流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

ペルトン水車の設計が増えてきました

2015年11月11日 | 流体機械設計

水力発電用タービンでは、フランシス水車とクロスフロー水車の設計が弊社でも圧倒的に多いのですが、最近はペルトン水車の設計が増えてきました。

次は、低比速度ペルトン水車の羽根です。

低比速度といっても、このペルトン水車羽根は毎分3000回転する高速型タービンなのですが、あまりにタービンに作用する落差が大きいので、ペルトン水車でも回転数が低い領域で最高効率となる羽根形状を採用しているのです。

具体的には比速度は10ぐらいであり、10~20の比速度範囲のペルトンタービンでは低い比速度の設計なのです。

低比速度ペルトンタービンの特徴としては、写真で見て頂けるように、羽根枚数が大変多くなります。

羽根はペルトンバケットとも言いますが、この製作例ではバケットは全てNC工作機械での削り出しになっており、強度と精度は最高のものとなります。

次は、効率が出やすい比速度にて設計したペルトン水車羽根です。

上図の低比速度羽根に比べてバケット羽根数が少なくなっているのが分かって頂けると思います。

普通のペルトン水車ではバケット羽根枚数はこの程度です。

これもバケットはステンレス材からの完全削り出しによる製作であり、流体的な精度、強度ともに最高の出来になっています。

 

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