えー、通っております。GS映画特集。
今回の特集でもっとも観たかったのは、斉藤耕一監督『落葉とくちづけ』。
それは去ること12年前。
映画生誕100年を記念し、多くの出版社から映画リスペクト本が各種発行された。
なかでも、読売新聞社刊「映画100物語 日本映画編」は、新聞社の映画記者によってセレクトされた100本あまりの映画批評を、簡潔なコピーとシャープな切り口で書いていて、
以後の日本映画鑑賞の手引きとして重宝していた。
そのなかで登場する『落葉とくちづけ』のページには、GSとか尾崎奈々とか、
あまり馴染みのない魅惑的なキーワードが出ていて、ずっと気になる映画だった。
映画を紹介するコピーは、
「ピクニックで、街で、パーティーで、尾崎奈々、君は素敵だ!」
尾崎奈々って、一体だれ?
観てきました。
『小さなスナック』1968と『落葉とくちづけ』1969の二本立て。
両方とも主演は尾崎奈々と藤岡弘。
両方とも監督は抒情派ビジュアル系の斉藤耕一。
『小さなスナック』はパープル・シャドウズの大ヒット曲。
改めて聴くと、しみじみいい歌だなあ。
♪僕が始めて、君と出会った白い扉の小さなスナック。
映画自体は必見作までは、いかないが、小粒でなかなか。
『落葉とくちづけ』は、ファンタジー純愛映画とでも呼ぶべきか、
不思議な映画である。
漫画家志望のペンキ屋で働く朴訥な青年、藤岡弘が、いきなり、
街で初めて逢った尾崎奈々に向かって、2年前いっしょに暮らしていたと虚言を吐く。
告白された奈々は、奇妙な事態に困惑するも青年の人柄に段々その気になり、
あれよ、あれよという間に、ラブラブに発展。
最後は二人で逃避行だ。アラン・レネ監督『去年、マリエンバードで』みたいだが、難解ではなく、
イラストをところどころに挿入したり、日本の美しい紅葉を入れる点が撮影監督出身の斉藤耕一
らしくて、60年代後期の青春映画になっている。
ヴィレッジ・シンガーズが脇を固めて、脈絡に関係なく歌う。
「亜麻色の髪の乙女」も、しっかり聞ける。
とにかく、尾崎奈々がキュートで可愛い。
彼女の60年代ファッションは今でも通用する。
あまり映画で見かけない女優だが、「君は素敵だ!」のコピーは偽りなしだった。
余談になるが、さきほど取り上げた「映画100物語 日本映画編」はコピーがうまいのである。
『二十四の瞳』では、「長い戦争が終わると、教え子は8人になっていた」。
『憎いあンちくしょう』だと、「『気狂いピエロ』のように二人は太陽に融けこんだ」。
どうです。
映画を観た人なら、その、うまさがわかるでしょう。
時代を追って並べられた映画のセレクションは秀逸で個性的。
『落葉とくちづけ』の前は『男はつらいよ』で、後には『処女ゲバゲバ』『日本沈没』と続く。
長くなってしまう前に、余談終了。
GS特集では、他にも
『ザ・テンプターズ 涙のあとに微笑みを』1969
『ザ・タイガース ハーイ! ロンドン』1969
を観たけど、
ショーケンが歌う「エメラルドの伝説」が見れたので○。
その程度の映画でした。
今回の特集でもっとも観たかったのは、斉藤耕一監督『落葉とくちづけ』。
それは去ること12年前。
映画生誕100年を記念し、多くの出版社から映画リスペクト本が各種発行された。
なかでも、読売新聞社刊「映画100物語 日本映画編」は、新聞社の映画記者によってセレクトされた100本あまりの映画批評を、簡潔なコピーとシャープな切り口で書いていて、
以後の日本映画鑑賞の手引きとして重宝していた。
そのなかで登場する『落葉とくちづけ』のページには、GSとか尾崎奈々とか、
あまり馴染みのない魅惑的なキーワードが出ていて、ずっと気になる映画だった。
映画を紹介するコピーは、
「ピクニックで、街で、パーティーで、尾崎奈々、君は素敵だ!」
尾崎奈々って、一体だれ?
観てきました。
『小さなスナック』1968と『落葉とくちづけ』1969の二本立て。
両方とも主演は尾崎奈々と藤岡弘。
両方とも監督は抒情派ビジュアル系の斉藤耕一。
『小さなスナック』はパープル・シャドウズの大ヒット曲。
改めて聴くと、しみじみいい歌だなあ。
♪僕が始めて、君と出会った白い扉の小さなスナック。
映画自体は必見作までは、いかないが、小粒でなかなか。
『落葉とくちづけ』は、ファンタジー純愛映画とでも呼ぶべきか、
不思議な映画である。
漫画家志望のペンキ屋で働く朴訥な青年、藤岡弘が、いきなり、
街で初めて逢った尾崎奈々に向かって、2年前いっしょに暮らしていたと虚言を吐く。
告白された奈々は、奇妙な事態に困惑するも青年の人柄に段々その気になり、
あれよ、あれよという間に、ラブラブに発展。
最後は二人で逃避行だ。アラン・レネ監督『去年、マリエンバードで』みたいだが、難解ではなく、
イラストをところどころに挿入したり、日本の美しい紅葉を入れる点が撮影監督出身の斉藤耕一
らしくて、60年代後期の青春映画になっている。
ヴィレッジ・シンガーズが脇を固めて、脈絡に関係なく歌う。
「亜麻色の髪の乙女」も、しっかり聞ける。
とにかく、尾崎奈々がキュートで可愛い。
彼女の60年代ファッションは今でも通用する。
あまり映画で見かけない女優だが、「君は素敵だ!」のコピーは偽りなしだった。
余談になるが、さきほど取り上げた「映画100物語 日本映画編」はコピーがうまいのである。
『二十四の瞳』では、「長い戦争が終わると、教え子は8人になっていた」。
『憎いあンちくしょう』だと、「『気狂いピエロ』のように二人は太陽に融けこんだ」。
どうです。
映画を観た人なら、その、うまさがわかるでしょう。
時代を追って並べられた映画のセレクションは秀逸で個性的。
『落葉とくちづけ』の前は『男はつらいよ』で、後には『処女ゲバゲバ』『日本沈没』と続く。
長くなってしまう前に、余談終了。
GS特集では、他にも
『ザ・テンプターズ 涙のあとに微笑みを』1969
『ザ・タイガース ハーイ! ロンドン』1969
を観たけど、
ショーケンが歌う「エメラルドの伝説」が見れたので○。
その程度の映画でした。