つらつら日暮らし

マルティン・ルター『九十五箇条の提題』を学ぶ・25

ドイツ宗教改革の発端にもなったとされるマルティン・ルターの『九十五箇条の提題』の日本語訳を学んでいく連載記事である。連載25回目である。

25 教皇が煉獄に対してもっている権限と同じものを、その司教も、高位の聖職者も、それぞれの司教区、聖堂区に対して個別的にもっている。
    深井氏下掲同著・20頁


ここ数回の記事で見てきたように、教皇は煉獄、或いは煉獄にある魂に対して、それほどの強い権限を持っているわけではないことが確認された。そうなると、ここで敢えて、他の司教、聖職者の権限が論じられているというのは、つまり、権限を持つという点で、教皇の独裁を許容せず、聖職者であれば誰しも同等に持っていて、それを、自らが担当している区域に適用されるということのようである。

そう考えると、教皇の特権を相対化するための教示だったということなのだろうか?いつもながら、1条あたりの文章が短すぎて、良く分からないのであった。

【参考文献】
・マルティン・ルター著/深井智朗氏訳『宗教改革三大文書 付「九五箇条の提題」』講談社学術文庫・2017年
・L.チヴィスカ氏編『カトリック教会法典 羅和対訳』有斐閣・1962年
・菅原裕二氏著『教会法で知るカトリック・ライフ Q&A40』ドン・ボスコ新書・2014年
・ルイージ・サバレーゼ氏著/田中昇氏訳『解説・教会法―信仰を豊かに生きるために』フリープレス・2018年
・田中昇氏訳編『教会法から見直すカトリック生活』教友社・2019年

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