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天津ドーナツ

みんなで力を合わせて、天津の日本語教育を楽しく、元気にしましょう。ご意見・ご要望は左下の「メッセージ」からどうぞ。

第7回ドーナツ会議

2011-03-07 08:38:06 | 顧問・アドバイザーから
今日、河北工業大学でドーナツ会議が行われました。



この大学を会場に決めたのは私ですが、天津の一番北(ほとんど河北省ですね)にあり、

ここまで来るのに2時間以上かかる学校もあります。



地理的な条件が良くないことは承知の上で決めた理由は、

この学校で会議を開くことにより、遠くの学校からイベントに参加する学生や、

休日に審査員を勤めてくれる社会人の方々の気持ちを、少しでもわかるようになってほしいと

思ってのことです。



それでも、遅刻する人が半分ぐらいいるだろうな、と思っていたのですが、

私が開始時刻の30分前に着いたときには、半数以上の学生が集まっていて、

準備もすでに終わっていました。



そして、会場校の学生と話をしている間に殆どの学生が到着し、開始時刻には、携帯電話を家に忘れて

連絡がつかない学生を除き、全員が揃いました。私は、これは本当にすごいことだと思いますが、

実際にこの学校に行ってみた人にしか分からないことなのでしょう。



また、写真を見ればわかるのですが、前回の会議に比較すると、男子学生の参加が急に増えました。

これも、私にとっては嬉しいことです。



会議自体は学生に任せ、私は外でぶらぶらしていましたが、

最後に、

「私や先生方がすべてを決めて、学生に実行させるのは簡単。でも、それでは成長しない。

自分たちでやったら失敗することもあるけれど、失敗のレベルを上げていって、最後に成功すればいい。

それが成長だと私は思います」

という話をしました。



学生は、教師が優秀であることを証明する駒ではありません。

ドーナツも学生の成長のために作ったのであって、私の評価を高めるためではありません。



天津では学生がイベントを企画し、実行するのは自分の学校内に限られていますが、

これから少しずつ、失敗を繰り返しながら、「天津市のコンテスト」が作られていくでしょう。

その時に舞台に上がるのは、今日、集まってくれた学生達です。



今日はまだ、自分たちに出来るのかと不安に思う学生もいたようですが、

学期末のドーナツ誕生日がどんな雰囲気になるのか、楽しみにしています。

(それは、今学期にどのぐらい苦労をするのかにかかっているのですが、今は黙っていることにします)



会議の後の資料の整理などをしていた会長さんや何人かの学生は、

夜中の12時頃に、「今から宿題をします」というメッセージを残していました。



天津市の各大学が活動の経験を積み、会議も打ち合わせぐらいで済むようになるまで、

彼女たちの苦労は続くでしょうけれど、少しでもそれが軽くなるように、

日本語の勉強の仕方などのフォローをしていきたいと思います。

日本語が好きな人の勉強法・嫌いな人の勉強法

2011-02-17 03:22:34 | 顧問・アドバイザーから
日本語が好きな人の勉強方法



1.紙の辞書を使う:

  持っているだけで楽しい⇛中国語の部分を読んで楽しい⇛特に良い文章の日本語の部分を読んで楽しむ⇛日本語  と中国語を比較して楽しむ

  電子辞書も、音声を聞くだけで楽しい。無理に覚えようとはしない。

2.試験を楽しむ:

  ときどき、文章を読んで感動のあまり泣きそうになったり、吹き出したりする。試験が終わったあと、その文章を書   いた人の作品を探して、読んだりもする。

3.文章を読む:

  単語帳の丸暗記などはしない。面白い文章を見つけるのがうまい。

  つまらない文章は適当に読み流す。面白い文章は覚えて人に紹介する。

  文脈や話脈で覚えるから、状況に応じて日本語が使えるようになる。

4.日本語で話そうとする:

  間違えても全く気にしない。逆に「チャンス」だと思うし、そもそも日本語で話す時間を楽しんでいる。

5.「りんご」と言われたら「りんごそのもの」を思い浮かべる。







日本語が嫌いな人の勉強方法



1.電子辞書を持っていて、たまに使う。使い方もよくわからなくなってくる。



2.試験が近づくと勉強し、終わると復習もしないからすぐに忘れる。

  試験の目的は「点数」だけ。どんな問題だったのかも覚えていないし、試験中に感動したり、卒論のテーマが見つ  かるなんてことはない。

  「日本語能力試験」と聞いただけで、暗い気持ちになる。



3.単語帳を持っていて、1ページ目から丸暗記をする。

  どんな状況でどんな目的で使われるのか、「文脈」や「話脈(話の流れ)」を考えずに覚える

  ⇛「KY」になるか、状況を把握しようとするだけで精一杯、会話を楽しむことはできない。

  ⇛会話が嫌いになってくる⇛ますます日本語の勉強が嫌いになる、の繰り返し。

  

