たんぽぽ動物病院   院長のひとりごと

岩手県盛岡市で開業する獣医師の日々のつぶやき

キジトラ男の子の里親募集です

2020年08月25日 | 里親募集
8月22日 当院のご近所の住宅街で ひとりにゃーにゃー泣いていたところを
優しい皆様のご協力で保護されました
見たところ生後2カ月ぐらいの男の子です
(写真はすべて保護主様のところで 8月25日撮影したものです)


美猫~~~

健診したところ 体重500グラム 回虫寄生と結膜炎がありました。
回虫駆除薬の投与と眼軟膏の治療と保護主様の愛情のおかげで今はばっちり元気元気💛


ぷりちー


近日中に回虫の再検査の上 良ければ3種混合ワクチンの接種をする予定です。


らぶりー

お問い合わせは当院 または保護主様の横田さん mocotake55-gogo@yahoo.co.jp
まで 宜しくお願いいたします!



わんにゃんの熱中症は氷で冷やしてはいけないのです

2020年08月17日 | 夏の健康
お暑うございます。
こういう暑い日は 人間もそうですが 熱中症になってしまう動物が増えます。
まあ そう言いながら実際問題 お庭や車庫などに犬小屋を置いて飼っている なんていうわんちゃんも少なくなりましたから 気がついたらうちの子がぐったりと倒れている!なんて言って病院に連れてこられる件数はだいぶ減りました。人間同様 クーラーの効いた部屋でのんびり過ごしている子が多いですもんね 
でも そんな子でも お散歩で外に出ると 地面は じりじりとしたアスファルト。人間より小さく 四つ足で地面に近いわんちゃんが お散歩終わりで はあはあと明らかに様子がおかしくなったり 飼い主さんがお仕事で 日中クーラーのない部屋にいて 暑さをしのげる場所が無かったりすると 飼い主さんが帰宅して異常に気付く ということもあります。
因みにねこちゃんは祖先が砂漠にすんでいた動物だったこともあり わんちゃんに比べて暑さには強いです。それでも わんちゃんねこちゃんどちらも お年寄りだったり 腎臓・心臓に問題を抱えている子だと 熱の代謝がうまく行きにくく 熱中症になりやすいリスクはあります。
とりあえず わんちゃん・ねこちゃんが暑い状況にいて、呼吸が荒く 様子がおかしい となったらば 今の季節は 熱中症を疑います。
行ける状況 行ける時間帯ならばまずは動物病院 なのですが 
夜中などで連れていけない場合、または連れてくる前でも 可能であれば 飼い主さんにやってほしいことがあります。


にゃんこはひんやりする場所を探すのがうまいですね

1 体温を測定する
 わんちゃん・ねこちゃんの平熱は38℃~39℃ですが 先のような状況にいて40℃以上の場合熱中症の疑いがあります。動物の体温は基本直腸温で測ります。このご時世 人間の体温計を動物に使うのもはばかられるとは思いますが 体温計の銀色の部分を ラップなどで軽く包み 銀色の部分だけ肛門に差し込めば 不潔にならずに測定できると思います。
そうして測った体温が 
40.5℃以下の場合は → とりあえず冷房の効いた部屋や風通しのいい場所に移動して 水を充分に飲ませます
40.5℃以上の場合は → 水を飲ませるとともに積極的に体を冷やさなければなりません。でも 冷やし方にちょっと注意点があります。次でご説明しますね。
飼い主さんが異常を発見し 素早く体温を測定していただいておくと その子の現在の重症度や 無事に回復してくれるかどうかの予後の判定に ものすごく役立ちます。
ただし 肛門での測定ですので 元々そのあたりが過敏だったりすごく嫌がる子もいます。体温を測定しようとしてますます興奮させてしまっては意味がありません。もし無理な場合には 体や頭を触ってみて 明らかに熱い!となったら次に進んでください。

2 体表を冷やす
わんちゃんねこちゃんが熱い!となったらまず冷やす!となりますが ここでとても注意しなければいけないのは冷やし方です。
一刻も早く冷やしたくなりますので 氷や保冷材などを体にくっつけてあげたくなりますが そうやって急速に冷却すると 体表の末梢血管が収縮してしまい 温度の高い血液が体の内部の各臓器へと戻ってしまい 体表から熱が放散されなくなり 結果身体の深いところの温度が下がらずに 臓器の障害が促進されてしまいます。
人間と違い わんちゃんねこちゃんは汗をかくことができませんので 体表面に血液が流れて熱を放散する その仕組みを阻害しないことが重要です。そのために まずは わんちゃんねこちゃんの全身を直接 常温の水道水で濡らすか 水道水で濡らしたタオル(水が滴るくらいにぬらしたほうが良いです)で全身を包み込み 扇風機などを当ててゆっくりと冷やします。
そのようにして 荒かった呼吸が収まる、体温を測定すると39.5度以下になっている というのは良い兆候です。このように冷やしても 状態や熱が変わらないようなら 点滴などの緊急処置が必要です。病院に連れていく場合も 濡らしたタオルで包みながら 車の冷房や窓からの風などで冷やしてあげることを継続してください。


お友達が撮った 暮れ往く夏の盛岡
ほっとするこの時間の美しさも夏ならではなのですね


あっという間にお盆も過ぎ 暑さももう少しで収まるのかもしれませんが 
人間同様 動物も夏の疲れが出やすく 油断した今の時期が 逆に危ないのです。

わんにゃんとともに がんばって夏を乗り切りましょう


ゲットしました~~~