ハッピー・ベル・アンの訓練日記 目指せ日本訓練CH優勝

ハッピー全日本選別18:1位全日本嘱託18,23:1位日本訓練CH20:3位、21:2位22:2位ベル21全日本嘱託1位

素直な人と頑固な人

2023年12月05日 | 選別訓練のアドバイス
競技会で選別作業の拙い所を見つけると、
ついついアドバイスしたくなる。

思い上がっている!
と思われるかもしれない?

やはり一番気になるのは、嗅がせ方!
やたらと長い時間嗅がせていたりすると、
何故?
と思ってしまう!

何人かに嗅がせ方をアドバイスして、
本当に私の強さの極意を教えてあげても、
一向に良くならない?

選別作業で一番大切なのは、手元の布の臭いをしっかり嗅ぐこと!

嗅いで!
のコマンドで犬は嗅いでいますか?

嗅ぐことを教えていますか?

素直にアドバイスを聞いている方も、
聞いているようで、競技会でチェックすると、実際は出来ていない?
何故出来ないのか?
何故嗅ぐ練習をやらないのか?

自己主張して、頑固な方は、
やるわけないですよね。
話をしていても、独りよがりで、
謙虚に人のアドバイスを聞く気持ちは無い!
こちらには、上達する見込みは無い!

それでいて、良い成績を収めたいと言う。

いくらアドバイスしても、
自分のやり方を変えられないのでは?
成績が良くならないのは、
上手く嗅ぐを教えられないからではないですか?

毎日少しの時間嗅ぐを教えれば良いだけなのですが!
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選別布の在り方

2023年11月11日 | 選別訓練のアドバイス
選別に取り組み始めて、もう20年以上過ぎた。
最初の2,3年はJKCの直付け布と2回戦の異物の練習に取り組んだ。マロンとベルナ
2005年の日本訓練チャンピオンからPDの
競技会に参戦する。
初出場でマロンがゼロ回答のみ失敗で5位入賞!(何頭も5位の価値低いもの)
ベルナも2回戦進出!
初出場で2頭共にストレートで、おまけに5位入賞で、やる気に火がつきました!

更に上位を目指すため、ゼロ回答の練習に取り組む。
練習方法がわからないので、色んな方に教えて貰いながら、
手探りで訓練方法を探す。
マロンもベルナもゼロ回答訓練を始めてから、成績低迷!
マロンもベルナもゼロ回答出来るようになったが、3回戦進出は叶わず!

移行臭の訓練を始めてからは、移行時間を短くして、難しい臭いにチャレンジ。
5分まで短くしてみたり、
双子の甥の肌着や靴下をゲットして、双子の選別をやらせてみたり、
違うメーカーの牛乳を5種類集めて、
銘柄の違いを選別出来るかやらせてみたり、
犬の能力の凄さを試すような臭いで選別をやらせてみたものです。
難しい臭いで練習しても、地方大会で何度か一位になれるのですが、日本訓練チャンピオンでの結果に繋がりませんでした。
難しい臭い、薄い臭いでの練習が犬の実力アップには繋がらないのでは無いのでしょうか?

