ずっとサユリストと言う言葉に、戸惑いを感じてきました。私はしばらくスクリーンから遠のき、
復活した小百合さんからファンになりました。学年同期早生まれの小百合さん55歳の作品です。
いい味が出ましたね、「時雨の記」(渡哲也)「夢千代日記」(北大路欣也)も、よい出来栄え
です。完成度も高く、No1芸者らしい押し出しは、吉永成長の証しでもあるようです。
★★★★☆ 4
2000 日本 東映
文芸ロマン
吉永小百合 渡哲也 高島礼
監督 深町幸男 原作 なかにし礼
吉永さんも、来年は69歳でしょうか?大台に近づきつつありますね。
さわやかな色気と無償の愛をを感じます、さすがです。原作者なかにし礼は、この作品で直木賞を
受賞しました。この作品の2,3作先ぐらいから、私はファンになりました。
丸谷さんの「女ざかり」あたりから、作品にも恵まれ始めたように思います。
その昔、京の島原、江戸の吉原、長崎の丸山は、日本の3大花街として名を馳せていました。
丘の上からの長崎港は、鶴が両翼を広げたように美しく魅了されます。
丸山では坂本竜馬も日本で初めての?会社を興し、維新に、お酒に、女性にと大忙しであったようです。
吉永演じる芸者愛八と事業に失敗する渡哲也の出会い、越すに越されぬうずくような恋、埋もれかけた唄探し、
人としてけじめをつけ愛八が病に倒れ、逝くドラマです。
対抗芸者高島礼子も、かすむほどの風格振りでした。
やさしか長崎弁、強か愛八の生き方、泣かせる名画です。一線を引くプラトニックな愛に、しばしこの世を
忘れます。長崎ぶらぶら節についてなかにしさんは、「飾りもなく聴き手に媚びず、潔く自分を投げ出した歌い
っぷりはシャンソンにも匹敵するものと言っています。それはまるで、愛八の生き方そのものでした。
映画って、ほんとにいいですね!ここ2年を除き吉永作品の大半を収録しています。