10月になりました 教頭 高橋俊嗣
10月になりました。収穫の秋です。小官忠義様の田圃も実りの秋となり、今は稲刈りを待つばかりとなっております。先月は、何号も台風が接近・通過し、各地に甚大な被害をもたらしました。したがって、収穫できる秋を迎えられたことに、ひたすら自然に感謝せざるをえません。
学校でも、この10月は、今年度からスタートした二期制の前期の収穫の時期、まとめの時期であります。夏休みを挟んでの学習の連続性の成果をみます。また、体育の日を挟んで、この前期のまとめを踏まえて、後期がスタートします。また、新たなる目標をもって学習と生活に力を付けさせたいものです。
今月は、私が小学3年生の頃、初めて自転車に乗ることができた時のことについてお話します。今のように子供用自転車はなく、もっぱらガッチリとした実用車、大人の自転車です。三角になっているフレームの所に足を入れ、片方の足をペダルにかけ、もう一方の足で地面を蹴り、それを何回か繰り返して勢いをつけ、バランスがとれた頃合いをみて、地面を蹴っていたもう一方の足もペダルに載せ、両足でペダルが1回でも回れば成功です。ガタン、ガタンと音を立てて前へ進むのです。ペダルを何回か回転させ、少しでも前に進むことができた時、そしてその距離が少しずつ伸びた時、その時の嬉しさは、ヤッターと格別でした。努力の賜です。身をもって会得しました。
それまでには、ずいぶん痛い思いもしました。当然失敗して倒れた時の感じです。練習をしていた場所は、近くに大きな工場があったことから、コークスの燃え殻のような物が敷き詰めてあったので、失敗は、軽くて膝を擦りむくこと必至でした。ですから、失敗を繰り返しながら、その度毎に少しずつ工夫をし、練習しました。その原動力は、何とか自転車に乗りたい、という強い思いからでした。少し乗れるようになると、少しずつ自信やもう少し、といった意欲につながっていくことが自分にもわかりました。何回も血を流し、傷口が膿んでしまいましたが、痛さよりも、できた喜びが増していくのが実感できました。
今回のアテネでのオリンピックやパラリンピックでの日本人選手の活躍、そして、アメリカ大リーグでの年間安打数で10月1日に新記録を樹立したマリナーズのイチロー選手の活躍、これは今後いろいろな場面で分析され語られることになるでしょう。ここでイチロー選手の言葉を借りて言うならば、「いろいろな怖さを知り、乗り越え、自分の技術を確立した上で残した数字だから、重みが違います」と努力の結果を強調しています。先行き不透明な社会で、上記の選手たちの活躍は、私たちに勇気と希望と励ましを与えてくれました。
子供たちは、ただ今落ち着いた様子で学校生活を送っています。子供たちの健全な成長を願って、「体験することの大切さ、がんばること、努力することの大切さ」を子供たちに指導しながら、教職員一同頑張っておりますので、保護者の皆様、地域の皆様のなお一層のご理解とご支援をよろしくお願いいたします。