ハッピーは追及での、日本一目指して、
本音は決勝戦進出目指して訓練したつもりでしたが、
追及を初めてやる素人の未熟さのため、
ハッピーの才能、力を引き出してやることが、
出来ないで、逆に悪い癖を付けでしまって、
折角島田先生が仕上げてくれた追及を壊してしまいました。
実働での、難しい追及、舗装道路を1時間近く作業させたのも、
良くなかったのかもしれませんが、
鼻ではなく、眼や頭を使う追及になってしまったので、選別に転向することにしました。
故吉岡先生とじっくり競技会談義させてもらい、
君は何がしたいのか???
と言われ、自分自身が指導手として、ハッピーと日本一になりたい、
そのためには、追及では不可能!
選別で狙ってみよう!
と決心したのです。
ハッピーの選別訓練は、
直付けの自臭、他人臭、と進めて、
JKCの大会に出して、まず自臭でストレートを取ると、
次は他人臭でストレートを狙い、
2回戦の異物は、殆ど練習しないで、
進めました。
PDには異物は無いので、異物の練習は殆どしないで、大会直前に、異物を咥えて持ってくる練習を少しするだけでした。
北関東ブロック、本部で優勝出来たので、
移行臭のPDに本格参戦、
移行臭は最初は3時間とか、短い移行時間の物を作ってやりましたが、
どうも上手く移行出来ていないのか?
ハッピーが苦戦します?
そこで、移行時間は1日とか3日とか、
長くして、撹拌も十分して確実に正解出来る臭いで練習しました。
正解出来ない臭いは、本臭では使わないで、
誘惑に使用するようにしました。

ハッピーのゼロ回答は3つ目の台を使って、
本臭布が選別台と違う場所にあっても探して持って来ることを教えて、
3つ目の台を徐々にスタート位置まで動かして、
最終的には、私が持っている布が正解布!
と教えました。
ハッピーは僅かな練習でマスターして、
手元の布を見せるとゼロを確信して戻るようになりました!

選別布は競技会では新品布使用していますが、
私の練習は基本的に洗濯布を使用します。
洗い方は色々試しましたが、今はきちんと伸ばして重ねた布を小袋に入れて洗濯機で洗います。
脱水して干す時は、ゴム手袋をして、
ピンチハンガーで干します。
取込みは完全に乾燥してから、ピンセットで大きな袋に入れます。

移行臭作り
洗濯布を一枚ずつピンセットでバラバラにして、
移行用の袋に入れて、原臭を入れます!
高温で移行させるために、車の中に入れて、
日向に駐車しておきます。
許される限り何回も撹拌します。
練習に使う布は短くても1日、長い場合は3日から7日移行させます。

訓練に使用する前に、確認選別を行います。
誘惑に無臭布を使い。
作成した移行臭布を本臭で選別させて、
問題無く正解することを確認します。
この段階で、犬が間違えたり、悩んでしまう場合は更に車の中で移行させます。
犬が迷うことなく正解するようなら、
原臭を移行用の袋から取り出します。
基本的に難しい移行臭は作りません!
でも、何故か?私の作る移行臭は難しいようです。
理由は良くわかりませんが、洗濯布を使うので、
元々布に洗剤の臭いが付いている。
布を重ねて小袋に入れて洗うので、布と布の間にある不純物が綺麗に洗い流されているとは言えないのです。

だからこそ、移行臭を使う前に確認選別で、
ちゃんと使える布か判定してから使用するようにしています。

最近は新品布を使うことはほとんど有りません!
新品布は晒しを買って来て、
大きなビニール袋を切り開いて、
作業場所を作ります。
切り開いたビニールの上に晒しを置いて、
ゴム手袋をはめて、裁断鋏で切ります。
A3位の大きさのビニール袋に50枚から60枚入れて、原臭を入れる前に、ピンセットで
1枚ずつバラバラにほぐします。
その後は洗濯布と同じ要領で移行臭を作り、
確認選別をしてから訓練に使用します。

長々と書いて来たが、
まとめると次のようになる。

1.選別布は作業の基本!
手元で嗅いだ布の臭いと、同じ臭いの布を持って来る!ということ。

そのことを徹底的に叩き込むためには、薄くて悩むような臭いではなく、直付け3回擦りの迷うことの無い臭いを何種類も嗅ぎわけ、正解する経験値を積み重ねる。
直付け他人臭で間違えることが無くなったら、
誘惑に自臭や家族の臭いを使ってやらせてみる。
これが出来るようなら、移行臭を使う。
移行臭も1日以上、あるいは数日時間かけて、確実に移行していることを確認してから訓練に使用する。
靴下、肌着など沢山の臭いを使い、経験値を上げていく。

2.薄い臭いへの対応
直付け3回擦りや移行3日の移行臭を
使ってやらせているのでは、薄い臭いの時に出来ない!??

