既婚女性が独身男性と付き合う法則

渋谷の街をブラブラ歩き、ツタヤに行き、ケイコが好きな洋楽のCDを手に取り、
「これがお勧めよ」なんて、彼に手渡した。

「あっ、これ俺も好きなんだ」「じゃぁプレゼントするね」ってレジに行く。
それからベトナム料理屋に入り、彼が店員に話す方言がちょっと恥ずかしく聞こえ、またそれが初々しくも思えた。
汗を拭く為、彼がメガネを外し、その目がとっても可愛くて、年下はいいって
呟いた。

「こんな食べ物九州じゃないや」って驚いてた。「東京に来て、他に何が驚いた？」って江戸っ子の彼女は彼に聞いた。

「こんなに人がいっぱいいるし、電車はすぐに来るし、ビックリの連続だよ」

「ねえ、付き合うのに一つお願いがあるの」「何？」
「絶対にあなたから電話はしてこないで。それとメールをしてもすぐに
レス出来ないからね。それと夜はして来ないでね」

「そしてもしあなたに彼女が出来たら、私から身を引くから。
私は家庭を壊したくないし、とっても大切にしてるから、あなたとは友達よ」

「了解したよ」

彼は用があるから夕方までしか時間がなかった。
「どうしよう？これから？」「もう1時間もないね」

ケイコは段々別れるのが辛くなってきていた。
「公園を散歩しましょう」って歩き出した。

ベンチに腰掛け、買ったCDを眺め、手が触れて、キスした。

そして別れる時間になり、山手線でお互い違う方向に。
「またメールするね。今日は楽しかったよ」
「うん、気をつけて帰ってね」

楽しい時間は過ぎていった。ケイコはもう二度と会えないと思うと
悲しかった。