風来坊の忘備録

晴歩・雨読 日々の雑感 不定期便

さみしい写楽

2022-02-16 17:16:49 | 日記

 このところ病院通いが続いている 

予約のきかない病院では待たされること甚だしい 永い時には3時間も

幸い、文庫本一冊あれば 退屈せずに済む と、言っても限度があるが

 

 がさばる本を避けて 書棚からひっぱりだしたのがコレ。

いつか『写楽』本を出したいと思う程 私がひかれている浮世絵師だ

まして著者が「宇江佐真理」とくれば未読のまま書棚に眠っていたのが

不思議なほど 好きな作家の興味尽きないテーマ待合室で一気読みする

 

 謎の絵師写楽その正体は諸説紛々 私自身も一家言あるのがここは作者に

敬意を表し余分な茶々入れず蔦屋重三郎による「写楽売出プロジェクト」との

宇佐江説に 身を任せて 読み進める

 

 寛政の改革の余波で景気が冷え込む不況の中 思ったほどには売れなかった

それはコロナに蹂躙される現代の如くでもある 〝寂しい”もそんな所からか

 

約10ケ月に 百数十点の浮世絵を発表し、忽然と姿を消した写楽には私なりの

思いもあるのだが それとは異なる宇江佐女子の新説にも半分ほどは頷けるのだ

が。。。。。

           

 

 

 


MINAMATA

2022-02-15 21:19:27 | 日記

 今朝の東京新聞が一面をさいて石原慎太郎氏の差別発言が社会に

与えた影響や メディアの報じ方の問題を検証している

 

 今月一日に亡くなった元都知事だが その時は文学者として「氏」を

伝えただけで 意識してか『負』の部分を伝えなかったマスコミの

反省がこの特集を組ませたのだろうか

 

 石原氏は生前 公務で熊本県へ赴き、水俣病の患者施設を視察した際

水俣病患者に抗議文を手渡された その夜、会見で「これを書いたのは

IQが低い人たちでしょう」との発言や「補償金が目当ての“偽”患者もいる」

との暴言を吐き、患者らの前で土下座して謝罪する事態となった

 

 折からその数日前『苦界浄土』で知られ、水俣病を告発した石牟礼道子氏の

没後4年を偲ぶ集い 「不知火忌」が熊本で行われたとのテレビ報道もあった

水俣はコロナの最中と言えど 決して忘れてはいけないのだと気づかされる

 

 私、個人は水俣について知識は薄く 既に決着がついた〝事件”との思いすら

あったが 改めて 映画『MINAMATA』を観、水俣は終わった訳ではない

の認識を強く持ったが

さてこれから何をしたらいいのか 無力だ これと言った発言の機会もなく

歯ぎしりしているだけの身が悲しい

    

 

 


室内楽こんさーと

2022-02-12 18:20:07 | 日記

 久々の音楽会 せいぜい『音』をたのしむことにした 

オーケストラとは一味違う、小編成のグループが次々に登場して

〘気軽に、身近に 楽器の歌声、聴いてみませんか〙の誘いにつられて

さいたま芸術劇場へ 

 

 音楽に身をゆだねるのは コロナ騒ぎ始まって以来の事

クラシック音楽の知識なんて 全くないが

埼玉フィルメンバーと 仲間たちの演奏に 魅了されての時間

個々の楽曲や 演奏者については 深い関心も 知識もなくなく 心地よく

怒涛のような音や さざ波のような 音の波に もまれ、ただよった

 

 数十人の楽隊をひきつれ 音の波のまにまに 生音の世界に たゆとおった 

瞬時とはいえ 午睡も。。。  贅沢なひと時を 楽しんだ冬の午後の事

      

 

 

 

 

 

 

 


光圀伝を 読む

2022-02-10 13:41:26 | 日記

 小雪で明けた今朝、やがて小雨となり 今、外はまたみぞれとなる

こんな空模様でなければ 読み通すことはなかった 本ではあるが

時間つぶしに 高踏的な内容の本を 筒井康隆氏の解説までも 丹念に読む

 

 作品は娯楽性を加味してか 宮本武蔵や沢庵和尚まで登場させ時代小説好きの

私を飽きさせないようにしてはいるのだ 勿論「黄門漫遊記」ほどではないが・・・。

ブログの短い紙面だ 内容に言及するのは避けようと思う

 

 巻末の筒井康隆氏の 解説文に引っかかる 

氏は 同じ作者の過去の作品を読返したいとの思いを 持ちながらも

「高齢による根気のなさと怠慢からまだ読んでいない」と告白している

 

 ここにも『高齢の壁』が 高名な作家の彼にして『壁』にぶち当たるとは

『根気と怠慢』私が高齢により失ってしまったものが ここに集約されている

 

 日常の買い出しさえも厭う我が心  根気よく降り続く小雪を眺めながら

すっかり怠慢になってしまった 我が心と身体を恨めしく思うのだ

       

 

 

 


高齢の壁

2022-02-09 19:32:46 | 日記

 羽生と書いても結弦選手の事ではない 将棋の羽生善治さんの事だ

ハブさんは29年間維持してきた棋士のランクA級から陥落する事になった

 

 東京新聞コラムによれば 将棋の世界で「50歳の壁」という事があり

加齢によって能力がどうしても低下し、勝負に欠かせぬ記憶や集中力に

蔭りが出る 永世7冠の羽生さんにしても越えられない壁があったようだ

 

 既に50歳をはるかに超えた 私だが「高齢の壁」に近づきつつある

壁を乗り越えるべく 努力と壁と仲良く付き合う覚悟に迫られている様だ

 

身の回りには 何人か壁をものともせぬ強者もいる 参考にはなるが人は人

他人とは競わないのがモットー 自分なりのやり方で壁と付き合おうと思う

 

コロナワクチン三回目も済んだ 前立腺癌にも 適切に対処した

急がず騒がず マイペースで 静かに『壁』との付き合いをしようと思う