流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

効率96%を発揮するプロペラ水力タービンのブレード設計形状

2020年12月19日 | 流体機械設計

タービン効率96%を出すことの出来る、プロペラ型水力タービンに使うブレードの設計形状が次です。

この回転するブレード羽根の形状で特徴的な点は、

・ブレード入口から出口までの長さ弦長を非常に長く設計している

・長い弦長である4枚ブレードで構成される回転ランナでは、入口から出口までの流れエネルギーの吸収を滑らかに無理なく行い、回転動力の発生を限界まで行えている

ブレードのボス側には回転軸が有るように、ブレード可変ピッチに対応した翼形状となっています。

よって効率96%の設計点運転以外の流量が低下した広い範囲の運転状態でも、効率を90%付近に保つことが可能です。

上から見たシュラウド側の翼型形状の特徴から分かるように

・一般的な規格にある翼型を使うのではなく、最も翼間流れが乱れずにブレード入口出口転向状態を設計通りに実現するために、魚形に近い任意翼型を生成してブレード形状を設計している

つまり、この水力タービンの羽根設計方法は、翼資料をベースとする設計では無く、内部流れ状態である流体の流れ変化状態のみに着目した、意図通りに流体を流すブレード設計を行っています。

これは飛行機などの外部流れでの翼設計では無く、水力タービンなどの内部流れの流体機械にて用いる最も最適な設計手法と考えています。

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