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薬学の勧め

薬学に興味のある方,医薬品の研究者,医療人、薬剤師を目指す方へ

覚悟の違い

2006年01月28日 21時08分40秒 | 薬剤師への道
試験期間中、眠くなると眠気を覚ますためにいろいろ
工夫してみたりしますが、私の場合、テレビをつける
となんとか、眠気が治まります。

おかげで、試験期間中は深夜の特別番組を見ることが
出来ました。
(いつも10時に寝て、3時か4時に起きる生活なので。)

その中から、特に感動を受けた二つの番組をご紹介。

一つはNHKで放送された心臓外科医のお話。

「自分はエリートではなかったから、必死に努力した。」
とおっしゃる先生。国内屈指の技術を持つ方で、海外
からも先生の手術を受けに患者が訪れるほどです。

先生は心臓の外科手術を学ぶため、当時珍しかった海外
留学を決意、世界的な心臓外科医のもとに何度も訪れて
弟子にしてもらいます。

しかし、初めての患者を死なせてしまったことで、手術
に対する考え方が大きく変わります。

必死に勉強し、患者のために必死に努力したそうです。

毎年、先生の下にはたくさんの研修医が弟子入りしてい
ますが、そのほとんどが修行をやめてしまうそうです。

先生は弟子の医師に全く手術をさせず、徹底的に術後の
患者のケアをやらせます。

手術は見せても、あまり教えることもしないようです。

しかし、弟子の医師たちはノートにびっしりと先生の
手術の術式を書き込んで、何度も復習して必死に身に
着けようと努力します。

そして、8年ほど過ぎたある日、突然「今日手術やって。」
といわれるのです。

外科医として、一日も早く手術を手がけたいと努力される
弟子の医師ですが、いざ「手術やって」といわれると、
真っ青になっていらっしゃいました。

もちろん、先生が万全の体制でサポートされるのですが、
人にメスを入れることの意味を、本当に理解したものに
しか手術をさせないという、先生の方針に感動しました。

また、そんな先生に必死でついて行こうとする医師たちに
感動しました。

先生が弟子時代に師匠の先生からいただいた言葉がすばらしい。

「医師として、一番簡単なことは論文を書くことだ。
 次に簡単なことは、手術をすることだ。
 一番大変なのは、後輩を育てることだ。」

すばらしい医師はすばらしい医師の下で育てられるのですね。


次に見た番組は、研修医の活躍を描いたもの。

現在、国家試験に合格した新人の医師は、2年間の研修を
受けなければならないことになっています。

以前は、出身の大学で研修する医師が多く、当たり前のよう
に自分の出身大学で研修していたそうですが、現在では
約半分以上の医師が出身大学以外の病院での研修を希望
しているそうです。

特に、プライマリーケアの技術を身につけたいと願う医師
が多いようです。理由は、大学では専門分野での技術は身に
付けられるが、どんな症状で来たのか分からない患者を
診て、診断できないということからだそうです。

その点、町のお医者様にはいろんな患者がやってくる。

緊急を要するのか、ゆっくり休めばいいのか、瞬時に判断
する必要があります。

そんな修行をしている研修医。その研修医の最初の患者は
末期癌の患者でした。

自宅での療養を希望する患者ですが、なかなか容態が落ち
着きません。

痴呆の症状も進んでいる様子。

そんな患者の手を握り、顔をぎりぎりまで近づけて話をし
ます。

どうやってご飯を食べられるようにするか?
搬送方法は?
おなかの張りをとるには?

本当に親身になって考えていらっしゃいました。

他にもたくさんの研修医が登場していましたが、みなさん
本当に真剣そのもの。

まさに戦場のような現場で、必死に努力していらっしゃ
いました。

こんな医師が今後たくさん増えてくると思うと、本当に
日本の医療は今よりもっと良くなる、そんな感じがしました。


そんな医師たちを見たところで、私も含めて薬学部の学生たち
はどうだろう?と思いました。

戦場のような現場で、本当にこんな医師たちと働いていけるの
だろうか?


