時々時間があると、図書館にいって雑誌を読んできます。
「ミセス 5月号」にこんなエッセーがありました。
降り積もる光の粒 角田光代
旅でしか得られないその素晴らしいものとは、きっと他の人には何の価値もないことだ。
民家の窓からこぼれるように咲いたブーゲンビリアとか、日陰に寝そべる犬とか。
食堂のおばさんの人なつっこい笑顔とか。
迷った私を正しい道に案内してくれる誰かの大きな背中とか、そうしたもの。
すれ違っただけの人の笑顔や小さな親切。美味しいものや、におい。静止したようないくつ
かの光景。旅しているときはただやり過ごし見過ごしている。けれど旅を終えたとき
私達は気が付づくのだ、それらがきらきらと光を発しながら自分の内に降り積もっているの
を。困難や疲労は住み慣れた場所に帰れば消える。
けれど見知らぬ土地で蓄えたそうした光の粒は時間の経過と共にますます輝きを強くする。
それがその人を成長させるか、豊かになるとは私は思っていない。
ただ静かに降り積もるだけ。
「ミセス 5月号」にこんなエッセーがありました。
降り積もる光の粒 角田光代
旅でしか得られないその素晴らしいものとは、きっと他の人には何の価値もないことだ。
民家の窓からこぼれるように咲いたブーゲンビリアとか、日陰に寝そべる犬とか。
食堂のおばさんの人なつっこい笑顔とか。
迷った私を正しい道に案内してくれる誰かの大きな背中とか、そうしたもの。
すれ違っただけの人の笑顔や小さな親切。美味しいものや、におい。静止したようないくつ
かの光景。旅しているときはただやり過ごし見過ごしている。けれど旅を終えたとき
私達は気が付づくのだ、それらがきらきらと光を発しながら自分の内に降り積もっているの
を。困難や疲労は住み慣れた場所に帰れば消える。
けれど見知らぬ土地で蓄えたそうした光の粒は時間の経過と共にますます輝きを強くする。
それがその人を成長させるか、豊かになるとは私は思っていない。
ただ静かに降り積もるだけ。