泰屋倶楽部~タイ・ラムパーン編

😻タイ北部の古都ラムパーンから生活、教育、仏教、芸術文化、社会活動等お届け🐘💛

怪我や酷使は身体の毒~身体は知っている(泣)

2022年11月23日 | チットアリー福祉教育校

 

11月23日木曜日

日本は祝日、こっちは相変わらず暑い日が続いている。乾季は涼しいはずだが、渡タイ手続きも兼ねて訪れた9月は毎日雨が降って寒いぐらいだった。変な天候だ。タイでも日本でも毎年少しずつ気候変動が起こっている。30年前の乾季はもっと涼しく、長袖を着ていた。もっともおばちゃんになった結果「暑がり」になったことも関係しているので、一概には言えないのだけど・・・。若い頃は首が焼けるのを嫌って、ずっと襟付きのシャツやブラウスを着ていた。今は、とんでもない!暑くて我慢できないのだ。

実は数日、ブログの更新ができなかった理由は、美男犬リオンくんのダッシュ力に負けて転び、大ケガをしたからなのであ~る💦。若干気取っているのは、Timeくんや家族から、「今後、犬にかまわないように」忠告されているからだ。そんな忠告には負けない!!動物が好きなのであ~る。仕事や家の関係で、今までも外飼いの犬は飼えなかった。今後も大型犬を飼うことは叶わないだろう。日本の家には3匹の雑種猫が留守番しているし、ま、無理無理。隣に住む他人の力で、大型犬を飼った気になれる絶好のチャンス、またとないチャンスなのであーる。怪我なんかに負けてられない。

とはいえ、怪我は痛いだけでなく、疲れて眠くなるものだと知らなかった。自業自得だがいい経験なのであ~る。

19日土曜日、軍人さんが数人来校した。ロードーの学生だけでなく、普通の児童・生徒・学生、女子、男子・・・学校の子供達全員が終日、軍事教練実習をした。20日日曜日、全国校長会議があったので、さすがに一日で終わりだと思っていたのに、またまたその日も午後の遅い時間まで、全員が軍事教練に参加した。

21日月曜日、子供達はさすがにクタクタ⤵😢。軍事教練があっても、洗濯や掃除など日々のルーティンは必ず実行しなければならない。結果、多くの子供が風邪をひいていた。

朝一の授業もかなり辛そうだったので、早めに切り上げて休ませることにした。教室内に数人いるロードー女子も声がれしていて発話が辛そうだ。ここの子供達は休憩時間に、実によく教室の床で寝ている。自由時間はほとんどない。夕方までは寮に帰れない。

5時起床 ➡ 掃除 ➡ 朝食(当番もある) ➡ 朝の集会 ➡ 授業(合間に昼食。当然当番もある) ➡ 夕方の掃除 ➡ 夕食(当番もある)帰寮 ➡ 夕方の集会 ➡ 掃除洗濯、シャワーなど身の回りのこと ➡ 寮のミーティング・・・時間ができるのは夜20時を過ぎてかららしい。この生活がすでに軍人並みなのだ。子供達に聞くと、疲れ切ったときは、瞬時に気絶眠するらしい。

今日は水曜日、ボーイスカウト・ガールスカウトの日。3時半授業が終わって10分経った頃であるが、制服姿の男子女子が集められて、国家を歌ったり、なんかの訓練をしている(よくわからないけど)。

訓練の多い学校だ。青年海外協力隊の訓練もなかなか軍隊ぽかったけど、ここには全く敵わない。

ここで子供達は、規則正しく忙しい生活に疲れながら、病気にならないように気をつけながら、仕事や勉強の抜け道を通じて、ある意味で賢い狡さと器用さを学び、社会に出ても辛抱や忍耐を知る強い人間に成長する。

タイ人の切り替えの早さ、ぎりぎりまでしないのに結果間に合う要領の良さ、笑顔で窮地を切り抜ける機転、そんな折れないしなやかな底時からは、こんなところで育つのかもしれない。


授業の手前にある壁

2022年11月18日 | チットアリー福祉教育校

11月18日(金)

昨日、木曜日は6年生(高3)の授業だったが、学生6人中来たのは3人。残りの3人は熱を出して外の病院に行ったらしい。3人のうち1人は、最初の2回、これまた病気で欠席している

ここチットアリー福祉教育校の子供は、朝5時の掃除に始まり、夕方にもう一度校内の清掃(時にはもう1度、場合によっては何度も)、朝夕2度の集会、朝昼夕3度の給食当番、そして自分の寮の清掃や身の回りの片づけ、洗い桶での洗濯とアイロン・・・時間と規則に追われ、やることが山ほどある。その合間にお喋りも、子供によってはスポーツも楽しみたい。また、なぜかどんな貧乏な子供でも、ほぼ携帯電話を持っているので、ゲームやチャットも楽しみたい。必然的に寝る時間が短くなる子が増え、そして発熱したり、風邪をひいたりしてしまう。

