細胞継承の仕組み解明=遺伝子を複製、カエル実験で―名市大
時事通信 9月9日(月)2時2分配信
細胞が分裂する際、元の細胞と同じ性質や機能を新たな細胞が受け継ぐ仕組みをカエルを使った実験で解明したと、名古屋市立大の中西真教授らの研究グループが発表した。
中西教授は「細胞増殖の異常で生じるがんや老化の治療法、がんにならない人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製につながるのではないか」と話している。論文は8日付の英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。
研究グループはアフリカツメガエルの卵をすりつぶした溶液に、同種のカエルの精子の遺伝子を入れ、この遺伝子が複製される様子を分析した。
その結果、たんぱく質「Uhrf1」が遺伝子の特定の部分と結合すると、特殊な化学反応が起きることが分かった。この反応で別のたんぱく質が引き寄せられ、同じ性質を持った精子の遺伝子が複製された。
中西教授らは人間のがん細胞を使った実験も実施。Uhrf1を取り除くと、がん細胞は正常に分裂せず、死滅したという。