★ 一握の愛

前職の、証券会社で同期入社の友達が、なくなりました。

・・・「がん」でした。



東京での入社式に、大阪方面メンバーは同じ新幹線で向かいました。

彼は、滋賀県出身であったので、京都駅から合流してきました。

すでに、皆は前日に荷物を送っていたのに
彼は、そんなことも知らず、
両手いっぱいの荷物で乗り込んできました。

「え？みんな荷物、そんだけけ？
俺、多すぎたからさすがに“台”はもってこんかったわー」

と、わきに抱えていた麻雀セットをどっかと、シートに降ろしました。

「なに？この人、、仕事しに行く気あるの？」と、びっくりさせられました。




２か月間の、埼玉県春日部での、研修。

いつも、試験のできが悪く、一緒に居残り組みでした。


「あんどーちゃんは、バカだよな～(笑)」
「君にだけはいわれたくないわ！(笑)」

そんな、楽しかった研修時代が、とても懐かしく感じます。






今年の春先に「がん」になったことを知らされ、驚きましたが
本人は、いたって元気な声で、電話で話もしてました

「あんどーちゃん、今から“がん保険”入れるかな～。けっこう治療費かかるねん…。」
「もうなってからは、入られへんよ～。あれだけ、入っとけって言ってたやんか、入ってなかったんかい！」とも。




様子が気になっていたので
夏の午後電話をしました。

「今日は自宅にいる？近く行くからちょっとだけ寄るわ」
「ごめーーん、今日は今から、家族で買い物やねん。調子？まあ、ぼちぼちやな。
また寄ってな」

これが、最後の会話となりました。


２０１２年１０月８日、訃報が入りました。
その夜、お通夜。

あまりにも、あっけなく、、驚きや、悲しみやらより、
人って、死んでしまうんや…と、茫然としました。



心よりのご冥福を祈ります。