研究室で一緒になった同級生にこの話をすると、「結局、覚悟の
違い、かな?」という反応が返ってきました。

そう!私もそう思いました。

もともと彼は医師を目指して浪人していたのですが、結局薬学部
への進路を決めました。

今では、医師でなくても患者のために出来ることがある、と考える
ようになったそうです。


薬学部にも彼のように考える学生がいたことに、本当にうれしく
思いました。

あと一年間、一緒にがんばろう。

そして、患者にとって良き医療人になりましょう。

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後期試験終了!

2006年01月25日 16時55分20秒 | 薬剤師への道
長かった後期試験が終わりました。

いや本当に長かった。

そのため?途中で完全に緊張の糸が「ぷつり」と切れて
しまい、最後は何でもいいから早く終わって欲しい、
なんて気持ちになったりしました。

薬学部の授業で、最大の難関がとりあえず終了しました。

この一ヶ月の平均睡眠時間は5時間(寝すぎ?)、試験中
の平均睡眠時間は3時間ってところでしょうか。

だんだんその生活に慣れるから不思議。

でも、だんだん壊れてくるのも感じました。

今夜はゆっくり寝たいところですが、バイトに行ってきます。


勉強していると、色々やりたかったことが出てきます。

ブログに書きたかったこともたくさんあるし。

見たかった映画も、読みたかった本もある。

そして、個人的に勉強したかったこともやろう。

不思議と今は真っ白で何も考えられないですが。

迷惑かけた家族に、チョットはサービスもしなけ
ればなりませんね。

とりあえず、今夜はビールが飲めるかな。

あと一ヶ月したら病院実習です。


とりあえず、ゆっくり寝よう。

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新年と初日の出

2006年01月01日 22時50分34秒 | 薬剤師への道
新年明けましておめでとうございます。
(休業宣言していましたが、新年のご挨拶です。)

いよいよ勝負の年が始まりました。

昨年もいろんなことがありましたね。

皆さんにとって、今年は(も?)良い年でありますように、
心よりお祈りいたします。

今朝は、久しぶりに見事な初日の出を見ることができました。

家族そろって新年を迎えられ、本当に幸せだと思います。


昨年は私の人生にとって、大きな変化がありました。

明確な目標を見つけることができたのです。

もちろん、薬剤師になるという目標はありましたが、どんな
薬剤師になりたいか(ならなければならないか)ということ
が解ってきたのです。

解ってきたというのは変な表現ですが、本当にそんな感じです。


昨年、私に影響を与えたキーワードをご紹介しますと、

1.薬剤師の仕事は患者の安全を守ることである。
2.老人医療への取り組み。
3.神経疾患研究への取り組み。
4.在宅医療の推進。
5.患者接遇。
6.痛みを我慢させてはいけない。

(他にもあったのですが、思い出したときに追加します。)

いろいろやりたいことはあるのですが、とにかく目の前の
試験を全力でクリアーしなければいけませんね。

あと一年、私たちにとって本当に勝負の年となります。

皆さん、国試に向けて最後までがんばりましょう!


ちなみに、久々年末の紅白歌合戦をゆっくり楽しみました。

個人的には、仮面ライダー響鬼(ヒビキ)が登場したことが
本当にうれしかったです。

主題歌の「少年よ」(布施明)は私が大好きな曲で、この曲
が流れるだけで、うるうるしてしまうほどです。

紅白で皆さんに聞いていただけただけでもうれしい。

本当にいい歌なんですよ~。
(ほとんどの人にはドン引きされるのですが・・・。)

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薬剤師職能論2(薬剤師の使命)

2005年12月17日 07時19分12秒 | 薬剤師への道
またもや薬剤師職能論から、病院薬剤師の使命と業務に
ついてご紹介です。

その前に、薬剤部長でもあられる、医療薬剤学の先生の
お言葉をご紹介。

「薬剤師は患者の病気を治そうと考えても、行き詰るだけ
である。病気や怪我を治すのは医師の仕事で、患者の安全
性を確保することが薬剤師の使命である。薬剤師は医師と
同じ仕事をするのではなく、TDMや副作用のプレアボイド
など、自分の得意分野で患者に貢献するべきである。」

なるほど、実際の現場で働かれている先生の、実に的を得た
お言葉だと思いました。

薬剤師の最大の使命は、患者の安全性を確保すること。

本当に私の目からウロコが落ちました。

薬理系の先生方からは、医薬品の効能・効果を医師以上に頭
に入れておかなければならない、なんて言われていましたの
で、本当にできるのだろうか?と不安に思っていました。