基本が理解出来ている犬なら、同じ臭いを持って来るはず?だが、迷う?

薄い臭いを経験させて、薄くても同じ臭いなら持って来れば良いことを、教えれば良い。
そのためには、自臭直付け1回擦り本臭、誘惑無臭布でやらせてみる。
クリアしたら、自臭直付け一握り本臭、誘惑無臭布
これを家族、他人臭で更に経験値を上げる。
薄い移行臭もやらせて経験値を上げる。

誘惑に無臭布以外を使う時も、直付け1回、一握り、移行臭と徐々に経験させて行く。

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究極のゼロ回答訓練

2023年08月11日 | 選別訓練のアドバイス
ゼロ回答を教えると、次のような課題が持ち上がります。
1.有回答なのに、不持来をする。
2.ゼロ回答の時に新しく追加した布を取る
3.全部の布を嗅いで無い。
4.ゼロ回答の後の作業が不安定になる。
5.連続してゼロ回答が有ると2回目は不持来出来ない。
6.薄い臭いの時に不持来する!

全ての項目に共通するのは、決して叱らないこと!

1.不持来した時も、ゼロ回答を正解したのと同じ気持ちで誉めてやる。
そして、再度やらせて、正解すれば、誉めてやる。
再度も不持来するようなら、布が悪いと判断して、布を新しく差し直す。
それでも不持来するなら、布が悪いかもしれないと判断して、別の臭いの布を 本臭に使う。
作業をしたご褒美に餌を与えて、誉める!
不持来した事の罪悪感を抱かせない!

2.ゼロ布を取るのは、よくある現象です。
誘惑無臭布で練習している時に、
誘惑は交換しないで、ゼロ布として、同じ無臭布を使うのですが、それでも新しく追加した無臭ゼロ布を取ることがあります。暴露時間の違いで、同じ無臭布の筈なのに、
違う布として認識するようです、

誘惑も移行臭布でゼロ回答をやる時、
ゼロ布を取ることが多いのです。

どちらのケースもゼロ布を固定して、
不持来させるようにする。

新しく追加したゼロ布を取らない特訓があります。
誘惑は無臭布、ゼロ布を本臭と同じ作り方の布を使って、固定して新しい誘惑布を取らないことを教えます。
反応するけど取らないと言うのが、理想的な作業です。
本臭とゼロ布に直付け、靴下移行臭、肌着移行臭を使って練習してみましょう。誘惑布は無臭です。

3.ゼロ回答の時に、不持来は出来たのに、全部の布を嗅いで無いので、間違いになる。
全部確認しない時の傾向を把握する。
確認しなかったのは、左端か右端か?

対策1.1回目右端、2回目左端、3回目ゼロ、の設定で、両端に意識がのこるようにした後にゼロ回答をやる。

対策2.誘惑を2枚ずつ差して10枚にして、
台の穴全てに布を差して、作業させる。
この時も、両端に本臭を置いて全部確認する意識付けをする。
10枚差しでゼロ回答をやらせる。

対策3.台3台を使う
誘惑は4枚、穴の間隔を広げて、
1.5倍の幅で作業させる。
この時も、左右の端に本臭を置いて、
布を全部確認する意識を高める。
更に誘惑を2枚ずつの8枚、
3枚ずつの12枚にしてやらせる。
3回目をゼロ回答にすると、誘惑は13枚でゼロ回答をすることになります。
全部確認する意識を高めるのが目的なので、
簡単な臭いで練習すると良い。
即ち、本臭は直付け、誘惑は無臭布、或いは移行臭布。
臭いに対する練度を上げるのが目的では無く、
端から端まで確認する意識を高めることが目的!