この回の授業、人数が半分なので、あまり進めたくない。寮で復習などしないので、進めてもまた戻らないといけない。最初に来なかった子のためにもゆっくりと、復習中心に勉強を進めた。6年生の女子6人は来るだけマシ。6年生、本当は10人だが、前期に設定されたそもそもの自由時間に、日本語が割って入ったので、来ない子もいるのだ。あと、4ヶ月、いまさらね💦って感じだろう。6人はすでに就職が決まっている。3人はバンコクの病院に行き看護師に、1人はラチャパット・ラムパーン(ラムパーン教員養成大学)に行き将先生になりたい。1人はセブンイレブンで働く。バンコクの病院で看護師を目指す子は、バンコクに恋人がいるようで、嬉しそうに目を輝かせた。

学生3人なので、彼女達の目の前に座って名前を呼びながら学習を進めることができた。人数が少ないと寂しく物足りないが、その分仲良くなれる。6年生は女の子だけなので、話しやすい。そういえば、ここの子供は女の子が多い。小学生はそうでもないが、高学年になればなるほど、女の子の数が多い気がする。様々な生活苦に直面すると、生物学的には女(メス)のほうが圧倒的に強い生命力を発揮できるということなのかもしれない。私も頑張ってみましょう!

※金曜日なのでロードー制服の教え子。可愛いのにカッコいい‼

Timeくんは数学の教師を目指している。英語がからっきしダメなので、教員採用試験に備えて、授業の後、時々英語を教えている。しかし💦高校や教員養成大学の英語の単位を、どうやってパスできたのか不思議でならなかった。以前、チャチェンサオ大学では観光学科で日本語を教えたのだが、ここまで英語ができない学生はいなかった(ごめんね!)。「こんなので、高校や大学で、どうやったら単位がとれたの?」と聞くと、「英語の先生の仕事を手伝った」という答え。「ふーん、英語の先生は優しいんだね」と若干の皮肉を込めて返すと、「そんなことはない」と反論してきた。曰く、先生を手伝った。英語のタイプを滅茶苦茶な量、手伝ったそうだ。だから英語が読める、単語も書ける。しかし、文法はもとより単語の意味さえ分からない。なぞり書き、なぞり読みをしただけなのだ。でも覚えるほど手伝うなんて、すごい話でしょ⁉

※Timeくん。ご飯をもっと食べなさい!と毎日言っているのだが(笑)

ここでも、4年生(高1)の日本語授業の2回目で、「えっ。ローマ字知らない子がいるの?」と驚いた。6年生(高3)は読めるので尋ねてみると、前任者に教えてもらったそうだ。4年生には3年間の時間があると喜んでいたが、「あいうえお」どころか「ローマ字」から教えないといけない。ローマ字の読み書きは、ひらがな・かたかなより将来、役に立つと思うので、まずは泣きながらローマ字から教えてみよう(笑)。

※Timeくんと虹。乾季にはめったに雨が降らない。11月なのに、とても暑い日が続いている。涙の後に虹がかかるかもしれない。スースー!(ファイト!)


ロードー~タイの軍事教練

2022年11月16日 | チットアリー福祉教育校

11月16日水曜日

11月4日(金)の話。朝8時に掲揚した国旗は、夜6時に降ろされる。その時間にはタイ全国のTVで国家が流されるのは周知のとおり。番組中であっても国歌の画面に不意に切り替わるのが面白い。夕方6時の集会、高学年が集められた。国旗を降ろした後、高校生を対象に校長訓話。なんとなく面白いのでカメラを持って参加。

まず、チェンライに出張中の先生たちは、留守番の子供たちを親のように心配していると子供達の情を誘う話。続いて、生活指導。夜間外出はダメ・・・曰く、お菓子を買いに行くな、悪い人がいる(人さらいか?)、車の事故に遭う等。8日にはロイクラトンがあるが、韓国の事故のようにならないように各自、気を付けること、人に押しつぶされないように、ロイクラトーンの開催場所に行っても走らない(そもそも、行けないのでは?)続いて、軍事教練の話に移る。

以前紹介したとおり、この学校で重視されるのは「社会で通用する人間育成」だ。学生も多いので、時によって集められる学年は違うが、今回は中高生が対象で、日本にはない「軍事教練」についての講和が中心だ。

