今日は、トウミファンと呼ばれているファンについて、説明を行いたいと思います。
トウミとは漢字で「唐箕」と書き、外国語ではありません。昔、農業で精米時にもみ殻などを風の力で飛ばす道具として使われていたもので、その時の送風機の羽根に似た形状の羽根を持つファンをトウミファンと呼んでいます。
トウミファンは、左図のような全体構成となっています。中央に十字手裏剣のような羽根断面形状を持つ翼があり、空気を左右の穴から吸い込んで、羽根円筒面の一部から吹き出すという方式です。
普通の遠心ファンと決定的に異なることは、ファン翼の外周がファンケーシングに密着するように近づいており、一般的な空気の通り道としてのケーシング内部空間はない構造となっています。そして、その特徴は、回転数に対する翼円周速度が小さくても、普通の遠心ファンよりは高い圧力を発生出来ることです。
その事から推測出来ることは、翼が空気を吸い込み空気出口に到達するまでに、十字手裏剣の状の羽根空間内で空気がグルグル回る、つまり渦流を起こし、それによる圧力の高圧化が起こっていると私は考えています。つまり、トウミファンとは渦流ファンの一種と言って良いかと思います。