4.ゼロ回答の後の作業が不安定になる。
不持来をした後の犬の精神状態は、
不安になっている可能性があり、
有回答を間違えたり、不持来をすることが多い。
有回答の時に不持来をした場合に叱ることで、
不持来した時に不安になる意識付けを、
していることになる。
したがって、有回答で不持来しても叱らないことで、
次の作業の不安をとり除くことが出来る。

5.有りゼロゼロ有りを克服する。

対策、簡単な臭いでやらせる。
本臭直付け、誘惑無臭布で有りゼロゼロ有りをやらせる。
ゼロ臭布も無臭布を使う。
これで問題無く出来るようになったら、
誘惑無臭布でゼロ臭には直付け布を使う、

次の段階は1回目のゼロ臭と2回目のゼロ臭を違う物を使う。

誘惑無臭で出来るようになったら、
誘惑移行臭布、本臭直付けでやる。
ゼロ臭も移行臭でやり、次に直付け。

直付け本臭で問題無く出来るようになったら、本臭移行臭でやる。

誘惑無臭布でやり、誘惑移行臭と徐々に難易度を上げていく。
有りゼロ有りゼロの練習も同じ要領でやりましょう。

6.薄い臭いの時に不持来する!

対策、薄い臭いで練習して克服するのは間違い!
混乱を更に深めることになりかねない!

ゼロ回答とは、同じ臭いが無ければ取って来ない!ことを教えること!

薄い臭い作りは難しい!
移行時間が短いと移行のバラツキが発生し易い!
撹拌も何度も出来ない!

臭いにバラツキの有る布を使って作業させると、有回答で不持来するのは当たり前!
手元が駄目布の時、台の本臭が駄目布の時、
どちらも不持来する!
手元と台が揃って当たり布の時、目的通りの訓練が出来る。
バラツキの有る布を使って、ゼロ回答の基本動作を教えることは出来ない。

薄い臭いへの対応力は、別のやり方で高める。
薄い臭いは直付け、レベル1は1回擦り、
レベル2は直付け一握り
で作業させる。
誘惑は無臭布、次に誘惑も直付け1回擦り、一握り本臭なら、誘惑も一握りを使用する。

一握り直付けをお願いするのは、選別訓練を良く知っている人に頼むこと。

薄い臭いでゼロ回答の練習はやらなくても良い。
もしやるなら、誘惑は無臭布でやりましょう。






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選別訓練、臭いの嗅がせ方2

2023年01月14日 | 選別訓練のアドバイス
他の方の選別作業を観察、分析することは、
自分の作業を見直す上で、非常に参考になります。

どの位置に立つか?
1番の位置、5番の位置、真ん中
待機中の態度、
素手で作業するか?
ピンセットを使うか?
別の道具か?
布を受け取る前の犬への意識付け、
布を受け取ってからの、布の扱い方、
犬の鼻先にどのような形で持って行くか。
鼻を覆う方法、
何秒嗅がせるか
何度も嗅がせることもある
スタート前の励まし、意識付け、
スタート時の指示(探せ!、持って来い!)
犬が台に何番から入るか
指導手の立ち方、姿勢、手の位置、手元布の持ち方、犬から手元布が見えるか?見えないか?
戻って来る時の呼び込み方
受け取り方、
誉め方

私からのアドバイス、
手元でしっかり布の臭いを嗅ぐことが一番重要!
指導手が、どうやって、犬にしっかり嗅がせるか?
指導手が、犬がしっかり嗅いでいることを確認しているか?
手元で臭いが取れている時と、取れてない時の犬の作業の違いが見抜けているか?

