映画 『バードマン あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡）』

『バードマン あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡）』
"Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)"
監督：アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本：アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、ニコラス・ジャコボーン、アーマンド・ボー、アレクサンダー・ディネラリスJr
2014年・米

【ネタバレって程でもないけど、来月10日から日本公開とのことで気になる方はご注意ください】

＋＋＋＋

リーガン・トムソンは落ち目のハリウッド俳優。

かつてはアクション大作『バードマン』でスーパーヒーローを演じたスター俳優。

しかし、それ以降は良作に恵まれず、20年以上が経過していた。

60代となり、家庭も崩壊寸前のリーガンは惨めな生活を送っていた。

ある時、 リーガンは一大決心をする。

それは、かつて俳優になるきっかけにもなったレイモンド・カーヴァーの短編小説、『愛について語るときに我々の語ること』を脚色し、ブロードウェイ進出するという野望だった。

＋＋＋＋

２回観た。

なんか、ずっと見たかったものを上手に見せられた気がする。

なんなら、ちょっと悔しい感じで（笑）

まあ、アカデミー主要４部門受賞（作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞）はちょっとヤリ過ぎかもしらんけど・・・。


■バットマンのこと（親切なサラリーマンによる整理のコーナー）

主人公リーガン・トンプソン（マイケル・キートン）は、

かつてハリウッドのアクション大作『バードマン』に主演して一世風靡セピア、という設定ですが。


ここで言うバードマン（トリ男）は、まあバットマン（コウモリ男）で。

現実世界では。

本作主演のマイケル・キートンはバットマンの初期２作、ティム・バートンが監督した『バットマン』（1989年）と『バットマン リターンズ』（1992年）に出演。

その後、監督がジュエル・シュマッカーに替わる際に、主演もキートンからヴァル・キルマーにチェンジしてます。


さて、映画（本作）『バードマン』の中では・・・、

主人公リーガン・トムソン（キートン）が

「俺は２０年前にバードマン４を断ったッ！」

とシャウトしてますんで、現実世界+もう１作ご出演された模様。


■ヒーロー役者の後日譚として

とまあ、そんな訳で最初から楽屋オチみたいな設定の本作。

私生活でもキートンは離婚してるしね。


まず、キートンのような、スーパーヒーローを演じた役者がその後にどーゆー脳内世界を生きるのか。

つまり、空を飛んだり、手を触れずに念力でモノを動かしたりできると思いこむんちゃうかと。

俳優の精神を蝕むのは、寄せては返す波のような『名声』だけじゃない。

あの、人間の力を超越した世界を生きてしまった経験も、また、自身を苦しめるんじゃないかと。

思ってたのよ、ずっと。


本作はその答えを見せてくれたね、期待に違わず。

要するに・・・あの・・・、

後ろになんか憑いてますぅ。


「クエ～ッ！」うう・・・。


■バットマンのまさかの続編として

あとさぁ、これってキートン（役者）の後日譚であると同時に・・・、

映画自体が正しくバットマン（ヒーロー）の続編としても観れるんじゃないだろうか。


もし、クリストファー・ノーランの、あのすんげぇ３部作（『バットマン ビギンズ』、『ダークナイト』、『ダークナイト ライジング』）の後に、バットマンを描くとしたら・・・？

ダークナイトのあの緊張感の後、何らかの続編を撮るとしたらば。

もう、こーゆー形しか表現形態が無いのではなかろーか。


要するに、オッサンのブリーフ姿にとことんこだわる、こーゆーアプローチしか・・・！

むんッ！


もんッ！


ハイッ！←

ってな塩梅。

俺的には本作はバットマンの続編に認定です。

■おまけ

しかし、俺たちにとってバードマンと言えば、やはり・・・


ですよね。

■おまけのおまけ

リーガンの娘役のエマ・ストーン、目デカっ！

（ティム・バートンのアニメみたい）

これは大ラスの空想と現実が交差する、非常に重要なシーンなのですが・・・、

そんなストーリーには関係なく「目デカッ！」と叫んだ俺だった。


＜トーキン・アバウト・コウモリ男！＞


・『バットマン』"Batman"(1989)
　ティムバートン1作目。
　バットマンはマイケル・キートン。
　ヴィラン（怪人）はジョーカー（ジャック・ニコルソン）。

・『バットマン リターンズ』"Batman Returns"(1992)
 ティム・バートン2作目。
　バットマンはマイケル・キートン。
　ヴィランはペンギン（ダニー・デヴィート）とキャットウーマン（ミシェル・ファイファー）。

・『バットマン フォーエヴァー』"Batman Forever"(1995)
　ジョエル・シュマッカー1作目。
　バットマンはヴァル・キルマー。
　ヴィランはトゥー・フェイス（トミー・リー・ジョーンズ）とリドラー（ジム・キャリー）。

・『バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲』"Batman & Robin"(1997)
　ジョエル・シュマッカー2作目。
　バットマンはジョージ・クルーニー。
　ヴィランはMr．フリーズ（アーノルド・シュワルツェネッガー）とポイズン・アイビー（ユマ・サーマン）。

・『バットマン ビギンズ』"Batman Begins"(2005)
　クリストファー・ノーラン1作目。
　バットマンはクリスチャン・ベール。
　ヴィランはラーズ・アール・グール（リーアム・ニーソン）とスケアクロウ（キリアン・マーフィ）。

・『ダークナイト』"The Dark Knight"(2008)
　クリストファー・ノーラン2作目。
　バットマンはクリスチャン・ベール。
　ヴィランはジョーカー（ヒース・レジャー）とトゥー・フェイス（アーロン・エッカート）。

・『ダークナイト ライジング』"The Dark Knight Rises"(2012)
　クリストファー・ノーラン3作目。
　バットマンはクリスチャン・ベール。
　今度こそ、俺おしっこチビるかも新米（しんまい）。

・『バードマン あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡）』"Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)"（2014）
　ある意味、続編でしょ（笑）
　アレハンドロ・ゴンサロ・イニャリトゥ１作目。
　バードマンはマイケル・キートン。
　ヴィランは過去の名声。 


＜熱帯雨林＞

	バードマン あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡） [Blu-ray]
	クリエーター情報なし
	メーカー情報なし

	BIRDMAN
	クリエーター情報なし
	メーカー情報なし