しかし、先生のこのお言葉のおかげで、薬剤師の使命を私の
中で「理解」することができました。

医師や看護士と張り合う必要は全くない、薬剤師にはその前に
やるべき使命があったのです。

さて、薬剤師職能論から、病院でよく見かける副作用とその対
処法のご紹介。

1.強心配糖体:徐脈、食欲不振。しかし、脈は取れないので、
看護士さんにお願いする。薬物血中濃度をもとに用量の再設定。

食欲なんて、日常会話のような情報の中に副作用情報が隠れて
いることに注意しなければ、と思いました。

2.テオフィリン:動悸、食欲不振。胸がどきどきしないか、食
欲はあるか、確認。薬物血中濃度をもとに用量の再設定。

3.β刺激薬:動悸、振戦、これも同上。用量や投与経路の変更も。
しかし、副作用は抑えつつも、主症状も抑えなければ意味がない。

実は以前β-刺激薬の研究をしていて、自分の体で過量投与を経
験しています。指先が震えて、明らかに動悸がしました。
細かな仕事だけでなく、日常の動作も不便に感じました。

4.硝酸薬:頭痛。減量または他の薬に変更。脳の血管も広げるた
め痛みが生じるとのこと。2回/1日の製剤から、3回/1日の製剤
に変更することで解消した症例もある。

5.輸液:電解質代謝異常症:急性腸炎による入院、脱水症状のた
めに高Na血症となる。通常電解質開始液を用いるがすぐに低K血症
が生じる(カリウムフリーのため)。→電解質維持液に変更する。

なんで開始液にはカリウムが入っていないのでしょう?
勉強不足です。

6.抗がん剤:必ず副作用がある。悪心、嘔吐→放置すると慢性化
するので制吐剤を予防投与、下痢→細菌性ではないので止瀉、口内
炎→発現すると食欲不振、QOLの低下となるため含嗽剤を予防投与、
氷で口の中を冷やすなど、白血球減少→風邪に注意。

どれも投与日から1週間以内に必ず現れるので、注意が必要。逆に
注意すればある程度回避できる副作用もあることが重要。

7.モルヒネ:吐き気、便秘、かゆみ→制吐剤や緩下剤、かゆみ止
めが一緒に処方されているか確認する。

どれもこれも、病棟のカウンセリングで発見できるものばかりです。
また、注意すれば回避できるものも多い。

これこそ薬剤師の使命なんだと感じます。

薬剤師の仕事は、患者の安全性を確保すること。

私の人生語録の一つとなりました。


最後に先生自らの口腔底癌の闘病記をご紹介。

貴重な闘病体験で、いろんな薬剤を試す機会を得たとのこと。

そのときに感じたこと。

1.痛み止めは痛む前に飲む。患者には痛みを我慢させてはいけない。

2.大腸造影検査の肉体的、精神的苦痛。医学的には必須の作業であ
るが、かなりの苦痛を伴うということを知っておくべき。

3.医師や看護師の献身的な働き。薬剤師だけがサラリーマン感覚では
受け入れられるはずがない。医師は朝7時に回診して9時から外来、17
時に午後の回診をして19時からカンファレンス。いったい何時休んでい
るんだろう、と思うくらいに働いている。

4.白衣高血圧。医師の前で患者は緊張するもの、「前に言ったでしょ」
は通用しない。何度でも確認すること。


まとめとして、
患者にやさしい薬剤師とは、患者の薬学的問題を解決できる薬剤師である。
しかしながら、知っていることとできることは違う。医療行為の目的や意
味を知った上での接遇が必要である。

とのことでした。

病院実習も目の前です。その前に期末試験もあります。

時間はなくても、勉強することは山ほどあります。

とにかく今は、目の前の課題を全力でこなしてゆくのみです。

というわけで、期末試験1ヶ月前。試験までブログはお休みすることにいた
します。


皆さん、期末試験もがんばりましょう!。
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セルフメディケーション?