スタートの立つ位置は1番より少し左(これは犬により変わると思いますが)
犬は1番から入って5番に向かって確認作業をして、1番に戻る確認作業が理想。
ゼロ回答を教える時に、全部を確認させることを教えるためにも、1番から入るのが理想。
ベルは1番から入るように教えることに成功しました。


そのために、立つ位置は1番の左2〜3mの所で、台に着いたら1番から嗅ぐように教えました。
ハッピーも同じように教えたので、ゼロ回答を教えるまでは、
1番から入る作業をしていた。
ゼロ回答訓練用の3つ目の台を右に置いたので、5番から確認するようになってしまった。

競技会によっては、同時進行で隣の台が近いこともあります。
スタートして隣の台に行かないために、スタート位置を隣の台から遠い位置に変えることも、必要になります。
 足場が悪い時、水溜りが有るなど、いつものスタート位置で作業するのが難しい時もあります。
どの位置から出しても同じ作業が出来るように、日頃からスタート位置を変えることも必要です。
 スタート位置が変わることで、選別作業にどんな変化があるのか、変わらない作業が出来るのか、確認しておく事も必要です。



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選別訓練番外編2:何秒嗅がせるか?

2021年03月05日 | 選別訓練のアドバイス
選別作業で手元で布を何秒嗅がせて発進させるか?
真剣に検討して、他の出場犬のデータを取ったことがある。最短で8秒、最長40秒。
どちらも正解もあるし、間違いもあった。
マロン、ベルナは16~20秒。
ハッピー、8~12秒2020年の正解率=32/37=86.5%
ベル、6~12秒2020年の正解率=30/34=88.2%
最近たどり着いた私の結論。
嗅がせる時間ではなく、きちんと嗅いだ回数、
2回から3回で十分!
私見だが、発進してからの作業時間を考慮すると、嗅がせる時間は長くても20秒位、長くても30秒が限界だと思います。

一度は自分の犬の作業内容をストップウォッチ片手に分析してみては如何でしょうか?

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ゼロ回答の教え方再掲

2019年10月11日 | 選別訓練のアドバイス
https://youtu.be/5WBFcgdcifo

先日電話でゼロ回答の教え方について質問されたので、再掲します。

ハッピー日本一を決めたゼロ回答!
https://youtu.be/Ze83Eyamc0k

ベルが初めてゼロ回答を成功した大会の作業
https://youtu.be/2Bqa3cXQzZ0

あくまでも私の個人的考え方ですが、
ゼロ回答は有回答が確実に出来るようになるまでは、
教えない方が良いと思います。
 ゼロ回答を教えると、犬に迷いが生じるため、
有回答の正解率が落ちることが多いのです。
 これは、薄い臭いの時に、ゼロ回答と勘違いして、
不持来になってしまうことがあるからだと思います。

 したがって、私の考え方は、JKCの選別大会で確実にストレートを取れるようになること。
PDの地方大会で1回戦は確実にストレート取れて、
ゼロ回答のある2回戦でも有回答は全部正解出来る。
日本訓練チャンピオンで1回戦ストレートで、2回戦もゼロだけ間違いのリザーブを取るまでは
ゼロ回答を教えない方が良いと考えています。
徹底的に有回答の正解率を上げて、濃い臭いでも薄い臭いでも、
有回答を自信を持って正解出来るように練度を上げて欲しいと思います。
 練習で有回答が間違うことがないと、大会でストレートを達成したこともないのに、
次のステップのゼロ回答を教えることは、私個人としては反対です。
 練習と本番は雰囲気も違うし、やはり競技会で有回答のストレートを取る経験で犬の自信を深めることが、
犬を育てることに繋がると思われます。

 日本訓練チャンピオンでストレートが取れたら、
ゼロ回答の訓練を始めます。
 ただし、ゼロを教えたことで壊れた犬の話には事欠きません!
 日本訓練チャンピオンで2005年に5位に入賞したマロン、2005年ストレートのベルナも、
ゼロを教えた後は2年くらい低迷してしまいました。
 日本一ハッピーも、去年の秋から徹底的にゼロ回答の練習をしたら、
「3回目はゼロ回答でしょ!」の不持来病に陥り、直すのに2か月くらい必要でした。
 そのくらいは覚悟して取り組んでください。

 ゼロ回答の教え方

 ゼロ回答の教え方には、2つの考え方がある。(あくまでも堀内流では)

①台には同じ臭いは無いから持って来ない

②正解の布は台には無いけれど、スタート位置にある

それぞれの考え方によって、教え方も変わってくる。

この教え方が訓練士のノウハウではないでしょうか?


