goo blog サービス終了のお知らせ 

流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

高速回転タービンの遠心力破壊について考える

2011年06月05日 | 流体機械設計

特に気体を駆動流体とするタービンにおいては、タービンノズルからの噴流速度に最適な羽根周速度を選定する場合には、タービン羽根の直径を小さくするほど最適周速度回転数がどんどん大きくなり、100mm以下直径のタービン羽根では数万~数十万回転に達する場合もざらにあります。

そのような高速回転数タービン羽根のブレード部分の周速度は音速を超えることもあり、その超高速度により羽根にかかる遠心力は強大なものとなってしまいます。

遠心力が強大となり、タービンブレードの強度を超えてしまえば羽根の破壊が起こり、破壊された羽根の欠片が機関銃弾よりも高速で飛散することが考えられます。

機関銃弾よりも高速で飛ぶタービン羽根欠片の材質がステンレスなどであれば、もしタービンケーシングの肉厚が薄いと易々とケーシングを突き抜けてしまい外部に飛び出します。

ケーシングの外部に飛び出した羽根欠片が人に当たれば大けがだけでは済まない可能性もあるのです。

そのような危険性を考えれば、高速タービン羽根の遠心力強度解析は必須のものといえましょう。

次の図は、直径35mm程度のタービン羽根の遠心力強度解析結果として応力分布を色分布として示したものであり、赤に近いほど応力が大きくかかっていることを示しています。

20000rpm

このタービン羽根は高速空気で駆動されるタービン羽根となり、回転数は定格で2万rpmとなり、その回転数での応力分布図です。

この2万回転タービン羽根の形状の中で、応力が大きくかかっているところを注目してみると、タービンブレード根元附近の前縁後縁部分となっています。

とすれば、このタービンブレードではもう少しボス側に近い羽根断面形肉厚をより増やし、前縁後縁部は鈍頭に近い形状とすべきでしょう。実際そうしますが。

また次に気をつけるべき個所は実は羽根ボス円盤部中心位置附近です。

遠心力はある点より半径の大きい部分の質量がある点自体を外側に引っ張って生じますので、もっとも廻りから引っ張られるのが軸中心附近となります。

この解析モデルでは、円盤部中心に軸貫通穴や軸取り付けネジ穴などがないので安全ですが、もし穴や切り欠きが中心部にあればその個所に応力集中が起き、軸穴では外に広がって軸との締結がガタガタになったり、ネジ穴ではそれでの応力集中が割れ進行の始まりとなったりします。

以上をまとめれば、遠心力を甘く見ずに設計と解析をしていないと非常に危ないことになりかねず、高速回転数の羽根は注意する必要が大変に大きいということです。

この記事についてブログを書く
« 動翼廻りの圧力を測定する圧... | トップ | インドネシア向けODA水力... »