たた&にせ猫さんの備忘録

―演劇、映画、展覧会、本などなど、思うままに―

『家プロジェクト』 直島

2018年06月19日 | 日記
     『家プロジェクト』 直島

  本村地区にある空き家となっていた古い民家を改修し、アーティストが空間そのものを作品化。6+1軒(ぎんざは完全予約制、別料金)。

  本村ラウンジ&アーカイブでチケットを購入でき、6軒回れます。駐輪スペースがあり、自転車を止めて、徒歩で移動します。

  私たちは護王神社以外、5軒をめぐりました。共通チケットに入場するとスタンプが押されます。
  角屋/宮島達男は居間と思しきスペース一杯に、四角く低く水が張られ、その中に125個配置されたデジタルカウンターが決められたスピードで動いている作品(Sea of Time ’98)がメイン。

  南寺/ジェームズ・タレル 安藤忠雄設計の木造建築内にあるタレルの作品。暗闇の中で時代に光が見えてくる体験そのものを作品化。15分ごとの入れ替え制。
  一度に7人ほど?(記憶が曖昧です)入れます。さすがに一度目には入ることができず、次の回でした。地中美術館のタレル作品もですが、一度に入場できる人数が限られているので、オンシーズンは結構待つのでは(混雑時には整理券が配られるようです)。
  暗い空間に、係りの方の誘導で壁伝いに進み、椅子に座っていると、周囲が徐々に見えてくるという、暗順応を利用した仕掛けです。暗闇の中にいると少し眠くなって目をつぶっていたせいで暗順応が早く進んだのか、にせ猫さんはまだ何も見えてないようなのに、人影が見えてきました。入った時と同じ明るさだけれど、目が慣れると見えてくるという。
  信貴山で胎内くぐりをした時を思い出しました。
  暗順応は明順応より時間がかかるので、15分の入れ替え制になっていると納得。ただ、同じタレルの作品としたら、地中美術館の青い空間の方が、それこそ、どう作ったのだろうとネタバレがなくて、個人的にはすごい感が一段上の印象。

  石橋/千住博 千住博が描いた襖絵がメイン。庭、蔵の中の作品も。

  碁会所/須田悦弘 畳の上に椿の花が置かれています。

  はいしゃ/大竹伸朗 建物に配線部品や鉄塔など様々なものを取り付け、壁や床にペインティングやコラージュを施すことで「夢の記憶」をめぐるプロセスを形にしようとしているということですが、なんといっても一階天井を突き抜けておかれている自由の女神像、楽しいです。

  護王神社は少し歩くので、さすがに疲れて、家プロジェクトを終了し、自転車で港に戻り、レンタル自転車も返却。

  つつじ荘から地中美術館は坂が急でとても無理としても、港からつつじ荘までも何回か、なだらかとはいえ坂があり、電動機付自転車で大正解でした。混雑時には予約していくと良いのでは。

  梅雨入り前、夏休み前でそれほど混んではなかったですが、外国人観光客がとても多く、いろんな国から来ておられる様子。日本人観光客も若い方が多かったです。

  さて船の出航まで海の駅でお土産を購入。瀬戸内海の塩を使ったというおせんべいやおまんじゅうなど。

  船で宇野港に戻り、鉄道で岡山に。さすがに疲れて、岡山らしい夕食を歩き回る元気がなく、駅ビルで食事。岡山グルメ、しそこないました。

  さて次の日、最初の予定では豊島に行こうと話していたのですが、豊島で行ってみたい心臓音のアーカイブが港から離れていること、島内での移動手段が限られていること、更に帰りの船と電車の連絡が悪く-船便が1時間半から2時間に1便しかないのに、更に戻ってきて1時間に1本しか出ていない鉄道との連絡が5分ぐらいの違いで乗れない-という、あまりのことに心折れ、疲れもあって早々に帰ることに。

  直島はベネッセハウスもあって無料バスが結構出ているけれど、豊島は島内のバス便も少なく、なかなか厳しい。観光しやすくなるとよいのにと、ちょっと残念。


 倉敷と直島旅行で珍しくブログを8つアップできた。少し時間がたっているので、記憶がちょっと曖昧。直島に行かれる方は各美術館のホームページを参考にされるとよいのでは。写真もきれいです。
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『ANDO MUSEUM』 直島