犬によってどちらの教え方が適しているかは、指導手の犬を見抜く力かもしれません。

日本一になったシェパードのハッピーは②で教えました。
めきめき覚えてどんどん上達していきました。


ラブラドールのベルは②で教えようとしたのですが、ベルは強情で頭が固く、
理解力が不足して教えられないので、①で教える方向に切り替えました。

さて、②の具体的教え方はどうやるのでしょう?
ヒントは「3つ目の小さな台を使って教える」
https://youtu.be/5WBFcgdcifo
動画を参考にしてもらうと、小さな台を一つ追加して3台で練習します。
動画では右側に小さな台を追加しています。(左に追加する方が良い場合もあります)
最初は3つの台をスタートラインから10mの位置に並べて作業させます。
布は間隔を大きくして5枚で作業させ、本臭は1から5番までいろんな場所に置いて作業させます。
違和感なく作業出来るようになったら、10mの位置で台を少し右側に離して作業させます。
離れた台に誘惑を差す時も、本臭を差す時もあります。
 これが出来るようになったら、小さな台をスタートライン側に1m離して置いて、
先ほどと同じように、誘惑を差す時も本臭を差す時もあるように練習します。
小さな台に本臭を差した時に、手前にある台に本臭が有るので、10m離れた方の台を確認しないで、
本臭を持って来ることがありますが、そうならないように、スタート位置、台に行った時に、
誘惑を確認してから小さな台を確認するような台の配置を考えて、右に小さな台を置くのが良いか、
左に置く方が良いかよく考えてください。
1m離して出来るようなら、3m離して、それが出来るようなら、5m離して台を設置してください。
台がスタートラインに近づくと、どうしても近くの台から確認したくなります。
その時は指導手が近くの台に立ち寄らないように、誘導して(近くに台に行くのを妨害する)、遠くの台から作業するようにさせます。
 最終的には、小さな台をスタートラインの位置に置きます。
それが出来るようになったら、完成形は指導手のピンセットに挟んだ布を取りに戻るように教えます。


次に①の教え方のヒント
素直に臭いが無い時は持って来なくて良いことを理解させる。
「簡単な臭いで教える」がヒントです。

第一ステップは誘惑無臭で、本臭は練習で自信たっぷりに正解する布を使います。
誘惑無臭で2回正解させて、3回目にゼロ回答を入れて、無いよと何度も探して、
こちらを向いたら、来いと呼んで不持来させます。
この時、布を持って来ないように注意します。
不持来出来たら、誉めてやります。4回目は有回答で正解させる。
誘惑無臭布なので、2回目以降も誘惑布を交換しないで、ゼロ回答の時に本臭布の代わりにゼロ回答布を
追加して差すのですが、最初は布を追加しないで、誘惑4枚だけでやらせて、
兎に角不持来を体で覚えさせるのも良いと思います。

 第二ステップは誘惑に移行臭を1種類4枚使う、ゼロの時には5枚。
同じように、1,2回正解させて、3回目にゼロ。
不持来出来たら、誉めてやる、4回目は有回答を正解させる。
 第三ステップは、誘惑2種類2枚ずつ、ゼロも2種類の布から追加。
3回目にゼロで練習。
第4ステップ、誘惑4種類ゼロ1種類でやらせる。誘惑布が5種類必要になります。