毎週、金曜日、高校生の学生に対して「ロードー」と呼ばれる「軍事訓練」が各地で実施される。ロードーに行くためには選抜試験があり、体の強い学生しか選ばれない。タイ周囲を隣国に囲まれているので、国・国境を守る意識が強い。軍人(士官)はエリートであり、社会における出世コースでもある。軍隊がしっかりしているので、軍事教練を受けられることは、自らが国を守る高い意識を持つ学生とみなされ、大学入学等、色々と優遇措置があるらしい。女性も軍事教練に参加できるので、私の学生の中で体が大きくしっかりしている高校3年生女子も参加している。制服を着ると、とてもかっこいい。

校長先生はロードーに参加しているかっこいい先輩を前に呼び出し、ムエタイの先生(体育の先生)と共に、軍事教練の様子を面白おかしく実演してくれた。

先生も学生も同様に、タイ人は制服が好きである。

月曜日・・・先生「公務員服」、学生「制服」

火曜日・・・先生・学生共に、ピンクの服

水曜日・・・先生「青い生活指導の服(赤十字がついている)」、学生「ボーイスカウト・ガールスカウト」の制服

木曜日・・・先生「なんでもいいがきれいな服」、学生「学生服」

金曜日・・・先生・学生共に、「民族服」、一部の学生は「軍事教練のユニフォーム」

ま、絶対ではないところがタイランド。今日は水曜日、私の学生、6年生(高校3年生)も、ガールスカウト服。英語の授業がなくて自習みたいなので、写真を撮らせてもらった。きれいな女の子達だ。中に一人だけ、ロードーTシャツ来てるでしょ。ま、これがタイランド。。。(笑)

 


自由ってなんだろう

2022年11月14日 | チットアリー福祉教育校

11月14日(月)

タイとは自由という意味です・・・タイ好きなら何度も聞いた言葉だ。タイでは、この「自由」いうのが曲者で、極めて難解。哲学的な課題なのだ。そして、学校内に住んでみると、より公私の区別がつけにくい。「自由」って何?どこまでが「自由」? タイの学校では、先生は昔と変わらずきちんとした服装をしなければならない。生徒へのけじめと共に、教育者である自分への戒めである。じゃ、学校のど真ん中に住んだなら、どこまでが先生?? 人は24時間先生ではいられない・・・という理由で、授業がない時や宿舎に帰った後、そして土日は比較的自由な服装で過ごすことに決めた(自分のポリシーで線引きすることがタイで生きるコツ!)。子供も寮住まいなので、公私の区別はないのは同じ。お互いに様子を見ながら暮らしている。

私の住まいは学校のど真ん中、元々は客用の宿舎で、私自身もずいぶん前に、この家でシャワーや着替えをさせてもらったことがある。たぶん数十年は経っているだろう。古いが住みやすい家で学校に感謝している。思ったより物が揃っているので、新生活にあたってありがたい限りである。

※名前はリオン!

隣は校長先生の家。広くてプライバシーが守られた造りになっている。大型犬を飼っていて、ワンちゃんの顔を見るのが楽しみ!

家から突き当りにはタイ舞踊の先生の大教室と教員控室。日本タイクラブで毎年訪れるこの福祉教育校で、儀式とパーティの最後には、決まってほろ酔いでラムウォン(タイの盆踊り)を踊る。タイ舞踊の先生は踊りの指導をかって出たり、オジサマ会員とパートナになって踊ってくれたり・・・往年のアイドルに似た風貌で、何かと世話になっている。

3年お会いしてなかったのだが、「今は毎日犬連れで出勤してるのよ。この子は2歳、名前はレーレー、毎日一緒に学校に来ているもんね~」ということ。以前のタイで、土曜日の子連れ出勤は何度も目にしたが、毎日のワンちゃん連れ出勤・・・これも「自由」である。仕事をきちんとしていたなら「自由」の線引きは自分で決める。服装には厳しいが犬連れ出勤は問題ない・・・これがタイなんだよね~🐶🐕

校長先生の大型犬と舞踊の先生のレーレーは友犬のようで、鼻をつける挨拶をしていた。オス同士で時々遊びで戦っている。リオンは心得たものでレーレーを強く噛んだりしない。リオンは繋がれているが、レーレーは校内を自由に歩き回っている。小型犬は何かと自由だ。

二匹が戦っている横で、舞踊の先生が歌って踊って、戦いを囃すのを聞いて笑ったり、子供達で犬番をかって出ている子と「ワンピース」の話をしたり・・・犬を通じて人と仲良くなれるのは、どこでも同じみたい。

しかし、しかし、この国では絶対に厳格に「ダメなものはダメ」でもある。私は様々な理由で、無償無給で働くことにした。当初、ビザの段階でもう驚いた。曰く「学校で働くなら、無給有給に関わらず、教育ビザ(Bビザという)と労働許可証が必要」というのだった。教育ビザ交付のためには、教員免許状は当然だが、警察からも「犯罪履歴証明書」を貰わなければならない。総領事館の文書には「無犯罪証明書」と説明がある。つまり、一度でも罪を犯したら、たとえボランティアでも教壇に立つことはできない制度なのである。