2018年06月19日 | 日記
     『ANDO MUSEUM』

  つつじ荘で自転車に乗り換え、さわやかな天気の中走っていると、また少し元気を回復したようで、本村地区の家プロジェクトを目指します。
  ANDO MUSEUMは家プロジェクトの一角にありました。

  古民家の外観を保ちながら内部はコンクリートの空間。直島での設計作品の模型の他、住吉の長屋、光の教会の設計模型もあります。
  昨年国立新美術館で大規模な『安藤忠雄展 挑戦』を見たばかりなので、さらっと見るという感じでしょうか。

  追記:昨年の『安藤忠雄展 挑戦』国立新美術館 2017年9月27日水→12月18日月のブログ11.2の一部を再掲してみました。
  建築模型、設計図、ドローイングなど多彩な設計資料、代表作「光の教会」を原寸大で野外展示。2008年、東京乃木坂のギャラリー・間で、安藤忠雄氏の建築展「挑戦―原点から―」があり、その際「住吉の長屋」が原寸大で再現されたのを見に行ったことがある。今回も住吉の長屋の模型が出ていた。今回、住んでおられる方の感想が寄せられていたが、住みやすいといいがたい建物と格闘しながら、愛着を持ち住み続けておられる。他の邸宅の方も、いろんな不便(寒かったり)はあるものの、愛着と満足度の高い住宅になっておられるよう。
  いろんなプロジェクトの模型、規模が大きく、美しい。…「光の教会」の原寸大展示。光の入りが美しい。その場で見るよりも、写真映りの良い印象。外に開かれているから、結構寒い教会。安藤さんの建築はとても印象的で、美しいが、利便性とかは二の次なのかと思ったり…。

  桜の植栽活動など、建物と周囲の在り方への配慮もbig nameだからできるところもあるだろうし、どんどん発信されるとよいなあと。建築に関心のある方には魅力的な大規模展。

  ボクサーから転身し、独学で建築を学んだとのことだが、旅行のデッサンなども正確で、直観像記憶のある方なのかしらなど想像。2008年に『建築家 安藤忠雄』安藤忠雄著(講談社)自伝が出ていて、子供の頃の双子の弟さんとの写真、ボクサー時の写真なども掲載されている。
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『ベネッセハウスミュージアム』 直島

2018年06月19日 | 日記
     『ベネッセハウスミュージアム』 直島

  -ベネッセハウスミュージアムは直島の南部の丘上に位置する、美術館とホテルの一体型施設で、安藤忠雄が設計。1992年に「自然・建築・アートの共生」をコンセプトに開設された。美術館は収蔵作品の展示の他、多彩なアーティストによる、その場のために制作されたサイトスぺシフィック・ワークsite-specific worksが設置されており、自然とアートと建築が融合する稀有な場を作り出している。-

  作品数が多くて、どれが好みだったかというのがなかなかむつかしい。大きな作品が多く、広い空間にそれぞれに個性的に設置されている。

  ヤニス・クラリスの「無題」は存在感が、ジョナサン・ポロフスキー「3人のおしゃべりする人」は何とはなくおかしいし、あれこれ楽しめる作品が一杯。入場時にいただいたチラシを置き忘れたので、記憶が曖昧。再交付してほしいと希望したら、入場券と一体なので、ダメと言われてしまいました。

  さてさて、さすがに疲れ、集中力も切れ、ミュージアムカフェで昼食。日本料理店の方は予約で満席とのことで、カフェの方に。平日なのに結構込んでいます。イカ墨のパスタをいただきました。レストランからも屋外の作品を楽しむことができ、のんびりしたいところですが、席待ちの方がいらっしゃるので長居せずに移動。

  さすがに疲れて、自転車を置いたつつじ荘まではバスを利用しました。
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『文化大混浴 直島のためのプロジェクト』 直島

2018年06月19日 | 日記
     『文化大混浴 直島のためのプロジェクト』 直島

  李禹煥美術館からベネッセハウスミュージアムを目指して、ふらふら歩いていると、脇の小径の坂を下りたところに、オブジェの一群が見えてきて、降りてみることに。

  それが蔡國強氏の『文化大混浴 直島のためのプロジェクト』という作品でした。
  海辺の広場に置かれたジャグジーバスに入るというアートだそうですが、そのあたりの前知識はなかったので、大きな石が林立する不思議な空間で、なかなか迫力がありました。
  何か楽しい。風水的に直島で最も「気」の集まる場所だそうで、それで楽しかったのかな?