  1ページ目からやっているから、10ページ目にとりかかる頃には、最初の部分は忘れている

  ⇛どんどん辛くなる⇛効率が悪くなる、の繰り返し。



4. 間違えるのが怖いから、できるだけ日本語は使わない。(3の必然的な結果)



5.「りんご」と言われたら、「苹果」(中国語)を思い浮かべ、その後、りんごそのものを思い浮かべる。

  会話の時は間に合わないし、実感が伴わないから、せっかく覚えた単語も忘れることも多い。

  機械的な丸暗記が、大脳生理学的には相当に無理のある記憶の方法だということを知らない。





 中学生の時の私は、英語大好き少年でした。

 文化祭で英語のコントを披露したり、英語新聞を発行したり、高校入試の英語もおそらく98点か100点だったはずです。(スペルをひとつ間違えた可能性がありますが、その問題は今でも覚えています)何しろ、英語の辞書を年中持ち歩き、凡例まで含めて「繰り返し」読んでいたのですから、英語を忘れるなんてことはありえなかったのです。

また、お小遣いが入ると英語の辞書を買う、というのが私の当時のお金の使い方でした。



 しかし、高校入学後の初めての授業で、英語が嫌いになりました。

 教室に入ってきたその先生はあいさつもそこそこに数枚のプリントを配り、「この単語を覚えたら大学入試は大丈夫です」と言ったのです。プリントに目をやると、数えきれないほどの単語が例文もイラストもなく並んでいました。



 なんて言ったらいいのかわからなくてそのプリントをじっと見ていると、

「これはまだ半分です。もう少ししたらあとの半分を渡します」と先生は続けました。

そして、プリントの単語を一つずつ読んでいったような気がしますが、この後のことは、それ以降の授業も含めて、ほとんど覚えていません。



 その先生は、女子生徒の間でも噂になるぐらい、美人でセクシーな女性でした。休み時間にわざわざ教室をのぞきにくる学生もいたぐらいです。

 しかし、私はその先生の授業は大嫌いでしたし、顔も覚えていません。どんな話をしてくれたのかも覚えていません。おそらく、その先生とはほとんど会話もしなかったのだと思います。



 もしかしたら、「川端は甘い。単語の丸暗記が一番いい英語上達法だ」と言う人がいるかも知れません。「勉強は苦しいものだ。その辛さに耐えてこそ…」という考え方の人もいるでしょう。



 上記の「日本語が好きな人の勉強方法」は、中学生の時の私の勉強方法です。

そして、「大学受験のカリスマ英語教師」の(ドラゴン桜のモデルになった人)が、カリスマになるきっかけとなった出来事を参考にもしています。さらに、近年、進歩の目覚しい大脳生理学(脳科学)や学習心理学の成果も取り入れています。



 結局、本人が意義を感じているか、楽しいと感じていない限り、「エビングハウスの忘却曲線」通りの結果しか残らないのだと思います。つまり、普通に勉強していたのでは、1ヶ月後には殆ど忘れてしまっているのが人間の脳だということです。

 これが、「単語が覚えられない」「長期休暇明けには殆ど忘れて、一からやり直し」という状況の原因です。

 

1.学習直後から忘却が始まる

  ⇛終了間際にポイントを再確認する、夜寝る前に復習をする、忘れかけた頃に復習をする(完全に忘れたら一から  やり直しです)

2.何かと結びつけて覚える(単語帳の機械的な丸暗記とは正反対のやり方です)



という脳の機能の研究成果に逆らって勉強していますから、いつまでたっても覚えられませんし、会話もできるようになりません。努力の成果が現れないのですから、時間が経てば経つほど、勉強が苦痛になってきます。



勉強も仕事も、今やっていることの中から無駄なことを捨て去るだけで、成果は変わってきます。それを手抜きだという人もいるでしょうけれど、大事なのは「勉強を楽しむ」「成績が上がる」ということであり、「(意味もわからず)努力をする」ということではないと思います。



孔子だって「マジメより好きな方が上達する」と言っているのですから、真面目に勉強しているのに上手になっていない人は、「肩の力を抜いて・絵を書いたり連想したりしながら・繰り返し」勉強してみてください。



