CINEMA Free Way

映画の話題を中心に、マイブームなんかも好き勝手に綴ります。
シネマコミュニケーターという肩書きでラジオにも出演中!

独特の世界観『遠くの空に消えた』

2007-07-26 18:50:42 | 映画(新作)
不思議な映画だ
場所は馬酔村(まよいむら)という大自然に囲まれた架空の村。人も景色もノスタルジックで閉鎖的で、取り残された空間というか、ここだけ日本ではないような気さえする。
人々は個性的というか変わり者ばかりで、東京から転校してきた亮介(神木隆之介)にとっては完全に異世界。
のはずが、地元の少年公平(ささの友間)、ヒハル(大後寿々花)と出会い友情を育んでいき村に馴染んでしまう。
普通なら馴染めるはずもない土地で馴染んでしまうのは、亮介に流れる血がそうさせたのかもしれない。

子供達は純粋そのもので汚れない心のまま成長し、奇跡も信じているが、今の我々の世界観で考えれば思春期になっても汚れない心を持ち続けていること自体が奇跡以外のなにものでもない。
子供達が汚れを知らないのは村に汚れの原因がほとんど存在しないからだろう。それだけ無垢な村なのだ。

大後寿々花は見た目は幼いのに声と台詞の言い回しが大人と変わらないのには流石にハリウッドが認めただけのことはある。
その反面見た目とのギャップが有りすぎて大人が子供の姿に戻って話してるようにも見えてしまう。
あと数年、見た目さえ追いつけば素晴らしい女優になりそうだ

で、結局これは新手のナンパを披露する映画だったのか?(←観た人にしか分からない

もうこれは児童文学じゃないね(ーー;)『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』

2007-07-23 18:47:50 | 映画(公開中)
1作目は子供が観ても楽しめるファンタジーだったのが2作目はどちらかというと大人向けのダーク・ファンタジーへと変貌していて驚かされたが、それ以降はダーク路線が定着して今では当たり前になってしまっている。

今回の5作目はそれが特に色濃く出ていて、正直子供が観ても難しい上に面白いと思わないんじゃないだろうか。
今回は映像的な見せ場も少なく内容重視的な作りになっていて、まさに大人のためのダーク・ファンタジーって感じなのだ。
これは原作自体がそうなっていて、ハリー達の成長物語でもあるから映画化に当たって原作から大きく逸脱することはご法度なのだろう。

残りは「謎のプリンス」と「死の秘宝」の2作。
ハリー役のダニエル・ラドクリフ、ロン役のルパト・グリント、ハーマイオニー役のエマ・ワトソンの3人はこの2作への出演契約を終えたという。
ファンにとっては何より嬉しい情報だ。

6作目「謎のプリンス」は2008年12月公開予定だそうだ。
その頃彼らは今よりももっと大人に近付いているし、おそらく内容も大人向けになるだろう。そうなれば世間の子供達のことはほとんど無視状態だ。(R指定になってたりして…
オレは大人だから面白ければべつにそれで構わないんだけどね

どうせなら残り2作の監督は、レン・ワイズマン(『アンダーワールド』)、スティーヴン・ソマーズ(『ハムナプトラ』『ヴァン・ヘルシング』)、スティーヴン・ノリントン(『リーグ・オブ・レジェンド』)辺りに撮らせてみてはどうだろうか。
そうすればダーク路線はそのままに、もう少しスピード感が増すんじゃないか?

ジョン・マクレーン完全復活!!!『ダイ・ハード4.0』

2007-07-19 18:47:24 | 映画(公開中)
ジョン・マクレーンが帰ってきた!
毛は無くなり年は取ったものの100%ジョン・マクレーンだった♪
このところどっちかというとシリアスな役柄が多かったブルース・ウィリスだが、やはり彼はジョン・マクレーンが1番似合っている。

完全無欠のヒーローじゃなく、機転をきかせ正義感と根性とタフさで孤軍奮闘し、ときには弱音も吐く。こんなとても人間臭いヒーローこそがジョン・マクレーンであり『ダイ・ハード』の主役なのだ。

今回は監督がレン・ワイズマンに変わって1作目へのオマージュなのか『ダイ・ハード』を思わせるところがたびたび現れていた。

体中傷だらけになったり、相棒と助け合いながら危機を乗り越えたり、敵の無線でテロリストのボスと交信したり、身内を人質に取られたり、犯人の真の目的は莫大な金を手に入れることだったりと。

ヘビースモーカーだったマクレーンが『ダイ・ハード2』では体力の限界を感じ、「禁煙しよう」ともらしていたが、それを受け継いで今回はタバコを吸うシーンは一切ない。禁煙に成功したのだろう。
このことに気付く人は少ないかもしれないが、シリーズ物ならでわの粋な演出だと思う。

非常に残念なのは前作から10年も空いたことだ。
せめて5年前に『ダイ・ハード4.0』をやってくれてたら今回は『ダイ・ハード5』を観れてたかもしれないのに。(本来は『ティアーズ・オブ・ザ・サン』が「ダイ・ハード4」のはずだったのに…)
ブルース・ウィリス自信は今後『ダイ・ハード5』が無いとは言い切れないと言ってるけど、もし本当に5作目をやるなら早めにしてほしいな~

ハリウッドのビッグ・ネーム二人が放つ超大作『トランスフォーマー』

2007-07-11 18:28:28 | 映画(新作)
「『宇宙戦争』のスティ-ブン・スピルバーグ×『アルマゲドン』のマイケル・ベイ、この二人が放つ驚異の映像革命と新たなる人類滅亡の危機」
こんなミーハー魂に火を付けるようなフレーズを聞かされれば観ずにはいられない。