ゼロ回答を3回目だけでなく、4回目、5回目にやらせ、自信たっぷり出来るようなら、
同じ臭いで2回目ゼロをやらせる。
ゼロ回答で不持来した後の作業が不安定になる犬が多いので、
ゼロ回答の後に有回答を正解させて終わるようにした方が良いと思います。

兎に角、不持来を成功することを経験させて、徐々に難易度を上げていきます。

ゼロ回答に取り組む人が増えることを祈ります。
選別訓練の奥深さ、訓練の醍醐味を味わうことが出来ます!
みんなでゼロ回答正解して、決定戦で競い合いましょう!
上から目線ですみません?
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選別訓練、臭いの嗅がせ方1

2018年08月24日 | 選別訓練のアドバイス
素手で嗅がせる人。
ピンセットを使用する人
医療用のロックピンセットを使用する人
特殊道具を使用する人
大きく分けて、4種類位でしょうか?

差し子から布を受け取ってからの流れにも何種類か有る。
a:受け取って直ぐ鼻に押し当て嗅がせ始める人
b:受け取った布を犬の前の地面に置いて、犬に咥えさせてから、
その後布を鼻先に押し当て嗅がせ始める人
c:布を受け取り、布の形を整え、鼻先持って行き、犬が布を嗅ぎに来るのを待ってから嗅がせる人
d:布を受け取り、大きな茶漉しの様なカゴに布を入れて、犬の鼻先に持って行き、
犬が茶漉しの中にスッポリ鼻先を突っ込み臭いを嗅がせる人
https://youtu.be/bXi7zEzJwF0
e:布を受け取り、犬の鼻先でポイッと投げて咥えさせる。
布を取り上げ、また、ポイッと投げて咥えさせる。
これを3,4回繰り返しただけで、布を取り上げ、探せとスタートさせる。
鼻先を布で覆うことは全くないままで作業させる。
https://youtu.be/cXFLijVHhNo

A,B,C,Eは素手でもピンセットでも出来る。

竹本先生が過去に会報で、臭いの嗅がせ方に関して寄稿していたのを読んだことがある。
地面に置かない方が良い:雨の時困る(私の追加、強風の時も)
咥えさせ無い方が良い:台の上で咥えて確認するので間違いを取る可能性が高くなる
ピンセットを使うべきである:理由は書いて無かったような?

それでは、何故咥えさせるのか?
犬が臭いを感知するのには、鋤鼻器(じょびき)と鼻腔の二ヶ所あり、
咥えさせるのは、ジョビキを使わせるためなのです(あくまで私の独断)
上記eの犬は主にジヨビキだけで選別作業をしているのかも?

 ハッピーの嗅がせ方はどうだろうか?
Bの応用形で、ピンセットで受け取り空中で犬に咥えさせた後に、鼻に押し当て嗅がせるです。
 布を受け取る前に停座している胸を軽く叩いて、やるよ!
と意識付けする。
ピンセットで布を受け取り、犬の前に持って行くと、犬がパクッと咥える。
口から、布を引っ張り出し、鼻先に軽く押し当てる。
ハッピーはかなり深くスー、スーと臭いを嗅ぐ。
深く嗅ぐ時は2回嗅げばスタートさせても正解を持って来る。
殆どはこのパターンである。嗅ぐ時間は8秒でしかない!
時々深く嗅がない時があり、その時は、やや長めに嗅がせる。
それでも12秒位です。
当たり前ですが、ゼロ回答の時も嗅がせ方は全く同じです。
 ピンセットは医療用23cm有鉤を使用。
スタートの時に咥えたまま台に行ったことがあり、
有鉤ピンセットで持って行かれないようにしっかりと布を保持する。

この動画は全日本嘱託警察犬大会初優勝のハッピーの作業!

この動画は11才11ヶ月の老いたハッピーの作業。2回目の優勝!

