つらつら日暮らし

「十三日の金曜日」雑考

何か、「十三日の金曜日」というのは、西洋では不吉な日で、理由はイエス=キリストがゴルゴダの丘で処刑されたから、という話があると聞いたのだが、実際はどうなのだろうか?拙僧の手元にある『新約聖書』所収の「福音書」を読んでみたところで、処刑された日付などはどこにも書いていない。なお、この辺は、【13日の金曜日(Wikipedia)】をご覧いただくのが良いと思う。

イエスキリストは西暦紀元前四年十二月二十五日(其誕生日に就き異説多きも)亜細亜西部の猶太国片田舎に大工業の貧しき家庭に生れて人となれり、キリストは性来学識博く其性行正しく、世を救はんための神の子として神の道を説き、専ら布教に尽力せり、其教を聞き信者になるもの頗る多かりしが、紀元三十年某月十三日金曜日に於て遂に乱暴なる政庁のため、罪無くして十字架上に磔刑せられたり。
    植木義三郎「嗚呼偉人たる乃木将軍」、『新日本』1912年11月号


ところで、日本ではこの辺、どう伝わったのかな?とか思っていたら、上記のような記述があった。なお、乃木将軍とは、明治天皇の崩御に伴って殉死した乃木希典のことなのだが(多分、今時の人であれば、かの乃木坂46の名前の元となった乃木坂にあるのが乃木希典を祀った乃木神社だったという話が理解されやすいか?!)、その乃木将軍とイエスとを比較してみようという話らしい。

・・・何ともかんとも。

それでまぁ、イエスが復活したイースターが「日曜日」に設定された経緯と、「福音書」の中に、「三日目に復活」という文章は見られるので、逆算すれば金曜日に処刑されたという話になってくる。

問題は「十三日」の方か。

そうなると、イエスが捕縛されるきっかけとなっているユダヤ教の「過越祭」との関係が大事だろうか。「過越祭」の日程だが、ユダヤ暦の中で、「ニサン月14日」の夜から1週間ということである。イエスが捕縛されたのは、食事の問題でどの辺に置かれるべきか、議論はあるようだが、どちらにしても、ユダヤ暦で過越の前日に捕まったとしても、その日に処刑されたはずはなく、夜明けまで待ったはずなので、どう頑張っても14日以降になる。

結局、13日はありえないということか。

とりあえず、先のWikipediaを超えられなさそうなので、この記事はここまで。

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