つらつら日暮らし

8月9日 長崎原爆の日に思う「不殺生」(令和5年度版)

長崎県長崎市では、8月9日に78回目の原爆の日を迎えた。

ところで、例年長崎市松山町の平和公園で行われるが、今年は台風6号が九州西部を通る予報となっており、そのため市内の屋内施設「出島メッセ長崎」で、午前10時40分から市主催の「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」(平和祈念式典)が開かれ、原爆投下時刻の午前11時2分に黙祷を捧げられる。

なお、式典そのものも大幅に縮小され、被爆者のほか岸田総理大臣や各国大使といった来賓の参列を見送ることにしたとのことで、この式典に被爆者が参列しないのは、昭和31年に市主催の式典が始まって以来、初めてだと報じられている。

そして、7月末までの1年間に死亡が確認された3314人の名前を記した原爆死没者名簿を奉安するが、死没者数は19万5607名となった。

しかし、このように死没者の「数」を表記してしまうと、ただの観念になってしまうが、実際のお1人お1人にはそれぞれの人生があり、尊厳があるわけだが、その全てが原子爆弾によって踏みにじられたわけである。このような戦争の苦しみ、悲しさを前にすると、1人の仏教徒として、「不殺生」のことを思わざるを得ない。

復た次に須菩提よ、菩薩摩訶薩、常に十善道を行ず、自ら殺生せず、人を教えて殺生せしめず、不殺生法を讃歎し、不殺生者を歓喜讃歎す。
    鳩摩羅什訳『摩訶般若波羅蜜経』巻16「不退品第五十五」、原漢文


以上のように、大乗仏教では「十善道(十善戒)」の不殺生について、以上のように示している。いわば、殺生しないように示し、更に、不殺生の法を讃歎し、誰も殺さない者を讃歎すべきだとされたのである。このような理念が、しっかりと理解されるならば、殺生を伴う戦争や争いも起きなくなるのかもしれないが、世界はまだウクライナに対するロシアの侵攻など、終わらない戦いがある。

大乗仏教の理念をしっかりと理解出来るよう、今日は当方も世界の平和と全ての人々の心の安寧を願って過ごしたい。

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