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中国単身生活16年(2004〜2020年)
孤独なおじさんRyderブログ!

模造大国(特許権何のその)歯車が一つ無い?

2011年10月10日 15時24分33秒 | Weblog
(上)コピー批判よそに「世界で優位に立とう」

2010.6.14 20:43 (1/3ページ)


上海万博の会場内で来場者を運ぶ電気バス(河崎真澄撮影)
 「これはひどいね」



 4月23日、報道陣に公開された北京国際モーターショーの会場で中国のベンチャー企業、BYDのブースを訪れた日本の自動車メーカー関係者は顔をしかめた。BYD初のスポーツ用多目的車(SUV)「S6」のボディーが、トヨタ自動車の高級ブランド車と酷似していたからだ。

 「参考にする」範囲を超えた外国車のコピーについて中国には罪悪感が薄い。3月、米フォード・モーターから乗用車ブランド「ボルボ」を約1700億円で買収した吉利汽車の場合、日本車のコピーを低価格で販売し、研究開発費を抑制したことで知られる。

 1990年代、自動車産業を育成しようと「国民車構想」を掲げた中国政府だが、国内メーカーはやる気を見せなかった。「トヨタやフォルクスワーゲン(VW)と組んで合弁会社をつくった方がもうかる。リスクを冒して開発する気などない」(中国に詳しい自動車業界関係者)からだ。吉利のボルボ買収も、独自の技術やデザインにこだわらない裏返しともとれる。

 “模倣ビジネス”は部品にも及ぶ。昨年秋、中国のカー用品販売店で日産自動車の偽のエンブレム付きのエアバックが出回った。日産は調査会社を通じて「衝撃時に膨張しない」模造品を探し、中国の警察当局に押収を依頼した。

 純正品と区別するため、日産は商品券の偽造に効果の高いホログラムをラベルに採用するなど、再発防止に余念がない。


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 「エンジンの音がしないのに動いている」。5月から始まった上海万博の会場で江蘇省から来た主婦、王燕さん(45)は目を丸くした。

 328ヘクタールという巨大会場を動く来場者の「足」は、200台近い電気バス。停留所に滑り込むと、バスの屋根から電車のパンタグラフのような金属が充電施設の電極に伸びる。バスの動力となるリチウムイオン電池は、地元メーカーの“純国産”だ。

 「2020年までに米国、ドイツ、日本の同レベルと自動車強国の構築を目指す」

 3月に来日した中国汽車技術研究センターの黄永和氏は、自信満々に言い切った。「コピー車批判」をよそに、中国では電気自動車(EV)を武器に、国際社会で「優位に立とう」と号令がかかっている。

 ただ、万博会場の電気バスはエアコンをつけると、走行可能距離は3キロ程度に落ち込んでしまう。最高時速は44キロ。公道での実用化はほど遠い。

 「EVの世界で優位に立つなんて自信がどこからくるのか」。山東省でEV開発に取り組む中小メーカーを見学した日本の自動車メーカー幹部は驚きを隠さない。この幹部が紹介されたEVは、丸みを帯びた赤いボディーで全長2・7メートル。最高速度は60キロ。動力に鉛電池を使用し、エアコンを装着しないなど装備を絞り込んでいた。


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 1台5千ドル(約45万円)で約400台を米国に輸出したものの、中国政府の許可が下りず、国内販売ができないという。こうした低速EVメーカーが中国には約500社あり、2万元(約26万円)~3万5千元(約46万円)で国内販売を計画中だ。

 前出のBYDは5月、広東省深セン市のタクシー会社に30台の電気自動車(EV)を引き渡した。5人乗りの小型EVで価格は約30万元(約400万円)。1回の充電で330キロ走行できるという。

 電池メーカーとして1995年に設立されたBYDは、EVの動力となるリチウムイオン電池の製造技術で定評がある。米投資家ウォーレン・バフェット氏の関連企業から約10%の出資を受け入れたことで注目を浴び、群馬県の金型メーカー、オギハラの工場を買収した。日本のものづくりを支える金型技術を生かし、「EVの製造で主導権を握る」(BYDの王伝福総裁)シナリオを描く。

 もっとも、環境への配慮や行政側の安全基準などの規格作りは進んでいない。事情に詳しい関係者は「低速EVはニッチな市場だ。低価格というだけでは普及しない」と漏らす。明るい自動車産業の未来を強調する中国には、手探りを続ける姿が透けてみえる。





 昨年の新車販売台数が1364万台に達し、米国を抜き世界一となった中国。一部の日系企業で賃金改善を求めるストライキが起きるなど、新たな課題も浮上する“自動車大国”の素顔を追った。





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