  バス停とバス停の間の作品なので、歩いてないと気付かなかったと思うので、ふらふら歩きがよかった。
  ちなみに、石は大小36個の太湖石で、中国蘇州付近にある太湖周辺の丘陵から切り出される穴の多い複雑な形の奇石だそうです。

  この作品はベネッセハウスミュージアムの作品群に入っていました。


  追記:『蔡國強展:帰去来』横浜美術館 2015.7.11.sat-10.18sunのブログの一部を再掲しておきます。
  蔡國強氏はニューヨークを拠点に、現代美術界で最も活躍しているアーティストの一人。1999年『第48回ヴェネチア・ビエンナーレ』で金獅子賞を受賞している他、2008年の北京オリンピックでは、開会式・閉会式の視覚特効芸術監督として花火を担当。火薬ドローイングで知られる。

  美術館に入ると、吹き抜けの空間に天井までの大作『夜桜』。そして、中学生以下保護者同伴が必要だとされる『人生四季』春夏秋冬の4作品。さらに別室に進むと、白磁による『春夏秋冬』と天井からつるされたテラコッタによる『朝顔』。すべて火薬ドローイングが施されている。これらの製作過程がビデオ放映される『帰去来』。
  美術館の中での芸術大生の協力を得た製作と爆発を伴う火薬ドローイングの実際が撮影されている。美術館の中での火薬爆発、良く許可が下りたなあと思う程。でもすごく技術があるのでしょう。ビデオの中で、火薬を扱うことで、製作者のコントロールにないものが生じるということなどを発言されています。
  さて、今回の展示の白眉は『壁撞き』、99匹のオオカミのレプリカで構成される全長約40メートルの作品。一匹一匹のオオカミの大きさ、99匹、大きな部屋一杯にオオカミが壁を目指して空を飛ぶ、圧倒的な迫力。これは是非実物を体験してほしい作品。透明なガラスの高さはベルリンの壁の高さということだが、結構低く感じる。『壁撞き』を見たにせ猫さんが一言。成功したアーティストでなければ製作できない作品。お金がかかっています。
  白磁にしても、テラコッタにしても、イリュージョンにしても、コラボレーションワーク。すごくパワフルなアーティスト。展示作品数は多くないけれど、是非。
  そして表題の『帰去来』。中国を出て、日本を経由し世界を目指し、また、自分のルーツを思う。
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『李禹煥美術館 LEE UFAN MUSEUM』 直島

2018年06月19日 | 日記
     『李禹煥美術館 LEE UFAN MUSEUM』 直島

  『地中美術館』から坂を下りてきた途中にあり、舗装した導線に導かれ降りてくると、さっそく草原にオブジェが緑の中で映えています。
  建物の入り口に入る広場にも作品が。李禹煥氏らしい鉄と石のオブジェ。

  この美術館のキャッチコピーは「海と山に囲まれた谷あいの地で、李禹煥の作品と安藤忠雄の建築が周囲と響き合い、静かに思索する時間を与えます。」コンクリート建築の安藤さんと相性が良い感じ。

  作品数は多くはないけれど、それぞれ存在感のある作品。映像利用作品も一つありますが、いずれも静かな空間。

  李禹煥氏は韓国生まれで、日本を拠点に世界的に活動しているアーティスト。日本の現代美術において「もの派」(石、木、紙、鉄板といったものを単体で、あるいは組み合わせて作品とし、ものへの還元から芸術の再創造を目指す)を理論的に主導したことで有名。

  追記:美術館でお手洗いを借りたら、カードがぎっしり入った置き忘れの長財布を見つけました。美術館の係りの方に早速届けたけれど、落とし主さんに戻ったかしら。
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