
今となれば心優しい僕は、この工房も311の被害者なのかも知れなかったったなあって思うところもある。あの震災がなければ修繕リホーム屋根の張り替えバブルもなく、そう大きくもないそれなりの規模の工房は自身の身の丈にあった仕事件数で会社の理念に沿ってファミリー的にまとまった営業と職人が丁寧にひとつひとつの工事を和気藹々と真面目にやっていたならこんな悪質な仕事をすることはなかったんだと思う。僕の調べた範囲内でも数件のやり逃げ的な後始末の出来ていない不良工事もあったようだしで、契約取りすぎて仕事回しもギシギシの限界にもってきて、腕のいい親方はともかく、見習いに毛の生えたような若い職人の教育も管理もできないままに、次から次へと工事をこなしていたんだって想像。要は会社をデカくしたいってな欲望が予期せぬ震災でイケイケな状況になって営業のシリ叩いて飛び込みさせ仕事契約しまくっていたら工房としてのキャパシティ超えちゃって教育不足の職人の技術も追いつかなくてクレーム付いたら社長が土下座までしても逃げ切るってシステムが出来ちゃったのかもね。それが成功してきたので彼らの脳みそがマヒして当たり前の感覚になっていたのかもって思うよ。そんな工房だからやっぱ下請の業者も責任感なんてなくなるんだろうね。本来ならば下請も元請けのファミリーとしての自覚を持った仕事させなくちゃいけないのに。
写真は元請からの調査書の一部。