■きのとりこ『やさしい死神』(千倉書房、2019.)
絵本(といってよいですか?)なので、簡単に読むことができます。
可愛らしい絵と、物語。
ただ、「簡単に」とは書きましたが、内容はなかなか哲学的。意訳された日本語を読みつつ、併記されているフランス語も見ながら読んでいきたい一冊。
焦って読むのではなく、時間に余裕を持ち、ゆったりとしたリラックスな状態で読むと、タイトルは怖い?ですが、豊かな時間を過ごせるような一冊です。
読んでいると、先日、ニュースになってしまった自死を想起させる部分があるのも事実ですが、それを肯定するのではなく、ちょっと考えよう。生きるってなんだろう? 死って何だろう? と考えられる一冊です。
フランス語の辞書で、「mort (f.) 」を調べたら、
Ce n'est pas la mort. / Il n'y a pas mort d'homme. たいしたことではない
と、出てきました。
■ディコ仏和辞典[新装版](白水社、2016.)
なんか、本を読んでから、この熟語を見ると、フランス的な mort が分かるような気がします。