竪琴的試写室 aperto!!

お気に入りの映画、忘れたくない映画をレビューしていきます。

ボビー・フィッシャーを探して SEARCHING FOR BOBBY FISCHER '93 米

2001年10月20日 09時19分34秒 | ハ行
監督 スティーブン・ゼイリアン
脚本 スティーブン・ゼイリアン
DATA 原作/フレッド・ウェイツキン MTVムービー・アワード・新人監督賞=スティーブン・ゼイリアン
CAST マックス・ポメランク ジョー・マンテーニャ ジョーン・アレン ベン・キングズレー ローレンス・フィッシュバーン マイケル・ニーレンバーグ デヴィッド・ペイマー ローラ・リニー ウィリアム・H・メイシー ダン・ヘダヤ ロバート・スティーヴンス ハル・スカーディノ トニー・シャルーブ

主人公「ジョシュ」のお父さんが原作を書いた実話です。最初のシーンからしびれちゃいます。ジョシュのナレーション「disappeared…」でビリビリ(笑)。「ボビー・フィッシャー」というのは実在する天才チェス・プレイヤーなのですが、彼の失踪事件に思いを馳せながらジョシュがチェスを通していろんなことを学んでいくお話です。


まずジョシュの目線が◎です。子供の頃って確かにこういう視界だったな・・・って思わせるシーンがたくさんあります。んで妹がもーっっっカワイイっっ!!演技してないんですよ。ホントにそこにいるだけ。素で勝負です(笑)。おとーちゃんもいいです。子供にチェスの才能があると知って右往左往。有頂天に登りつめて一人で盛り上がってしまったり。そいでもっておかーさんが冷静なんです。才能があろうとなかろうと、名声が手にはいろうとなかろうと「人生で一番大切なことは優しさと子供の気持ちを優先させること」というスタンスを1ミリたりとも譲りません。かっこええ!
ジョシュのチェスの才能はふとしたきっかけで芽を出しますが、これを育てた二人のコーチもすごいんです。「守り」の師匠と「攻め」のコーチ。反発しあって我を押し通そうとする2人の大人に対して、どちらにも同じ愛情で応えるジョシュ。なんていい子なの。守りのコーチに「ガンジー」で非暴力を訴えたベン・キングズレー、攻めのコーチに「ティナ」でティナ・ターナーの暴力夫を名演したローレンス・フィッシュバーン。このあたりのキャスティングもうなっちゃいますよね。


優しくてチェスがうまくてただのおりこうさんかと思いきや、とても子供なエピソードも織り込まれていてほっとします。ラストのジョシュの取った行動にはココロの底から拍手を送りたいです。


脚本・監督をしたスティーブン・ゼイリアンですが、彼は脚本家として華々しいキャリアを持っており、「ハンニバル」「ギャング・オブ・ニューヨーク」「ブラックホーク・ダウン」「シビル・アクション」「ミッション:インポッシブル」「今そこにある危機」「シンドラーのリスト」「みんな愛してる」「レナードの朝」「コードネームはファルコン」と、どれもこれもかなり派手な作品、メジャーな作品なのです。反して監督作でこんなに地味で良質なものを見せてくれるなんてうれしくなっちゃいます。この作品ではアカデミー・脚色賞にノミネートされていたのにプレゼンターを務めた、かのカーク・ダグラス氏が名前を読み上げるのを忘れてしまったんです。絶対飲んでたよな、あのオヤジ。顔赤かったし(笑)。それでなんだか妙に頭に残っていて、WOWOWでやったときにすぐに見たんですがすぐさま人生のトップ10入りしました。DVDももちろん買いました。宝物です。

久々レゴで遊びたい度 ★★★★★




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4 コメント

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えがったよ~、、、 (NaYa)
2009-03-11 12:46:46
この映画。

単に「天才」と呼ばれる子供の親子関係だけじゃなく、
ただ単純に、子育ての中で、親として、どのように子供と接するべきか
すごく、すごく考えさせられた。

子供の才能を知って、喜びを隠せないお父さん。
その喜びがだんだんエスカレートして、教育パパごんに成長するけど、
最初から最後までずっと、ジョッシュは「子供らしい子供」だった。
ジョッシュがスランプに陥った時、お父さんはジョッシュを
自分の名声のために利用するのではなく、ジョッシュは
ジョッシュ自身であるべきなんだと悟る。
それからは、チェスもするけど、魚釣りや野球もして、生活を楽しむようになる。

お母さんは、いつも普通に、子供の安全と幸せを考えている。
才能があろうと、なかろうと、ジョッシュは彼ら夫婦の息子。
それに何も変わりはない。

お父さんの気持ちもお母さんの気持ちも、どちらの気持ちもよくわかる。

大人達にしたら、公園で禁じられている賭け事をするホームレスの
浮浪者達が縄張りにしている場所は危険だから、子供など
出入りさせたくないのが本音。
でも、子供のジョッシュにとったら、黒人ホームレスだろうが
正統派のチェスクラブのオーナーだろうが、人間として変わりないのだ。

「天才」と「凡人」。
「有頂天」のお父さんと「冷静」なお母さん。
旅行ばかりの「特殊な生活」と普通の「日常生活」。
職のないホームレスの「黒人」と普通に稼いで生活する「白人」。
「攻め」のチェスと「守り」のチェス。
「秀才を作り上げる教育」と「自然にわき出てくる天才」。

色んな真反対の対比がおもしろく、考えさせられる。

私がこの映画から得たもの。
何事も、ほどよい程度の「緊張と緩和」が大切。
「勉強と遊び」でもいいかな。
「勉強(緊張)」を最も有効に活性化させるのは「遊び(緩和)」があってこそ。

またまた、いい映画を紹介してくれて、ありがとうね!
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いいでしょいいでしょっ!! (竪琴(管理人))
2009-03-11 18:17:44
「緊張と緩和」かぁ。どっちも大切だよねー。

わたしは「気づくことの大切さ」みたいなものを感じたな。
ジョシュみたいな無垢なコの存在が、周りの大人たちを浄化して行く気がしてすぅーっとしました。

最近では「リトル・ミス・サンシャイン」を観ているときに同じ印象を受けました。
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Unknown (NaYa)
2009-03-12 09:41:31
あの純粋無垢な瞳がいいよね。
裏表のない、計算のない、子供のまなざし。
大人はいつからあの表情を忘れちゃうんだろうねぇ・・?
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忘れてるだけ (竪琴(管理人))
2009-03-12 23:10:54
忘れてるだけだから、きっといつまでも持っているはずなんだよ!・・・と信じたいよ(笑)
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