税理士 田村直樹の 「建設業者の会計・税務・経営のポイント」  個人事業から会社へ、決算、調査、相続に安心で対応

税理士 田村直樹 が、建設業者の会計・税務・経営のポイントをやさしく、わかりやすく解説します。

工事原価

2024-05-20 11:20:56 | 日記
建設業において、工事原価は非常に重要な勘定科目です。

工事原価は、完成工事高に計上する工事にかかった原価のことを指します。

一般会計ではこれを売上原価と呼びますが、

建設業は独自な会計基準を用いるため、「完成工事原価」と呼称されます。

工事原価は、以下の4つの要素に分類されます。

材料費: 製造に要する原材料、製品、半製品などの費用。

労務費: 製造に要する人件費、法定福利費、福利厚生費などの費用。

外注費: 外部企業に製造を委託した際の費用。

経費: 上記以外で製造に要した費用(減価償却費、水道光熱費、消耗品費など)。

建設業会計では、一般会計とは異なる特殊な会計処理基準を用います。

以下は建設業会計の特徴です。

勘定科目の表記:

売掛金は「完成工事未収入金」、仕掛品は「未成工事支出金」、買掛金は「工事未払金」、前受金は「未成工事受入金」、売上高は「完成工事高」と表記されます。

完成工事高の計上基準:

工事の進捗割合に応じて部分的に計上する「工事進行基準」があります。

これは長期工事において正確な利益計算を行うための方法です。

工事原価を正確に集計するためには、現場別の工事台帳が必要です。

工事台帳には各工事ごとの費用を転記し、工事原価をリアルタイムで把握します。

経費は材料費、労務費、外注費の要素ごとに振り分けて集計することがおすすめです。

工事原価の適切な管理は、会社全体の正確な利益計算につながり、納税にも寄与します。

工事原価の要素と特徴を押さえて、正確に申告できるようにしましょう!
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