高校1年生にとって大きな決断となる「文理選択」。最終決定前にぜひ確認してほしいポイントを、ベネッセ教育総合研究所?高等教育研究室?コンサルタントの村山和生氏がアドバイス。
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文理選択において重要なのは、第一に自分の興味?関心です。そのうえで、これまで受けた定期テストや模試の結果、授業の感触などを通して学習のペースやスタイルを見直し、自分の適性を総合的に判断することが大切です。
新しい教育過程の影響により、履修内容が増えた理科や数学を「苦手」と感じている高1生が多いよKD7です。本当に理系が「向いていない」のか、それとも単に学習のペースがつかめていないだけなのか。理科なら物理?化学?生物?地学がまんべんなく苦手なのか、どれか1教科ができないのか。理科は履修内容が増えると同時に、小?中学校で学んだ内容との連携が図られているため、中学校でのつまずきさえ克服すればOKかもしれませんし、問題演習を増やせば大丈夫かもしれません。苦手の質を見極めるために、定期テストや模試の総合点だけで判断せず、ぜひ苦手教科の先生に相談してみましょう。現時点の点数や偏差値を過剰に気にする必要はありません。興味さえあるなら、盛り返しのチャンスはたっぷりあります。
一方、英語や国語も「得意」な人と「苦手」な人の差が大きくなっていますが、これはコミュニケーションや表現に重点が置かれるようになったためと考えられます。読む?書く?話す?聞く力はいずれも演習次第で身に付きますし、文系理系を問わず重要ですから「英?国が苦手だから理系」という短絡的な発想はやめましょう。
文理選択は、自分の学習スタイルや適性を見つめ直すチャンスです。自分が、よりいきいきと学べる場をイメージしながら、悔いのない選択を行ってください。