大学院に入学してから、意識的に専門書ばかりを
読むようにしていたけど、最近ちょっとあきてきたので、
なにか小説でも読んでみようと大学生協で本を物色していたら、
森絵都の
『DIVE!』という本を見つけた。
タイトルは知っていた。今、
中学校の教科書の素材文として
使用されている。読むことはしなかったので、これを機会に読もうと思った。
ストーリーは、水泳の飛び込み競技に青春をかけた少年たちの話。
まだ読んでる途中だけど、印象的なのは飛沫(しぶき)という少年が
自らの腰の持病であきらめた競技生活を、一度味わってしまった
観衆の衆目の快感と、仲間と再び同じ時間を過ごしたいという思いから、
再び上京する場面。その時、周りの人々に
「負けるためにもう一度思いっきり飛び込みをする」と言う。
・・・この言葉は深いと感じた。
今、完全に自分は塾の仕事に“
負けている”。
あんなに好きだった仕事を愛せないでいる。むしろ遠ざけたい。
以前は、自分の授業スタイルや手法に自信があった。そして、
その正当な評価を子どもたちなどから受けることができていた。
今は・・・労が多いだけと感じる・・・敗北感を感じる。
でも、この本に出会って少し前向きになった。
ええねん。負けても。
一瞬味わう授業の快感は、経験したことのない人には伝えられない。
それをまた体験したい。それと、自分を信頼してくれる人がいるとこで
授業することも大切だと思う。
今週も負けるために授業をしよう。