この制度は非常勤講師の犯罪履歴が求められない日本でも、採用条件に加えたらいいと思う。そうすれば、同一教員による小中学校での犯罪は防げるだろう。

自由の線引きが違う日本とタイ。人間が本能的の求める自由とは何か・・・それを見つめるチャンスである。


満月の日、日本語授業🗾の授業が始まる

2022年11月08日 | チットアリー福祉教育校

11月8日(火)

初めての授業はM4=高校一年生。タイではP1からP6が小学生。M1~M6までが中高生にあたる。2022年後期、高1から高3まで日本語を教えることになった。今後の滞在を考えれば、学生の潜在能力を引き出すのに時間に最も余裕がある学年だ。8時半から10時10分まで、中間の休み時間なしと聞いてビックリ。ま、8時半には始まらない。最初に、出席番号、名前、顔が合うように確認する。20人強、最初だからか、私語をする学生は一人もなく、かなり楽しかった。一般的に、ここの学生は学力が低いといわれているが、家庭や素行に問題がある子供達の潜在能力は、実ははかりにくい。もしかしたら、とんでもない子が飛び出すかもしれないと期待してよさそうだ。

母音子音、「あいうえお」から始める。自分がタイ語を学ぶ際に思ったが、一度ついた悪い発音は修正しにくい。最初にきちんと発音できれば、一生モノの宝になる。青年海外協力隊時代、私はタイ中部のキワキワで活動できた。正直、嬉しかった。日本語教師として活動する際、私のような関西人、そして地方出身者は苦戦する。日本語の発音を調べてから授業に臨むことも多い。標準語、東京弁、アナウンサーの発音は微妙に違うそうだが、聞き分けられない。そもそも東京に住んでないので、テレビのアナウンサーが話し方から学ぶことしかできない。

ともかく、最初に習う先生の発音は責任重大である。私の教え子は某日系の会社で筆頭通訳として活躍しているのだが、「が=ga」ではなく、鼻濁音の「が=nga」と発音出来たらもっときれいだったのに。。。と言っている。「ホント、ごめんね~」と謝っても、一度ついた発音は、音が微妙であればあるほど、一生ついて回る。

日本人であってもできない発音も実は多い。口の構造、歯並び、声の出し方等、人によって結構違うものだ。特別な訓練を受けらなければ、人はオペラ歌手のように歌えないのと同じだ。しかも歌と同じで、天性の才能もある。私は比較的発音の良いほうだが、母語は関西弁である。実は関西弁でも、京都、大阪、神戸の違いがある。大阪の中でも北部と南部は違う。兵庫でも神戸と姫路は違う。生まれた土地での発音や言葉を、私達日本人も100%修正できない。しかし、常に発音を意識して、分かりやすい日本語を伝えることはできる。

6種類の挨拶・・・学生たちは「時計の歌」を知っていて、「こんにちは」「さようなら」は一緒に楽しく歌った。

数字を10まで。そして20台と組み合わせる。4年生は27人だからだ。数字を使い、ランダムにあてながら「私は○○です」、「○○ですか?」「はい、○○です」を練習。単語は「先生」「学生」「自分の名前」を使う。

私の机は冷房のきくイングリッシュルームの筆頭にある。そこで英語の授業を見ていると、学生の私語がとても多い。日本語ではまず、先生と学生の対話形式でたくさん日本語を話させる。私語の時間を作らない。学生同士のワークをさせない。学生同士の会話練習等はまだ先のようだ。

飽きてきたら、「顔パーツ」ゲーム。「頭、眉、目、耳、鼻、口、歯」を指しながら覚える。ペアワークをさせてみたが難しそうなので、先生VS学生のほうがよさそうだと即、理解した。

※日曜日、サンデーマーケットの近くで食べたクイッティオ。このつみれとスープを見よ!とても美味しかった。

青年海外協力隊員の時は、カウンターパートがいて日本語が話せたが、最初の数か月で疲れ果てて高熱を出した。2022年の今、ここでは全く日本語が話せない。でももう、タイ語だけでも苦しくないのだ。

人も言葉も共に過ごす時間の長さが大事。言葉は使えば使うほど、知れば知るほど苦しくなくなる。人間の場合はそうもいかないのかもしれない。。。一緒にいればいるほど好きになり、共にいればいるほど楽になる。そんな人間に成長することを目指したい。

※美しい夕景をもう一度。悲しい時と嬉しい時、同じ景色も違って見える。今日は一昨日の夕映えが、鏡のように美しく感じる。。。