安藤忠雄展 青春 を訪れて
4/3 安藤忠雄氏の展覧会を訪れ、その素顔と作品への熱い想いに触れることができた。会場では対談映像も上映されており、大阪ならではのユーモアあふれる語り口で、普段は聞くことのできないお金に関する裏話なども飛び出し、興味深かった。例えば、1800円の原価に対して2000円で販売される書籍の話題などは、率直で面白かった。
展覧会の本質を捉えた書籍も非常に魅力的でミーハー心ながらサインをいただき、部屋に飾っている。
後日、改めてページを繰るうちに、その内容に深く引き込まれた。
書籍や展示を通して強く感じたのは、安藤氏の故郷である大阪への強い想いと、東京一極集中によって活力を失いつつある関西を盛り上げようという情熱である。利益を度外視してでも、大阪から新たな動きを起こそうとする氏の姿勢は、深く感銘を受けた。
この展覧会は、2025年に開催される大阪・関西万博へと繋がる大きな流れの中にあると感じた。展示の中で語られていた安藤氏の生い立ちも印象的だった。大阪の下町で生まれ育ち、プロボクサーのライセンスを取得するほどの鍛錬を積んだ経験、そして胆嚢癌をはじめとする数々の病との闘い、臓器摘出手術といった苦難を乗り越えてきた背景を知り、その強靭な精神力に心を打たれた。
また、香川県の直島において、福武財団の福武總一郎氏が構想した世界一の美術館を作るという壮大な計画に、安藤氏が当初「アホやな」と感じつつも、その面白さに惹かれて建築に携わったエピソードも興味深い。常識にとらわれない発想こそが、新たな価値を生み出す原動力となることを改めて認識させられた。
安藤氏の言葉からは、「今ある日本の面白さを伝えたい」という強いメッセージが伝わってきた。そして、その仕掛けを行うのに最も適した場所は、まさに大阪であると確信させられた。
世間からの批判さえも笑いに変える落語のようなユーモア、プロボクサーとして培った不屈の精神、世界的な名声を確立した後もなお学び続ける姿勢、そして癌との闘病中に体得したというペース配分。晩年においても書物と真摯に向き合い、若者たちに学び直しの重要性を訴える安藤氏の姿は、多くの示唆を与えてくれた。
安藤忠雄さんは、土日には、個展にいらっしゃることが多いそうです。
巨匠に会えるチャンスかも。

今日はここまで。