ベルの嗅がせ方はaの直接鼻先に持っていくです。
振り向いて座らせて、胸を軽く叩いて意識付け。
ピンセットで布を受け取り鼻先に持って行き、鼻に被せて嗅がせる。
ベルの鼻息は浅いのでハッピーよりも長めに嗅がせています。

同じやり方からスタートしたのですが、
練りこんで行くうちに犬の特性に合わせて、やり方が変わってしまったのです。
 次の動画は、出す前のコンディション作り失敗した時のベルの超高速選別作業!
嗅ぐ時間は6から8秒、持って来て12から14秒!それでも×○○○この年ベルは絶好調だったのに。興奮したまま出してしまった失敗例。

2021年に優勝した時は、落ち着いて作業しています。有りゼロ有りゼロです。

https://youtu.be/ezeZy7RbsfU

ちなみに、先代のベルナとマロンは、Bの素手でした。

今まで観察して、びっくりしたのは「D」の茶漉し!


なぜ使うのですかと質問したら、
犬が鼻を布で覆うのを嫌がって作業にはならないので、
行きついたやり方が茶漉しで、
他の犬はこのやり方ではないそうです。

Eの咥えさせるだけの繰り返しで台にスタートさせる犬も、日本訓練チャンピオンで3位に入賞しています。


なぜそのやり方ですか?と質問したら、先ほどと同じで、鼻先を布で覆うのを嫌がって、作業にならないので、
咥えさせるだけのやり方に行きついたそうです。素手でやっていました。
 このやり方は、時々ハッピー達にも使ってみます。
犬の気分転換!そこそこ正解できるものです。

 B,Eは咥えさせるので、竹本先生はお勧めしないとおっしゃていたやり方になりますが、
Eは犬が鼻先を覆われるのが嫌いな場合のやり方なので、仕方ないと思います。

最後に竹本先生の動画

その2
他の方の選別作業を観察、分析することは、
自分の作業を見直す上で、非常に参考になります。

どの位置に立つか?
1番の位置、5番の位置、真ん中
待機中の態度、
布を受け取る前の犬への意識付け、
布を受け取ってからの、布の扱い方、
犬の鼻先にどのような形で持って行くか。
鼻を覆う方法、
何秒嗅がせるか
何度も嗅がせることもある
スタート前の励まし、意識付け、
スタート時の指示(探せ!、持って来い!)
犬が台に何番から入るか
指導手の立ち方、姿勢、手の位置、手元布の持ち方、犬から手元布が見えるか?見えないか?
戻って来る時の呼び込み方
受け取り方、
誉め方

私からのアドバイス、
手元でしっかり布の臭いを嗅ぐことが一番重要!
指導手が、どうやって、犬にしっかり嗅がせるか?
指導手が、犬がしっかり嗅いでいることを確認しているか?
手元で臭いが取れている時と、取れてない時の犬の作業の違いが見抜けているか?

スタートの立つ位置は1番より少し左(これは犬により変わると思いますが)
犬は1番から入って5番に向かって確認作業をして、1番に戻る確認作業が理想。
ゼロ回答を教える時に、全部を確認させることを教えるためにも、1番から入るのが理想。
ベルは1番から入るように教えることに成功しました。


そのために、立つ位置は1番の左2〜3mの所で、台に着いたら1番から嗅ぐように教えました。
ハッピーも同じように教えたので、ゼロ回答を教えるまでは、
1番から入る作業をしていた。
ゼロ回答訓練用の3つ目の台を右に置いたので、5番から確認するようになってしまった。

競技会によっては、同時進行で隣の台が近いこともあります。
スタートして隣の台に行かないために、スタート位置を隣の台から遠い位置に変えることも、必要になります。
 足場が悪い時、水溜りが有るなど、いつものスタート位置で作業するのが難しい時もあります。
どの位置から出しても同じ作業が出来るように、日頃からスタート位置を変えることも必要です。
 スタート位置が変わることで、選別作業にどんな変化があるのか、変わらない作業が出来るのか、確認しておく事も必要です。

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