
『ダージリン急行』
"The Darjeeling Limited"
2007年・米(日本公開2008年)
監督:ウェス・アンダーソン
恵比寿ガーデンシネマにてウェス・アンダーソンの新作を観る。
出だしからビル・マーレイ(超脇役)登場でテンションがあがる。
そして、そのビル・マーレイを、次男ピーター(エイドリアン・ブロディ)が追い抜いていく、あの素晴らしすぎる冒頭シーン・・・!
映画マニアのウェス・アンダーソンのこと、きっと、『エニグマ』(2001年独/英)のパロディなんだろうけど。
ダージリン急行の列車は、ライフ・アクアティックで言うところのベラフォンテ号。
本物の列車を借り切ってインド北西部の砂漠地帯を走らせ、クルーも乗り込んでロケしたらしく、現場の躍動感がこちらにも伝わってくる。
例によって小道具満載でキュートな車内を舞台に繰り広げられるドタバタ劇、特にオーウェン・ウィルソンの奇人ぶりに笑いそうになるも、静まり返った映画館場内を意識して我慢する。
映画会社があおる「癒し」「絆」云々は置いといて、単純に楽しめば良いんじゃないだろうか。
最後に感動の涙が溢れ出るような映画じゃないので、上映後、場内の照明がついた時
「びみょ~」
って顔したカップルも散見されましたが、そりゃ期待しすぎですな。
話変わって、ジェイソン・シュワルツマン演じる三男ジャックが3人兄弟の中で一番(唯一?)のプレイボーイ役って事で、冒頭の短篇と本編で2回濡れ場があるのだが、この時ムード作りのためにi podでかける曲が2回とも同じ!
(Peter SarstedtのWhere Do You Go To My Lovely)
2回目は急行列車の中というシチュエーションにも関わらず、お目当ての列車アテンダント、リタを自分たちの個室に呼びつけ、慌ててポチっとi pod操作。
笑えると同時に「あ~、この男のアホさ加減、分かるなぁ」と。
女子はその場でかかってる音楽なんて、実はあんまし気にしてないもんだ。
するかしないかは、音楽以前に決まってるもんであり・・・。
冒頭の短篇「ホテル・シュヴァリア」に出てくるナタリー・ポートマンは相当イカしてる。
この短篇部分はウェスが自費製作したって。
この、オシャレ金持ちめっ!
音楽も全篇良し。
■ウェス・アンダーソンの世界
・アンソニーのハッピー・モーテル(1996)
・天才マックスの世界(1998)
・ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001)
・ライフ・アクアティック(2004)
・ダージリン急行(2007)
■ウェス・アンダーソン関連
・イカとクジラ(2005)
![]() |
ダージリン急行 [DVD] |
オーウェン・ウィルソン,エイドリアン・ブロディ,ジェイソン・シュワルツマン,アンジェリカ・ヒューストン | |
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン |