〇 Androidタブレットのラインアップが充実してきた。コスパのよい、個性ある機種が増えている印象だ。
そこで現在国内で購入できるAndroidタブレットから、筆者が「買って損なし」と感じた機種を紹介する。主に画面サイズが11インチ前後の製品をピックアップし、価格は2024年5月1日時点のものを参照した。
スマートスピーカーとして使える「Google Pixel Tablet」。
「タブレットを買ったことはあるが、十分に使いこなせなかった」――。こんな人にお薦めなのが、米Google(グーグル)の「Google Pixel Tablet」だ。10.95インチの液晶ディスプレーを搭載するモデルである。最大の特徴はスピーカーになる充電ホルダーが付属していることだ。普段は充電ホルダーにセットして、スマートスピーカーとして使える。
タブレットの使用頻度が低い場合、充電するのを忘れてしまうことがある。外出時に持ち出そうとしたら電池がなくなっていたといったことになりがちだ。こうした充電し忘れが多い人にGoogle Pixel Tabletはお薦めだ。普段は充電ホルダーにセットしていることが多くなるので、常に充電している状態を維持できる。グーグルはバッテリー容量を公表していないが、最大12時間の動画ストリーミングが可能としている。電池持ちはよいと考えていいだろう。
Google Pixel Tabletは、Google Pixel 7/7 Proと同じ「Google Tensor G2」というプロセッサーを搭載する。8GBのRAMを備え、128GBと256GBのどちらかのストレージ容量を選べる。カメラは前面と背面ともに8メガピクセルである。本体に4つのスピーカーを搭載するので、音楽や動画を再生するのに適しているだろう。
持ち運びに便利な「Xiaomi Pad 6」。
携帯性に優れたタブレットを求めるなら、中国の小米集団(シャオミ)の「Xiaomi Pad 6」を検討したい。11インチの液晶ディスプレーを搭載しているが、厚さが6.51mmで薄く感じる。重さは490gと軽量である。ボディー素材にアルミニウムを用いており、価格よりも高級な質感に仕上がっている。
プロセッサーはハイエンド向けのSnapdragon 870(最大3.2GHz)を採用する。RAMが6GBでストレージ容量が128GBのモデルと、RAMが8GBでストレージ容量が256GBの2つのタイプがある。サクサクと軽快に操作できるので、ビジネスでもプライベートでも活躍するだろう。搭載するバッテリーの容量は8840mAhと大容量だ。カメラは前面が8メガピクセルで背面が約13メガピクセルである。
Xiaomi Pad 6のメリットは拡張性があることだ。別売りのオプションとしてキーボード付きのカバー「Xiaomi Pad 6 Keyboard」(1万3800円税込み、以下同)が用意されている。キーボードの打鍵感はよく、装着するとノートパソコンのように使える。さらにデジタルペンの「Xiaomi Smart Pen(第2世代)」(1万4800円)に対応し、アナログの手帳やスケッチブックの感覚で使うことも可能だ。
独自のデジタルペンが秀逸な「Galaxy Tab S9 FE」。
タブレットで絵を描いたり、画像を編集したりする人もいるだろう。タブレットをクリエイティブな用途で使いたいなら、韓国サムスン電子の「Galaxy Tab S9 FE」をお薦めしたい。「FE」は「Fan Edition」の意味である。フラッグシップモデルに比べると、スペックは少し抑えられているものの、使い勝手に大差はないという。スペックの分だけお手頃な価格に設定されている。
Galaxy Tab S9 FEは10.9インチの液晶ディスプレーを搭載し、プロセッサーはサムスン製のExynos 1380(最大2.4GHz)を搭載する。RAMは6GBで、ストレージ容量は128GBだ。microSD(最大1TB)に対応している。内蔵するバッテリー容量は8000mAhであり、インターネット利用は最大16時間、ビデオ再生は最大18時間が可能だという。カメラは前面が12メガピクセルで背面が8メガピクセルである。
Galaxy Tab S9 FEの最大の特徴は、サムスン独自のデジタルペンである「Sペン」が付属していることだ。電磁誘導方式(EMS)を採用しており、充電は不要で4096段階の筆圧検知により細かい描写が可能である。マグネット式なので背面パネルにくっつけて持ち歩けるのも便利だ。素早くメモを書いたり、Sペンで書いた文字をテキストとしてデータ化したりできる。Sペンで指定した範囲を翻訳することも可能だ。多彩な用途に利用できるのは魅力的である。
特徴的な画面アスペクト比を備える「OPPO Pad 2」。
主に仕事でタブレットを使いたいという人にお薦めなのが中国OPPO(オッポ)の「OPPO Pad 2」だ。約11.6インチの液晶ディスプレーを搭載するハイエンドモデルで、画面アスペクト比が7:5であるのが特徴だ。
タブレット画面のアスペクト比は一般的に16:9が多いが、それよりも横幅が太くA4サイズに近い。日本で古くから用いられている“白銀比”と同じで、縦向きでも横向きでも「ちょうどいい」と感じる人が多そうだ。解像度は2800×2000ピクセルで、リフレッシュレートは最大144Hzである。ドキュメントや電子書籍、Webサイトなどが見やすい。動画を視聴したり、ゲームしたりするのにも適していると感じた。
ハイエンド向けプロセッサーであるMediaTekのDimensity 9000(最大3.05GHz)を搭載する。8GBのRAMを搭載し、ストレージ容量は256GBである。なおストレージ容量に余裕がある場合は、最大8GBのRAMを仮想的に拡張できる機能も備えている。
9510mAhの大容量バッテリーを搭載し、67Wの急速充電に対応していることもメリットだ。カメラは前面が約8メガピクセルで背面が約13メガピクセルである。別売りのオプションとして「OPPO Pad 2 Smart Touchpad Keyboard キーボード」(1万6980円)と「OPPO Pencil」(9980円)も用意されている。
低価格が売りの「Lenovo Tab M11」。
コスパを最重視するなら、レノボの「Lenovo Tab M11」が魅力だ。10.95インチの液晶ディスプレーを搭載するモデルで、4096段階の筆圧を感知する「Lenovo Tab Pen」を同こんする。
ミッドレンジ向けプロセッサーであるMediaTekのHelio G88(最大2GHz)を搭載し、RAMは4GBでストレージは64GBである。ここで取り上げる5機種の中では低いスペックだが、基本アプリの操作で不便を感じることはない。microSDカード(最大1TB)でストレージを拡張することもできる。バッテリーは7040mAhで、約10時間の連続使用が可能。約465gという軽さなので、持ち運びにも適している。
付属のLenovo Tab Penは単6電池で駆動する。電池持ちは悪くない印象だ。描画アプリなどを使わずに、素早くスクリーンショットが撮れたり、指定した箇所を拡大するルーペのように使ったりできた。
またレノボのタブレットの独自機能として、Windowsパソコンのサブモニターとして使える。パソコンとタブレット間のファイルのやり取りをスムーズにできる機能を備えているのもうれしい。価格以上の満足度を得られること間違いなしだ。
ここではコスパを重視して選んだAndroidタブレット5機種を紹介した。これからタブレットの購入を考えている人はぜひ参考にしてもらいたい。