視覺的電腦記録

商業専職装画家・THORES柴本(トーレスしばもと)の 既刊案内、お仕事情報などの色々御報告

講談社ラノベ文庫「進撃の巨人Before the fall」

2011年12月02日 | 刊行情報
講談社ラノベ文庫
『進撃の巨人 Before the fall 1』

原作:諫山創 著作:涼風涼 装画:THORES柴本
出版社:講談社
発売日: 2011年12月2日
価格(税込):649円
ISBN-10: 406375202X
ISBN-13: 978-4063752021


突如として現れた巨人により、人類は絶滅の危機に直面していた。人類に与えられた生存圏は72万平方キロメートルほど。「壁」で守られたその城郭都市もついに破られるその日が来た! アンヘルは巨人に立ち向かう『立体機動兵器』の開発に着手する。累計550万部の大ヒット作、その本編の前日譚が小説版で登場!

新創刊した講談社のライトノベルレーベル、ラノベ文庫の第一弾ラインナップです。
「進撃の巨人」は諫山創氏による原作漫画が現在大ヒット連載中の人気作品です。

その漫画の世界の前日譚を小説としたものになります。

主人公のアンヘルは武器開発をする工房の技術者で青瓢箪と言われるぐらい隠って開発に明け暮れているらしいと言う事で余り良い肌色では無かったり、手入れしてない金髪、主人公的な顔立ちとか、後は目付きが悪い感じでデサインパターンを出しました。
服装は基本は工房での開発なので作務衣を着ているのが殆ど、と言う事で作業着をイメージして考えました。其処で普段着的なものも考えて一番カジュアルなコートのタイプが普段着に決定。此のまま作業着とせずに他のデザインを作務衣にしました。
色は担当氏との相談で一寸カーキ色的な感じになりました。
軍服のデザインに関しては原作のデザインを元に、立体機動装置が無いことを前提にしたデザインを考えて起こしたものを原作側などにチェックして頂きました。
一応一通り、挿絵に登場するキャラクターのデザインやラフは誰かしらにはチェックして頂いていますが、マリアは結果的に私によるお任せになってしまった感じに。この作品は余り女性キャラを期待されてないからねと言う感じでした…。
最初ではゼノフォンはざんばら髪で痩せたイメージしか無かったのですが、デサインパターンに眼鏡を掛けさせたものがイメージに合ったようで、其に決定しました。


イラストは今回、表紙、口絵、挿絵と珍しく描いております。
本来は口絵ももう少し描く予定でしたが、原稿の予定完成が延びたのと私自身の他社スケジュールが重なり同時進行になったり、作業時間が目一杯であるなどで枚数を制限する形になりました。
モノクロはカラーを減らした分枚数が当初予定より増えてます。
今回担当編集氏に指定を受けたイラストでの注意点は、巨人を描かないで欲しいと言う事でした。
この作品に関して巨人はかなり重要なものなので全く描かないのは難しいのですが…巨人は描いても一部でと言う指示でしたのでギリギリと言う感じでした。
巨人には原作の諫山創氏のイメージが強烈で其処が恐怖や嫌悪感に繋がっているから、と言う見解から巨人を描かないで下さいと言うことだそうです。
其ならば諫山氏が挿絵を担当すれば済むことではあるとは思うのですが、
元々この小説化のお話を諫山氏に提案した際に御本人が挿絵を別の人にお願いしたいと言う事であったらしく、担当氏や作家さん達の話で挿絵担当に私の名前が上がったそうです。
そう言う訳で、一年以上ぐらい前からお話が来ておりました。
私は普段漫画自体は読まないので、お話が来て先ずは読んで欲しいと単行本を頂いた事で作品を知りました。
印象は個性的で強烈、ブラックなユーモアさと暗い世界観、荒々しく熱い作品。流石少年漫画…しかしインパクトは大強烈、と言うものでした。
その後で作品について、人気作である事を知る訳です。
このお話を頂いた時、多分この組み合わせを聞いた時に殆どの方が感じたであろうと同じ事を実は私も感じました。
何故、私にこの依頼が!?
ご存知の方なら特に、イメージが真逆だと感じる作品になるからですが、私もこのタイプの作品を依頼されるとは予期しなかった訳です。。
担当氏は、格好良く見える表紙にしたいのと、描ける人を考えたら思い付いた。是非格好良いのを描いて欲しい!
と言う事でした。

…若干疑問点がありつつも昔からお世話になっている編集さんなので、ある意味納得してしまった感じですが、こう言うお話もまた何かのご縁があっての事だろうなと思い、お受けするに至りました。

ノベライズの担当はDMC4小説から二作品目になります。何故かアクション性が強い作品のノベライズになる辺りは不思議な所ですね…。

巨人を描かない制限があるのとアクションのあるシーンの指定は無かったので、恐らく元々の原作ファンには大分物足りなさや残念感があったのではないかと思います。
この二つが無いだけで大分進撃の巨人の世界からは遠くなりますね…。

…私の表現力が未だ未だという点も有るかもですね…。

そう言えば挿絵時に担当氏の注意がもうひとつありました。
グロテスクなもの…と言うよりは残虐な表現のあるシーンのイラストははっきりとは描かないという事でした。
法律上の事があるからと言うことが一番の理由だそうです。
原作ではこの辺りは割とはっきり描かれている事が多く、小説にも作中幾つか出てきたりしていますが、挿絵は少し抑えた表現で描いて其によって発売禁止等にならないようにと防ぐ為の措置と言う事ですね…。
この辺りは作品が作品だけに中々難しい所ではあります。


さて、驚いたことに次巻予告が文庫の巻末にあって、更に主人公が代わる事を知り、衝撃を受けました…

つい10日前に知って声を上げました…



http://kc.kodansha.co.jp/magazine/index.php/90008
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1 Comments

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明けましておめでとうございます (arisa)
2012-01-01 09:11:43
柴本先生、明けましておめでとうございます

twitterでもお話をしてくださり、ありがとうございます!

本年も、先生のご活躍を楽しみにしております。
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