コロナワクチンの一回目の接種の後、息苦しさは三週間後の二回目の接種まで続いていた。
二回目接種の問診の時、ドクターは「んーーっ」とかなり長く悩んだが、「打ってみましょうか。ただし必ず、明日か明後日受診して心電図をとってください。接種で心臓に負担がかかる事がわかっています」と。
接種後は念のため30分、待合室で様子をみることに。20分後くらいから出始めた咳が徐々にひどくなり…診察室に運ばれた時は、酸素濃度90。
ドクター「酸素、すぐ酸素!」
ナース「そんなものありません、今酸素足りなくて、こんな病院には回って来ません」
ドクター「アドレナリンは?」
ナース「だから必要だって言ったじゃないですか!用意してません。救急車呼びました10分で来ます!」(喧嘩しないで)
ナース「ご家族に連絡したいのですが、連絡先しゃべれますか?」 私「待合室に…一緒に…」
ナース「隣に座っていた方ですよね、声かけても返事がなくて。もう一度呼んでみます」
夫「や~すんません、ゲームに夢中で気付かなくて…」(オイオイ)
ナース「救急車来ました、場所をあけてください」
救急隊「注射をしたドクター、名前は?」回転椅子の倒れる、ものすごい音が。 (大丈夫かドクター)
救急隊「名前を確認する必要があるだけです。処分される事はありません」
救急隊「呼吸困難なので座った状態で運びます。60代女性通ります!60代女性通ります!」救急車に乗るまで連呼。(60になったばかり。そんなに連呼しなくても…せめて60歳と呼んで欲しい)
救急隊「お昼は何を食べましたか?」
夫「ん…ロールパン、あと俺の買ったリンゴゼリー」 (いいえ、二人で一緒にサンドイッチ食べました)
救急隊「ご家族や職場で、コロナ感染者や疑われる人はいますか?」
夫「先週、職場の同じフロアで感染者が…」 (初耳!どーりで最近しきりに歯磨きしていた)
救急隊A「熱37.1℃です」 救急隊B「まずいな、少し下げて」 (そんな、無茶な)
救急隊A「36.9℃まで下がりました」 救急隊B「よし、それをキープ」
救急隊A「ご本人の職業は?」 (救急車内に緊張感が走る、学童保育勤務はまずい、しゃべるな夫!)
救急隊B「専業主婦です、書いてありました」 (えっ?どこに?)
夫「専業主婦です、家から一歩も出ない専業主婦です」 (それ引きこもり主婦)
通院している市立病院は、救急外来がコロナ患者で満床とのこと。何とか受け入れてもらえる病院は見つかるが、途中で熱が上がった場合、すぐ転院する約束でようやくの受け入れ。
ドクター「違うからね、副反応だったら大変なことになるからね、報告書をかかなくちゃいけないからね、これは違うからね」 そう言いながら部屋を出て行ったと思ったら、注射器片手に戻ってくる。
ドクター「駄目だ、この人スカートだから、打てない!」 ナース「まくればいいじゃないですか」
ドクター「ああっまだ何か履いてる、打てない!」 ナース「スパッツです、まくればいいじゃないですか」
ドクター「いい、いい?90度だよ、見て⁉マニュアル確認して」 ナース「いいから、早く打ってください」
ずっと続いていたひどい咳込みが嘘のように引いて、ようやく呼吸が出来る、しゃべる事も出来る。
ドクター「ほーら治ったじゃない、ああああああ!報告書が…」頭をかきむしりながら部屋を出て行く。
アドレナリン注射と点滴は効いたが、経過観察のため一週間の入院治療が必要との事。次の日から、色々なドクターが代わる代わる見物に病室を訪れる。「基礎疾患があったんだよね?」「卵アレルギーだって?」「アナフィラキシーショックは何度目?」基礎疾患もアレルギーもありません。
主治医「ワクチンの副反応によるアナフィラキシーショックです。3度目は絶対に打たないでください。今度こそ死んでしまうかもしれません。まだ安全性が確認されていないので、しっかりと国に報告して一緒に闘っていきましょう」
万が一の事を考え、接種後2日間は休めるようにスタッフを手配していたが、3日目はコマ切れシフトで綱渡り、4日目はどうにも朝から保育が回らない。3日目に退院させて欲しいと、何とか頼み込む。
主治医「何か急ぐ理由があるの?家から一歩も出ない専業主婦…だよね?」 (カルテに書いてあるんかい⁉)
そのタイミングでしか夫が迎えに来られないからとお願いして、3日目の夕方に無事退院。翌日の早朝から保育に入ったは良いが、浮動性めまいがひどくてトランポリンの上を歩いているよう。つかまっていないと立ち上がれない。そして猛烈な筋肉痛とアレルギー性結膜炎は、一か月たった今も。あのまま入院していれば、それらも副反応の一部として治療してもらえたのだろうな。主治医に必ず出すよう言われた「予防接種健康被害救済制度」の書類は、マイナンバーカードが必要なので現在そこから申請中。長い長い闘いになりそう。
運が良かったのは、接種した病院にいる内に副反応が出た事。あれが自宅に帰ってからなら、体調が急変しようが夫は気付かなかった。私が隣の席で呼吸困難になっていても、全く気付かない人である。救急車を呼んで病院へ行ったところで、ワクチンとの因果関係を認めてはもらえなかった事は、はっきりしている。
万が一は、本当に起こるという事。そして、窒息しそうな時も呼吸困難な時も、自分の苦しさをしゃべれない、相手に伝えられないという事。三度目に「コロナで死にかけた話」を書くことにならないように、祈るばかりなり。