流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

軸流タービン 実機ブレードと実験用ブレードの比較

2009年10月12日 | 流体機械設計

タービンの性能実験においては、モデルタービンといって実際のタービンを縮尺した小型のタービンにて性能実験を行う場合が良くあります。

実機タービンを縮尺したモデルタービンを使う理由としては、実験装置を実機サイズで製作するとお金がかかり過ぎることや実機サイズの実験設備では設備寸法が大きくなりすぎることなどより、実験が行いやすいサイズにタービン部を縮尺してやり、全体設備も適正なサイズに収まる用にするというものです。

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上写真は、左の羽根が実機のタービン羽根であり、右の小さいのが実験用タービン羽根となります。

この2つの羽根の縮尺は、実は2分の1なのですが、右の実験用羽根は随分と小さく見えています。

手前のシャープペンと比較しても、実機羽根はそれほど大きくありませんが、実験用に2分の1羽根としたのは実験用の廻りの設備機器が大きく高価になるのを防ぐ為でした。

小型の羽根で実験を行った結果を実機サイズの羽根の性能に換算しなければなりませんが、小型の羽根より大型の羽根の方が性能が良くなるため、小型の羽根で充分な性能が出れば実機羽根にてそれ以上の性能が出るのはほぼ確実と言って良いでしょう。

タービンの性能実験においては、縮尺モデル実験結果から実機性能に換算する換算計算方法が規格などで決まっており、スケールモデル実験の信頼性を高いものとしています。

今日の感想:現在の弊社における開発設計案件の増加を考えると、解析シミュレーションによる性能確認とスケールモデル実験の併用による性能確認が必要なケースが増えるかもしれません。

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