見ていたな
そう、思うけど、
どんな、夢だったか、
思い出せない…
いつも、いつもだ
思い出せない
でも、時々
ああ、今日のこの夢
こうして、覚えている
大丈夫だ
今日は、こうして
忘れられないで、
いられる
…ふと、そして、
目覚めている
確かに、夢を、
見ていた、自分
さあ、振り返れ
…いや、もう
すっかり、すべて、
何にもない
空っぽな自分
でも、今日も、
確かに、
夢は、見ていた…
結局、いつも、
目覚めた、自分は、
今日も、空っぽ
思い出せない
そんな自分の思いだけは、
確かに、ここにある
そんな思いが、
ずっと、ずっと
こうして自分を、
苦しめ、苛む
だから、
そんな夢
見ていた、記憶だけ
夢の残滓だけ
そんな夢なんて、
見なければ、良かった
せめて、
夢は、夢だけで、
消えて、無くなっていれば、
それで良かった