どんな大掛かりな映像で、どんな壮大な物語なのかと期待を膨らませて観てみれば、『アルマゲドン』より規模が小さく、『宇宙戦争』より危機感が無い。

よくよく考えてみれば、もともと「トランスフォーマー」とは㈱タカラ(現タカラトミー)より発売されている変形ロボット玩具シリーズのことで、要は子供向けのおもちゃ。
一応おもちゃながら、ロボット生命体が正義と悪に分かれて戦っているという背景設定が存在していて、それを漫画やアニメにされてたのを今回実写化したのだから、内容が子供向けでコメディー要素も強いのは仕方ないことなのだ。

但し、さすがはハリウッドきってのヒットメーカーの二人。映像に関していえば本当に凄い!
もちろん最新のVFXを駆使してのことなのだが、本当ならあり得ないことが妙にリアルでまるで本物のようなのだ。
実際に「トランスフォーマー」で遊んだことのある人やアニメを見ていた人からすれば、その映像だけでも感動するんじゃないだろうか。

主要人物の大半を馴染みのない俳優でキャスティングされているのはちょっと残念だが、そんな中でも主役のシャイア・ラブーフは、来年公開予定の『インディ・ジョーンズ4』でハリソン・フォードの若き相棒役に抜擢されたらしく、彼がこの作品で1番<トランスフォーム>=“変身”したと言えるかもしれない。

全米では7月3日に公開され、『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』の記録を破り、火曜日初日の興収歴代新記録を樹立し、7月4日にはそれまで『スパイダーマン2』が保持していた独立記念日の興収記録を塗り替え、さらには『スパイダーマン』が持つシリーズ物以外での1週目の興収新記録を打ち立てたらしい。
なんかやたらと細かい記録ばかりだが、それでも『パイレーツ~』や『スパイダーマン』のようなビッグバジェットの記録を破ったのだから大ヒットしてるのは間違いないようだ。そのお陰で、早くもシリーズ化が決定している。

日本でも大ヒットすれば、また新たにばかデカいシリーズ物が誕生するかもしれない。目指せ日本興収100億円越え!!!

恐怖出し惜しみなし!『呪怨 パンデミック』

2007-07-03 19:06:27 | 映画(新作)
オレは子供の頃、遊園地のお化け屋敷がめちゃくちゃ恐かった。
前を通るだけでも嫌だったのだ。
だから映画もホラーは苦手だった。それでも映画の場合はお化け屋敷と違って自分には何も振り掛かってこないからまだ恐いというほどではなく苦手程度で済んでいたのだ。

それが大人になって食べ物の好みが変わるように、苦手だったホラー映画も今ではむしろ得意分野になってしまった。

『呪怨 パンデミック』は、映画版『呪怨』のハリウッド・リメイク『THE JUON/呪怨』の続編で、映画版『呪怨2』とは別物である。

『THE JUON/呪怨』で生き残ったカレン(サラ・ミシェル・ゲラー)も引き続き出演しているのは嬉しいし、なんと『フラッシュダンス』のジェニファー・ビールスが重要な役どころで出演しているのだ。
ある意味突然伽椰子が出てきたときより驚いた(ーー;)

サブタイトルの「パンデミック」とは邦題のみに付いており、爆発感染という意味だそうだ。
サブタイトルというのは得てして無駄な、あるいは作品のイメージを損なってしまっていることがよくあるが、この「パンデミック」に関して言えば“言いえて妙”。
恐怖の元凶(伽椰子と俊雄)を出し惜しみしないのが『呪怨』シリーズの信条だが、今回はそれだけでは留まらない。(観てのお楽しみ)

今回は物語にちょっとした工夫がされてある。
監督は前作同様清水崇、清水崇自信の前作は『輪廻』。これがそのヒントだ。

オレは今回5回驚いた。(ジェニファー・ビールスとは別でね)
オレはホラーは得意分野。
この2点で恐怖度を推し量ってみて(^_-)-☆


スミからスミまでリンチ・ワールド『インランド・エンパイア』

2007-07-02 17:57:47 | 映画(新作)
とにかく強烈な作品だ。
何が強烈か?それは、さっぱり訳が分からないからだ。

ストーリーも映像もオレにはさっぱ理解できなかった。
しかもそれが延々3時間。観てる最中から尾骶骨が痛くなり、その日中ずっと痛かった。
ある人が言うには、それはリンチの呪いだそうだ(^_^;)

観る前から、デイビッド・リンチの作品なだけにストレートに理解できるとは思ってなく、ある程度は覚悟していたのだが、実際に観ると変化球どころかミラクルボールで手も足も出なかった。

なんでもリンチは、全体の脚本を書かないままその都度好きなシーンを撮影し、その最中に浮かんだアイデアを次に撮影するといった方法で進めていき、いつのまにか3時間の大作になっていたそうだ。

そんな撮り方のおかげで周りは大変だっただろうが、中でも1番大変だったのは主役のローラ・ダーンだったんじゃないだろうか。
彼女はベネチア映画祭の記者会見の席で、「一体自分が何を演じているのかは全く分からなかったし、今でもそこは分からないままなの。」と発言しているのだ。

主役の俳優が理解できていないものを一般の人間が理解できるわけないじゃないか!

が、しかし、デイビッド・リンチに陶酔している人にとってはリンチ・ワールド全開のこの作品、たまらなく甘美な味わいなのかもしれない。

こんな映画もあるということが分かり、それを体験できただけでもいい経験になった。