※冒頭の「好きな人・嫌いな人の勉強方法」について、「私はこうしている・こう思う」ということがきっとあると思います。ぜひみなさんの経験・方法を教えてください。

スピーチについて  テーマ・相手・自分を理解する

2011-01-31 09:06:59 | 顧問・アドバイザーから
世の中にはハウツー(How to)本があふれているから、

この日記のテーマも、「スピーチのコツ」とでもしたほうが、受けがいいのかもしれません。



しかし、そういうことは他の人やさまざまな書籍、インターネットの「スピーチのコツ」といった

サイトなどに任せることにします。



ですので、

内容は憶えてもらわなくてもいいから、上手そうだなというイメージで勝負していきたい人は、

他の方法で練習してください。



(ここから本題に入ります)

今、「大中物産杯」というスピーチコンテストに向けて、数人の学生の原稿チェックをしています。

テーマは「未来に伝えたいこと」。



彼らの原稿を読んでいて、改めて思いました。



「何を、何のために」ということが明確になっていないと、

「どうやって」の部分をいくら飾り立てても、心には響かない、

そして、それを考えるには、

「相手と自分を理解する」必要がある、

ということです。



原稿にはすばらしい美辞麗句が並んでいます。

でも、何度読んでも、そのスピーチを聞いて心から拍手をしている観客の顔は

浮かんでこないのです。



いろいろな本を読んだり、ネットで検索したりして、

何日も考え続けて、その理由が、ようやく少し分かったような気がします。



繰り返しになりますが、

「何を、何のために」ということが明確になっていないと、「どうやって」の部分を

いくら飾り立てても、心には響かないのです。



「どうしてそのテーマが出されたのか」

「どんなことを、何のために」

ということを何よりも先に考えなければいけないのに、

原稿を数時間で仕上げ、何週間も「発音・表現」の練習をする、



私自身も、そういう指導をしたことがあります。

その反省を込めて書くのですが、



そういう練習がどんなスピーチにつながるのかというと、

大量消費される消耗品のスピーチ、です。

消耗品、つまりは、使い捨ての「すぐに忘れられるスピーチ」です。



ちょっと言いすぎでしょうか。

「それは一生懸命にやっている学生に失礼だ」という方がいるかもしれません。

私もそう思い、6年間を過してきました。



しかし、自分でスピーチコンテストの発起人になってみて、

この問題から逃げるわけにはいかなくなりました。



ためしに一度、コンテストの審査員の方々に、

「記憶に残っているスピーチはありますか。どんなスピーチでしたか」

と聞いてみてください。

コンテスト直後ならまだしも、次の日になったら、ほとんどのスピーチが

忘れられてしまいます。



「学生のスピーチなんだから」

「ニュースだって、次の週には誰も覚えていないんだから」

と言う人もいるかもしれません。



私も、先週のニュースをすべて憶えてるわけではありませんから、

現代社会が情報においても大量生産・大量消費の方向に動いてきた

ことは否定しません。



ただ、何十時間(あるいは何ヶ月)も使っているスピーチの指導・練習が、

発表するそばから忘れられていくもののためだとしたら、

ちょっと時間がもったいないんじゃないかな、と思うのです。



(ここから本当の本題に入ります。前置きが長くて申し訳ないです)



1.テーマには、意図があります。

  例えば、「未来へ伝えたいこと」というテーマであれば、

 「未来の社会がどうなっているのか、

  そのときに社会の中心になっている人(つまり、今は学生の人)に考えてほしい」

 「その未来を少しでもいいものにするために、今からできることを考えてほしい」

 というようなことが考えられます。

  あるいは、

 「自分の行動は、何十年・何百年後の未来に影響を与えるということを自覚してほしい」

  という主催者もいるかもしれません。



2.「誰に、何を」を考えてください。

  「先生、そんなの決まっています。審査員、ゲスト、観客の学生たちです」

  という人は、50点です。

  残りの半分は、

  「その人たちは、普段何をしているのか。どんなことで喜び、どんなことで悲しんでいるのか。

   どんな希望を持ち、何に悩んでいるのか。どんな環境で育ち、どんな生活をしていくのか」

  といったことです。

  

  相手が変われば、話す内容も変わってくる、

  これは誰もが理解できることですが、実際に、相手の欲求・価値・期待を考えようという

  人は、ほとんどいません。



  あるいは、そのようなことは「相手に媚びることだ」という人もいるかもしれません。

  「スピーチは、自分の成長ためにするのであって、相手の評価は関係ない」と。



  もし、その「評価」が「順位」というのであれば、私も同意します。

  審査員が変われば順位は変わるかもしれませんし、同じ審査員でも、1週間後には

  違う評価をしているかもしれないからで、

  そのようなあやふやなもののために、神経をすり減らすのはもったいないと、

  私も思います。



  しかし、それでも、やはり、「どんな人たちが聞いてくれるのか」ということは

  考えなければいけません。



  やり方は簡単、相手の生活を想像すればいいのです。



  「能力試験も、英語の試験の準備しなければいけない。宿題もある。遊びに行ったり、部屋で

   インターネットをしている友達もいる。デートをしている人もいる。美味しいものを食べに行く人もいる。」

  「最近、日本語の勉強が楽しくなってきた(あるいは難しく感じてきた)。『フリーター家を買う』とか、

  『告発国選弁護人』は面白いな」

  というような人たちが休日にスピーチを聞きに来る、

  