2005年12月15日 05時33分53秒 | 薬剤師への道
今思えば、私の祖母は生薬オタクでした。

私の家には薬研(やげん)があって、今でもたまに親父が
使ってたりします。

私が生まれ育ったところは田舎の真ん中で、あたりには
様々な薬草が繁殖していました。

そんなド田舎のセルフメディケーション?をご紹介。

しかし、決してお勧めできませんが・・・。


まず、風邪をひいたらおろした生姜と焼酎をハンカチに包み、
のどに巻きます。

ネギや日本酒を巻いたり、これは各地でいろいろありますね。

また、馬の脂身を買ってきて大きななべで熱し、馬油を抽出
していました。

これは火傷や霜焼け、グローブのお手入れに活躍していました。

馬油は普通に売っていますよね。

アロエは虫歯や火傷に塗られていました。

これがたまらなく苦い。

思えば、祖母は平気でかじっていました。


魚の目にはヨモギを乾燥させて作った、自家製のお灸を置きます。

はじめはかなり熱いのですが、2週間くらいでポロッととれます。

本当に見事な取れっぷり。

胃が痛いとき、食欲がなかったり、胃腸の調子が悪いときにはヒ
キオコシを乾燥させて粉にしたものを飲みます。

これも本当に苦い。

今でも、私ら夫婦の胃腸薬として使っています。

嫁は特にお気に入り。苦ければ苦いほどいいそうです。

確かに、本当に苦くて胃腸が動き出す感じがします。


また、私の家には火鉢があって、いつもやかんに煎じ薬が入って
いました。

中身は、ドクダミ、カンゾウ、クロモジ、アキグミです。

これも嫁のお気に入りで、たまに作って飲んでます。
(最近やってないなあ~。)

何にでも効くからと、祖母に無理やり毎日飲まされていました。

飲むと、急に用を催すので不思議。

味もまあまあいけます。


捻挫すると、茶色の膏薬を布に塗って、患部に貼って包帯で巻い
ていました。

翌日には完全に乾燥して、かなり腫れが退いていました。

本当に良く効いていたのでお気に入りでしたが、中身は解りません。

今思えば、シナモンのような匂いがしていた気がします。

聞いておけばよかった(残念)。


虫刺されが化膿したら、蜘蛛の卵(綿状の)を絆創膏で貼り付け
ます。

膿を吸い出してくれるとか。

今思えば、かなり無茶です。


私の家ではミツバチも飼っていて、自家製の蜂蜜も取れていました。

しかし、よく蜂に刺されて泣いてました。

祖母はションベンをつけておけ、といっていましたが、さすがに
アンモニア水をつけていました。

医学的には効果はないそうですが、つけないとかなり腫れてました。

ちなみに、蜂といえばスズメバチの幼虫は本当においしい。

自然界にスズメバチの天敵はいないそうですが、私の親父がスズメ
バチの天敵です。

不運にも親父に発見されたスズメバチの巣は、我が家のご馳走に変
わっていました。

嫁は決して口にしませんでしたが、本当にうまいのです。

今でも、蜂の巣を見るとうまそうと思ってしまいます。

でも、必ず火を通して食べてください。

生だと、ひどく当たります。


どれもこれもお勧めできるものではないですが、ちょっとした
ことは家庭で何とかする、という祖母の姿勢は見習いたいと
思います。

以上、ド田舎のセルフメディケーション?でした。

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アナフィラキシー

2005年12月07日 21時52分02秒 | 薬剤師への道
薬剤師を目指す私にとっては、大変ショッキングな記事でした。

身が引き締まる思いです。

以下、共同通信他のコピーです。

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アレルギー歴見逃し薬剤を点滴し、患者死亡。大阪府警が捜査

 大阪府立成人病センター(大阪市)は7日、薬剤アレルギー
がある大阪府の60代の男性患者に誤って同じ薬剤成分を含む
解熱剤を点滴する医療ミスが昨年12月にあり、男性が急激な
ショック状態(アナフィラキシーショック)を起こして死亡し
たと発表した。
 同センターによると、男性患者は昨年12月中旬、狭心症の治
療のため入院し、手術を受けた。患者は男性主治医(41)にピ
リン薬剤アレルギーがあると申告していたという。
 しかし、主治医は入院中に高熱を出した男性患者に対して、
別の患者を診察していたため、男性患者のカルテを確認せず、
ピリン系解熱剤のスルピリンの点滴投与を看護師に指示したと
いう。点滴投与は2日間で計3回行われ、3回目の点滴終了後に容
体が悪化し、死亡した。 
 同センターは男性死亡後、死因不明として府警に届ける一方、
遺族には「点滴投与と死亡に因果関係はない」と説明していた。
しかし、今年11月に判明した府警の司法解剖の結果、アナフ
ィラキシーショックと確認され、同センターが再調査し因果関
係を認めた。
(共同通信) - 12月7日19時27分更新

