄せることができるのかどうか、果たして疑問です。

「元気ですか」は、表では「もう平気」みたいなところを見せています。
でもその裏は案外どろどろしていたり、忘れられなかったりしているものなのかも知れません。
そうやって考えると、この選曲の仕方は、ありっちゃありです。

最後に、このアルバムの歌詞カード、冒頭に糸井重里の評論「高笑いするビーナス。」があります。

「この人は、泣きたくなるほどユーモラスな表現者なのだ」

糸井重里って、なんか不思議な人というイメージが個人的にはあるんですが、その不思議な人が、(中島みゆきに対して)ユーモラスという言葉を使っているので、よけいに僕にはこの人が「不思議」な人に見えてきました。

ただ、一番彼のコラムで心打たれたのは、以下の部分です。
こういうことが書ける彼は、やはり不思議な人であり、管理人と同様、中島みゆきを愛して止まないファンの一人なんだな、と共感しました。

 「中島みゆきを聴くときは、一度は、すっかりその世界に嵌り込んでたのしむ。そして、もう一度は、深夜のラジオで高笑いしていたあの女性が、止めどなくうそをついていると想像しながら聴く。」



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