  そういうことを想像することができれば、

  「その人たちにどんなことを伝えたいのか」ということも、分かってきます。



  今回のテーマ、「未来へ伝えたいこと」で言えば、

  相手は、会場にいる人だけではありません。



  50年後、100年後、500年後の未来の人たちです。

  自分の、そして会場にいる人・いない人たちの子孫です。

  そういう人たちに、どんなことを伝えたいのか、

  これが、このテーマの要求していることです。



3.「何を」の基準は自分自身です。

 テーマの要求していること・相手を理解したら、次は「何を」を考えます。



 そのときのキーワードは、「私」です。

 つまり、「私は何を伝えたいのか」です。



  

  結論:

  スピーチの練習に取り掛かる前に、

  「誰に、どんなことを、何のために、私は伝えたいのか」、ということをきちんと考えてください。



  「このテーマで、この相手に、これを伝えたい。それは、私のこういう経験から出てきたことです。」

  これができたら、「どうやって」という表現の練習(原稿書き・発音・表現の工夫)に入っていいと思います。



  補足:

  「誰に、どんなことを、何のために」を考える習慣は社会に出てからも役に立ちます。

やりたいことを見つけるために

2010-09-02 15:50:40 | 顧問・アドバイザーから
1年の始まりに当たり、年間計画(年間目標)を書き出します。

1年の終わりに当たり、年間計画が実際にどの程度実現できたのかを検証します。(振り返り)

それを数年続けます。



そうすると、自分がやりたいことと実際にできることが明確になります。



今、「自分は将来何をやりたいか分からない」と思っている学生に聞きます。

大学に入学してからの年間目標のリストと検証の記録はありますか?



計画も記録も検証もなく人生を生きているから、自分が分からなくなってくるのではないでしょうか。

7つの習慣

2010-09-02 15:47:56 | 顧問・アドバイザーから
『7つの習慣』

日本の友人であるI先生(マインドマップフェロー、東京の公立学校の教師、教師研修のリーダー)のブログからの抜粋です。(  )内は私の考えです。

(転載ここから)

(1)主体性を発揮する

 問題を人の責任に転嫁することは簡単です。しかしそれでは問題はけっして解決しません。「時代が悪いから」「教育制度が悪いから」「地域が」「親が」「職場が」云々と自分の外に責任を回避する生き方に、主体性のかけらもありません。

(教育制度が悪い、試験のためだけの勉強ではだめだ、自分たちで向上するチャンスを作ろうと言って始めたドーナツですが、能力試験の結果が悪いと「ドーナツに参加したから勉強する時間がなかった」と言うのでは、あまりに主体性がなさ過ぎると思います)

(2)目的を持って始める
(一番最後の項目とも関係があるのですが、基本と原則がない組織はいずれ衰退します。ドーナツの理念は何か、常に確認をしなければいけません。それは、教室で学べないことを学ぶことで、人間力や仕事力を向上させる、それらを日本語で行うことで実際に使える日本語を身につける、その結果一人前になった学生が社会に貢献していく、ということです)


(3)重要事項を優先する

(ドーナツはイベントを行うサークルではありません。イベントを手段として成長していくためのサークルです)


(4)WIN-WINを考える
(ドーナツに関わるすべての人に利益をもたらすこと、まずは所属する大学、日本企業、そして地域社会に貢献できるサークルにします)


(5)理解してから理解される
(ドーナツに関わる人が何を望んでいるのか、マーケティングをします)


(6)相乗効果を発揮する
(よい競争、よきライバルは努力の原動力になります。井の中の蛙(自分の学校で優秀)にならずに、道場破り、武者修行をしてほしいと思います)

(7)刃を研ぐ

『7つの習慣』によれば、刃を研ぐために必要な項目は次の通りです。
①社会・情緒(家族活動・会話・お付き合い)
②肉体(運動・バランスのとれた食事・ストレスマネージメント)
③精神(奉仕・芸術・鑑賞など)
④知性(読書、執筆、学習、研究など)

(現状では満たされないこの項目を満たすために、ドーナツを作ったのです)



何のために勉強するのか、何のためにドーナツを作ったのか、これらを常に問い続けないと、基本も原則もない学生生活を送ることになります。



「勉強がつまらないのは教育制度のせい」

「勉強する時間がなくなったのはドーナツのせい」

人のせいにしている限り、人生は変わりません。