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ライフワーク

2005年12月02日 22時09分09秒 | 薬剤師への道
授業の合間、珍しく?私の携帯に電話がかかって
きました。

はて?嫁さんか保育園か?
それ以外の着信履歴がありません。

見ると見たことも無い電話番号です。

もしもし、yakutamaです。

すると女性の声。

はて?何かの勧誘か?

「研究室の○○です。先生から論文を預かってます
ので、取りに来てください。」

!驚いた。

なんで、携帯電話番号を知ってらっしゃるのでしょ
うか。
とにかく昼休みに急いで先生の部屋を訪ねます。

あいにく先生は留守。
論文を頂戴して、早々に退散します。

アブストを見ると、先生の最新の論文でした。
全文英語です。

すごい、こんなの戴いていいのでしょうか。

英語なので時間がかかりますが、じっくり目を
通したいと思います。


ところで、研究に多大の関心を寄せる私ですが、
卒業後は就職しなければなりません。

進学して、ここで研究のお手伝いをすることは無
理です。

たくさんの借金と家族がいます。

しかし、研究は続けたいと思っています。

高価な実験器具は必要ありません。

可能な限り論文に目を通す(どこでも出来ます)。
可能な限り患者さまに接する(薬剤師として普通
のことです)。

そして必死に考える。

できれば、疫学的なデータを集めたりしてみたいと
思っています。
(できれば神経内科のある病院に勤めたいですね。)

まあ、夢(妄想?)ですが、全然無理な話ではあり
ません。

ゆわゆる、「ライフワーク」です。

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臨床医学概論-救急

2005年11月14日 22時46分06秒 | 薬剤師への道
久し振りの臨床医学概論から、ご紹介です。

まず、しょっぱなからご説教をいただきました。仕方があり
ません、学生がうるさかったから。

「しゃべるのなら、今すぐ帰れ。でなければ、もう少し大人
になれ。そんなことでは、医療の現場で大変なことになる。

せっかく薬学部が6年制になっても、薬剤師の権限は広くな
らない。なぜなら、責任感が無いからだ。責任感がない人間
に権限を与えられるはずがない。

医者の使いっ走りをやらされ続けるのであれば構わないが、
そうでないのなら、もっと責任感を持って欲しい。」

おっしゃるとおり、責任感を持つ以外に薬剤師の権限を広げ
る方法はありません。
(もちろん先に法律ありきですが。あくまで精神論です。)

かえって、権限(責任)を広げられると、困ってしまう人も
多いのでは?
(先に法律で無理やり責任を押し付けてしまうのもいいかも
しれませんね。)

そんな、神経内科医の先生の講義でした。


診療内科医というより、救急外来で運ばれてきた患者は意識
がないことが多く、ちょくちょく呼ばれてしまうとのこと。

ちなみに、意識があるとは覚醒状態であり、周りからの刺激
に反応できることである。

さらに、脳死と植物状態は全く違い、脳死の患者から移植は
出来るが、植物状態の患者から移植したら殺人である。
(知りませんでした。)

脳死は脳幹死であり、植物状態は大脳皮質の障害である。
特に、外傷性の植物状態は快復する例が多いそうである。

では、脳幹の死を判断するには?
1.中脳:対光反射の有無(虹彩の反射。)
2.橋:角膜反射の有無(角膜を触ると反射的に瞼が動く。)
3.延髄:咽頭反射の有無(気管を押し付けると咳が出る。)

求心性の刺激は延髄、橋、中脳と伝わり、脳幹網様賦活系、
視床から大脳辺縁系へと伝わる。

これが遮断される。

法律的にはカロリックテストが実施される。

これは片方の耳に冷水や温水を入れることで、眼球の向きを変
えることができる試験で、脳死に近い患者では全く反応しない。

健常者がやると、強烈なめまいが襲う。
(ちなみに、私は前庭神経炎になったことがあるのですが、本
当にものすごいめまいがします。あんな感じらしい。)

