内川コピペ改変

本拠地、オールド・トラッフォードで迎えたマンチェスターシティ戦。
永遠の宿敵相手に3失点、攻撃陣も勢いを見せず惨敗だった。
スタジアムに響くファンのため息、どこからか聞こえる「今年はELにも出れないか」の声。
無言で帰り始める選手達の中、一昨年の欧州年間ベストイレブン香川真司は独りベンチで泣いていた。
ドルトムントで手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト…
それを今のマンチェスターユナイテッドで得ることは殆ど不可能と言ってよかった。
「どうすりゃいいんだ…」香川は悔し涙を流し続けた。
どれくらい経ったろうか、香川ははっと目覚めた。
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した。
「やれやれ、帰ってトレーニングをしなくちゃな」香川は苦笑しながら呟いた。
立ち上がって伸びをした時、香川はふと気付いた。

「あれ…？お客さんがいる…？」
ベンチから飛び出した香川が目にしたのは、ゴール裏まで埋めつくさんとばかりの観客だった。
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにユナイテッドのチャントが響いていた。
どういうことか分からずに呆然とする香川の背中に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「シンジ、アップだ、早く行くぞ」声の方に振り返った香川は目を疑った。
「ベ…ベッカム？」「なんだシンジ、居眠りでもしてたのか？」
「ギ…ギグス監督？」「なんだシンジ、勝手にギグスさんを引退させやがって」
「ネヴィル…」香川は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた。

GK 1 ピーター・シュマイケル(C)
DF 2 ギャリー・ネヴィル
DF 6 ヤープ・スタム
DF 5 ロニー・ヨンセン
DF 3 デニス・アーウィン
MF 11 ライアン・ギグス
MF 8 ニッキー・バット
MF 7 デビッド・ベッカム
MF 23 香川真司
FW 9 アンディ・コール
FW 19 ドワイト・ヨーク

MG アレックス・ファーガソン

暫時、唖然としていた香川だったが、全てを理解した時、彼の心には雲ひとつ無かった。
「勝てる…勝てるんだ！」
イェスパー・ブロムクィストにビブスを渡し、グラウンドへ全力疾走する香川、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった…

翌日、ベンチで冷たくなっている香川が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った。