その他、瞳孔が完全に開き、対光反射が見られず、眼球運動が
無く、眼瞼下垂がある場合、くも膜下出血を疑う。

では、同様の症状で、虹彩が完全に閉じている(縮瞳)場合は?
(テストに出たらしい。えぐい。)

実は年齢で原因が大きく分かれるらしい。
若年:路上に倒れていて、縮瞳。→麻薬中毒者
中年:仕事中に倒れた。→橋出血(対光反射あり)
老年:少しボケあり。→神経梅毒

実際の医師の統計なので仕方がないですが、結構強烈な分類です。
穏やかな口調で、とんでもないことを話されるなあ。

また、他のバイタルサイン、特に呼吸。
1.2~3分周期で呼吸が大きくなったり小さくなったり。→大脳
半球の一部が障害(チェーンストークス呼吸)。案外軽度。
2.深くて早い呼吸。→中脳下部~橋上部被蓋の障害
3.リズムが狂った呼吸。→橋下部~延髄上部被蓋の障害。重症。

ちなみに、1.のような呼吸で、間隔が1分以内の場合、非常に重
症で翌日には亡くなるとのこと。

その他の意識障害の識別。

臭い(口臭)。
アルコール臭→アルコール中毒。
アセトン臭→糖尿病性昏睡
アンモニア臭→尿毒症
ネズミ臭→肝性昏睡

耳からの出血、湿潤液。
頭蓋底骨折による髄液の漏出の疑い→見分け方、糖尿検査用のテス
テープで糖分の有無を調べる。髄液には60%近いグルコースが含
まれるため。

痛みに対する反射の有無。
ペン2本で指先をはさむ。激痛!。

昏睡の評価スケールにJapan coma scale とGlasgow coma scaleがあ
る。
Glasgow coma scaleで1桁の評価がでた場合、かなり深刻。6から8
が境界だそうです。

また、麻痺の診断で、は麻痺した側の足が真横を向いているとか、そ
のとき頭は足と反対の方向を見ている場合、頭頂葉の障害がある、とか、
上向きに寝て、手を顔の上に引き伸ばし、突然放したときに手が顔面に
当たるかどうかとか、ひざを曲げて立てられないとかを見る。

ちなみに、半身麻痺で訪れる若い女性の殆どは、ヒステリーが原因で、
顔面に手が落ちないとか、横向きに寝かせると目が必ず下を向くそう
です。また、両目が上下になってくるヒステリーの患者もいるらしい。

また、失神で訪れる患者の5分の一は血管迷走神経反射によるもので、
つまり、びっくりしたとき、極度に興奮した時に血管が開き、脳血流が
低下して失神するそうです。

また、正月の2、3日には餅を喉に詰まらせる方がたくさん運ばれて来
ますが、その多くは30代から50代の男性。

昼間から完全に酔って、その勢いで餅を食べ、喉に詰まらせるようです。

人事ではないので、みなさん、気をつけましょう。

以上、神経内科医の救急外来に関するお話でした。

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患者への接遇の技術

2005年11月10日 14時14分19秒 | 薬剤師への道
もと看護士の先生による薬剤師職能論の続きです。

ポイントをかいつまんでご紹介させていただきます。

患者の状態に応じた接遇を行う。
・患者の性格:病気によって性格は変貌する。
・患者の心理状態:病気をどう捉えているか確認する。
・患者の病状:緊急かどうか判断する。

また、患者様とのトラブルがあっても、自分だけが悪い
と思い込まない、自分ひとりで抱え込まず、周囲のスタ
ッフと相談することが大切である、とのこと。


これは↓患者様はこんなタイプに分けられる、というもの
ではなく、接遇に際して予め知っておくと安心、という
程度のもです。

8つの患者のタイプと対応のポイント。

うるさ型:気難しく、ちょっとした言葉遣いや態度に
 敏感に反応するので、特に言葉遣いに注意する。
直情型:お天気屋で聞く耳を持たず、感情が爆発しが
 ちなので態度や言葉遣いに気をつける。
高慢型:大声でいばりん坊なので、言いたいだけ言わ
 せるのがコツ。
独善型:世間が狭く向こう気が強いので、一歩退いて
 気長に自分のペースに持ってゆく。
優柔不断型:決断力が鈍く、引っ込み思案なので、不
 足している点をカバーする。
社交型:人をそらさせない反面、気を許して調子を合
 わせるとしっぺ返しを食らう。
沈黙型:理詰めで冷静に攻めてくるので、根拠がある
 適切な応答が要求される。
快活型:グズグズを嫌うため、手際よく応対・処理す
 る。

この中でも、特に優柔不断型に注意しなければならない
そうで、自分で決められないため、医師や薬剤師の言う
通りに行動するが、結果が良くなかった場合に、医療訴
訟になる可能性があるそうです。

そのため、治療方針は患者様に決めてもらわなければな
らないそうです。

また、社交型の患者様は話に夢中になって、医療人の都
合を考えてくれないので、あわせすぎないように注意する
のだそうです。

患者さまに限らず、世の中にもたくさんいらっしゃいま
すよね。


医療過誤訴訟での請求原因のパターン。
①診断の誤り
②治療手段選択の誤り
③治療手段自体の誤り
④説明義務違反(説明不足)

ところが、実態は「医療スタッフとのコミュニケーション
トラブル過程における不信感」こそが、ほとんどすべての
トラブルかつ言い分の根源になっている、ということでした。

「診断や治療の適否」や「説明不足」は感情的なトラブルに
なって初めて出てくる二次的な問題である、ということです。

つまり、コミュニケーションを大切にしていれば、医療訴訟
の大部分は防ぐことが出来るはず、ということです。

弁護士の先生に言わせると、医療紛争をゼロにするためには
患者が安心できること、患者を安心にさせることが最も重要
であり、医療スタッフはインフォームドコンセントに際して
「説明義務」を越えて「安心義務」を果たすという意識が必要
である、とのことでした。

患者様が「安心できた」「満足できた」ことが、医療紛争を防ぐ
第一かつ最大最終の目的である、とのことでした。


患者の苦情処理のコツ
・売られた喧嘩は買わない。災いを福に転じるつもりになる。
・患者の心の中にある不満を思い切り吐き出させる。
・相手が言い終えて冷静になったところで、こちらの言い分
を穏やかな口調で率直に話す。相手の勘違いや無理解が原因
でも、相手を攻撃する態度はなるべくさける。

だそうです。

長年、ある空手の道場で「売られた喧嘩は買え、買ったら絶
対にまけてはならん!」と教えられていましたので、本当に
実行できるか甚だ不安ですが・・・。
(いえいえ、絶対に買ってはいけません。)

みなさん、頑張りましょう。

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癒者になる。(Dr.コトーより)

2005年11月06日 13時36分29秒 | 薬剤師への道
大好きなDr.コトーを久し振りにまとめ買いし、読みまくりま
した。

またまた感動。

ブラックジャックばりのミラクルなお話が多いのですが、離島
医療だけでなく、医療全般に関係した問題が鋭く描かれています。

その中(14巻~17巻)に印象的な台詞がありましたのでご紹介し
ます。

詳しくは買って読んでください。

「医者の表情一つで癒される人、不安になる人がいるんです。・・
・・・先生にはいつも『癒者(いしゃ)』でいて欲しいんです。」


「僕はあの時誓ったんだ。病気を見ずに病人を診る。人が人を治す
んだって。」


「わしは。『他人のため』、『島民のため』などとぬかしながら、
結局、自分の正義感を満たすため、『自分のため』だけにしか
生きちゃこなかった。家族のことを何一つ顧みず、自分のエゴ
だけでこの診療所をやってきた。親の気持ちもわからんバカモ
ンが、『他人のため』などと言う資格はない。」


「医者は、痛みの原因がわからない時、患者に『痛くないハズだ』
なんていいます。でも、患者が『痛い』と言えば・・・それはやっぱ
り痛いんですよ。」

その他、感動のシーンが沢山有りました。

なるほど、私は医者にはなれませんが、癒者にはなれるかも知れな
い。

カウンセリングだけで出来ることは本当に限られていますが、癒者
になれるよう、頑張らねばなりませんね。

何事も、努力次第ですね。

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